2014年1月30日木曜日

春の兆し:東京にて

梅の開花が進んでいるのもそうだが、野の花も少しずつ咲き出している。昨日は水仙が咲いているのも見た。

正月に始まった太陽黒点の連続観測もついに30日目を迎えた。天気予報では、この一月は非常に雨が少なく異常であると報じ、「久しぶりの『お湿り』は待ち遠しい」みたいなことを言っていたが、黒点の連続観測をやる立場としては雨降りの日は勝負の日となる。梅雨のように終日雨とはならないだろうから、太陽が顔を雲間から覗かせた瞬間を狙って観測するのだ。観測の詳細は別の場所に譲るとして、太陽が出てくるまでの間、周りの風景を撮影してみた。

前日のGPV予報では正午あたりにチャンスが来るということだったが、早朝確認しなおすとどうも7時から8時の間に雲の切れ目が現れそうだという内容に変わっていた。早速外に出てみると、上空には雲がかかっていたが、その西側には青空が広がっていた。高台から見渡すと、陽のあたっているところは近辺にはなく、丹沢の向こうの富士の峰だけが朝焼けに照らされていたのであった。あの空間がこちらまで流れてくれば...と上空に穴が開き、日射しが射し込むまでの時間を推測する。
東京西部から見た冬の「赤富士」
足下には黄色の野草が花を開かせていた。毎年、この場所に咲く花で、イギリスにあったlesser celandineによく似ている。群生となって、緑の絨毯の中に黄色の花びらが点在する様が綺麗。


そういえば、昨年の3月にパンスターズ彗星を狙ったのがここだった。冬の寒さが緩み、春の気配を存分に味わいながら、見知らぬ天文家たちとカメラを並べて彗星の出現を待ったのだった。

そんなことを考えているうちに、雲に切れ目が出て来た!チャンス到来、今日も黒点連続観測は成功しそうだ。

この後、黒点観測は成功したが、間もなくして太陽は雲に覆われた。富士は厚い黒雲の中に沈み、姿形もなくなった。そして午後お茶の時間の頃になって雨がしとしと降り出した。しかし、夕方になると雲散、再び太陽は陽光を地面に照らしていた。

2014年1月29日水曜日

東京は梅が咲き出した

近くの川沿いを散歩していたら、畑の梅が咲き出しているのに気付いた。気をつけて周りを見回してみると、すでに満開となっている梅もある。ちょっと前まで真冬の寒さで凍えていたというのに、東京は寒さが緩むともう春になってしまうのだろうか?

2014年1月28日火曜日

あの黒点が戻って来た

大型の「肉眼」黒点が2週間の太陽の裏面の旅を終えて、再び表面に戻って来た

通常の大きさの黒点は、拡散するなどして、太陽の自転周期27日よりも前に寿命を迎えるのだが、大型の黒点は裏面を生き延びて、また表面に戻ってくることもあるようだ。が、それはたぶん稀なことなんだと思う。

お正月に発生し、ロケットの打ち上げを停めてしまうような強烈な放射線(太陽風)を地球に吹き浴びせたほどの大型黒点をひと月に渡って連続観測できたのみならず、27日の太陽の自転周期を生き延びてまた表面に戻ってくるのも観測できたのは、ほんとうに幸運だったと思う。

まだ東の縁に現れたばかりなので全容がよく見えないのだが、ペアになっていた中型黒点が回り込んで、大型黒点の西側に位置しているように見える。明日、明後日と観測ができればその様子は確認できるはず。楽しみだ。

2014年1月17日金曜日

Micro-Moon in 2014

今日は富士山がよく見えた。雪を被って真っ白だった。太陽黒点も問題なく観測でき、そして日が沈むと、星がたくさん空に輝き出した。今晩は木星と月に注目して観測を行った。

見かけの大きさが一年でもっとも小さくなる満月、いわゆるマイクロムーンが今晩の満月だ。月の出直後に観測したら、真っ赤なマイクロムーンとなって、それはそれは妖しい月だった。詳しい観測結果はこちらで見てもらうことにして、ここでは私がどんな風景を今宵見たか記録しておくことにする。

スカイツリーが写っていた...

2014年1月13日月曜日

太陽の自転周期と浅間の牙(ギッパ)

元旦からずっと行ってきた太陽黒点の観測が、ついに今日、自転周期の半分(13日)に到達した。太陽の自転周期は27日ほどだが、地球から見て裏側に黒点が移動するのを考慮すれば、一つの黒点をずっと連続的に観測できる最大の日数が13日ということになる。太陽の観測は天気に左右されるだけに、日本(の関東、中部)においては連蔵観測が成功する確率が大きいのは、冬のこの季節において他はない。にしても、13日連続で太陽を拝めることはそうはないのではないだろうか? 

さらに運のよいことに、「肉眼黒点」レベルの大型黒点が丁度この期間に出現したため、新年のきりのよいタイミングで、観測しやすい大型黒点が、東縁から登場し、西縁に消え去っていくまでを、ずっと追い続けることができた。


太陽黒点の観測が一区切りついたので、太陽光を減光するNDフィルター(サングラス)を久しぶりに外し、風景を久しぶりに撮影してみた。
浅間山(牙山と前掛山)
浅間の外輪山にある牙(ぎっぱ)の雪景色を撮ってみた。外輪山の向こう側に広がるカルデラ内には別世界がある...いつか是非いってみたい。

2014年1月10日金曜日

黒点観測と一連の出来事

最近、太陽の黒点観測に没頭している。というのも、正月から晴天の日が続いたため、毎日連続観測ができているからだ。しかも、連続晴天が始まった後、久しぶりに大きめの黒点が出現したので、その移動の様子が太陽表面の東縁から西縁にかけて、観測漏れ無く、毎日きれいに記録されているのだ。黒点が小さかったり、数が少なかったりしていたら、いくら晴天が続いても面白い観測結果になるとは限らない。また、黒点がたくさん出過ぎても、画像を重ね合わせたときに黒点がダブってしまって綺麗にはならないだろう。今回は、とにかく、綺麗な観測結果が手に入っているので楽しくて仕方がないのだ!

この久しぶりに現れた大きめの黒点観測を楽しんでいたところ、NASAから次のような発表があった。「アンタレスロケットの打ち上げ延期」。なんのことかわからず、最初はそれほど興味を持たなかったが、それが今観測中の太陽黒点と関連があると知って、俄然興味が湧いてきた。

このロケットの打ち上げ延期の原因は、太陽表面に現在ある大型黒点において、1月7日に、2014年最初の大型フレア(「X級」)が爆発し、宇宙空間の放射線レベルが予想以上に上昇したことだ。これほどの高放射線レベルだと、ロケットのエレクトロニクスが破壊される可能性があるというのだ。
1月7日に撮影した大型黒点(1月7日の黒点観測の記事はこちら)
太陽黒点や太陽フレアの活動による、太陽風の変化は「宇宙天気」と呼ばれ、宇宙活動を繰り広げる現代においては必須の情報のひとつになっている。(例えば、SpaceWeather.comというサイトが会社があって、実際に天気予報のサイトと同じように宇宙天気の予報、解説を行っている。)今回の打ち上げ延期は、この宇宙天気の勧告に従ったわけだ。

ところで、アンタレスってなんだろうと思ったので、検索してみた。すると、国際宇宙ステーション(ISS)に物資や機材を補給する「宇宙運輸便」のような民間会社であることがわかった。

現在のISSの船長は若田光一さんで、日本人初の船長ということで話題になったし、アイソン彗星を宇宙から解説するということで、アイソンが接近した師走の初めにはかなり話題になった。その関連で、若田さんがなかなか船長になれず苦労したという特集番組を先月テレビで見た。なんでも「決断力」が弱いと見なされ、なかなか最終試験に合格できなかったというのだ。そこで精神的なトレーニングを彼は何年も積み重ね、ついに船長になれたという内容だった。その若田さんの決断力を問う事件が、アイソン彗星が粉々に砕けた後やってきた。

2013年の12月11日に、ISSの温度を管理する冷却システムが破損し、室内の温度が急上昇、システムは異常を感じて宇宙ステーションの一部の電源を自動的に切ってしまったのだ。バックアップの冷却システムが作動し、生命の危機が脅かされることにはならなかったが、放っておいてこのバックアップが壊れた時は、それこそ緊急脱出しなくてはならない大ピンチとなる。なんとかして、この問題を速やかに解決する必要が生じた。若田さんだけでなく、NASAの地上チームも加わって、問題の原因を解明したところ、冷却システムのポンプのバルブが壊れていることが判明し、このバルブを交換すれば問題は解決するという分析結果が出た。

最初私は、このバルブの交換のための部品を、アンタレスが地球から届けることになっていたのでは、と思ったのだが、さすがはNASA。バルブの予備部品はISSの倉庫に保管してあったのだ!素晴らしい。若田さん、そしてNASAは宇宙飛行士2人を船外活動(スペースウォーク)させ、外部から問題箇所を修理する決断をする。10時間弱の船外作業の結果、システムは見事復旧したのだった。

しかし、スペースウォークの最中に、補給船をドッキングさせるのは危険なので、アンタレスは最初の打ち上げ予定(12月17日)を延期せざるを得なくなってしまった。


2014年1月3日金曜日

定点撮影:雪の車山

この冬よく行く場所がある。いつも雪に覆われていて、人も少ないし気持ちの良い場所なので、ついつい足が向いてしまう。近場に行きつけのカフェがあるのもよい。

まずは年末に撮った一枚から。

2014年1月2日木曜日

年の瀬の狸

年の瀬、狸が庭でひなたぼっこしていた。その数日後には狐が横切っていった。
慌てて撮影したのでピントがボケた。
この間はスキー場からの雪の帰り道、カモシカがうどん屋の脇にひっそり立っていた...そういえば、狢(むじな)とは狸ではなく、アナグマ、つまりバジャーのことだと最近知った。(蓼科への登山道でみたの「狢」だったわけだ。)また、カモシカはウシ科の動物だという(鹿ではなく、野生の牛だったとは!)。極めつけは、イヌはネコの一種だという!

このへんに住んでいる動物だけとっても、世の中知らないことだらけと驚くばかり。っていうか、この辺にこんなに野生動物が住んでいたとは知らなかった!


さらに、庭に来たツグミを再び。今回はアオツヅラフジの実を食べに来たもの。食いしん坊な鳥なのだろうか?

2014年1月1日水曜日

元旦の太陽

初日の出ではないが、元旦の太陽黒点を観測したので、記録しておこう。
gimpで回転処理済み
太陽の赤道近くに「群島」があるが、大きいのはここ数日は発生してない。

雪の蓼科。地元では「おそなえ山」という別名もある。確かに鏡餅そっくり。おもわず蜜柑を載せて、拝んでしまいそうだ。(今度gimpで合成してみよう。)
庭先の電線にシメがやってきた(昨年の5月の連休にも観察した記録あり)。

このまえに、ジョウビタキも来ていたのだがチャンスを逃してしまった。残念。