2014年10月26日日曜日

巨大黒点現わる。

巨大な黒点が現れたとの報を受け、早速観測してみた。確かに今年のお正月のものよりずっと大きい!フレアも弾けまくっているようだ。

2014年10月5日日曜日

「X線からクォークまで」を読む

エミリオ・セグレ著
みすず書房(1982年)、久保亮五、矢崎裕二訳

反陽子の発見でノーベル賞をとったセグレによる科学史、というか、彼自身、そして彼の友人たちの伝記というべきか?間近で見ていた世界の記述には、やはり迫力がある。セグレ本人が撮った写真には、マリーキュリーや湯川秀樹なども含まれ、「当事者」感がひしひしと伝わってくるだけに、その記述の信憑性はとても高いと思う。安心して読むことができ、没頭できる。

黒体輻射の章はとても勉強になった。電磁場の量子化はプランクが最初かと思っていたが、アインシュタインと言うべきだと思い直した。プランクがやったのは、黒体の壁のエネルギー(壁が多数の共鳴子からできている、というモデルになっている)の量子化。しかも、それは本心から量子化したわけではなく、エントロピーの計算をボルツマンの統計熱力学に従って行うための、数学テクニックとして導入しただけ。最後にはε→0の連続極限を取ろうとしたのだが、物理的な要請からそれをやると理論が破綻するため、仕方なくε=hνとしたのであった。

このエネルギー単位εは共鳴子、つまり壁のもつエネルギーであって、肝心な輻射(つまり電磁場)のエネルギーの量子化ではないことに注意する必要がある。プランクはあくまで、黒体輻射のエネルギー分布関数を導いただけ。壁の成分は、現実には原子であるべきだが、当時は原子構造がわかっていなかったため共鳴子モデルで記述したのだ。単振動する電荷は、時間変化する電磁場、つまり電磁波を発生させる。周波数の異なる共鳴子について、作られる電磁波の強度を計算すれば、黒体輻射の強度スペクトル関数を得ることはできるはず。しかし、多数の共鳴子ひとつひとつについて計算し、それを束ねることは不可能だから、統計熱力学のアプローチを採用してエネルギーの周波数分布を計算した方がやりやすい。とりわけ有用なのは、エントロピーとエネルギーの関係で、エントロピーの統計力学的な計算を共鳴子に適用することで、プランクは分布関数を手に入れた(と思う)。

プランクのエネルギー分布関数が、電磁場の量子化に対応していること(そしてそれはプランクの共鳴子モデルのエネルギー単位と等しいこと)を示したのは、アインシュタインであったと、セグレの本には書いてある。アインシュタインは、このことを証明する具体例として光電効果を選んだだけだった、とも書いてある。

古典論文を直接読むことはなかなかないし(しかもそれがドイツ語だったりフランス語だったりする...)、現代の教科書は、この辺りはかなり省略してしまうか、孫引きで知った内容を適当に(つまり嘘を)書いてしまったりするので、本当の成り行きをなかなか知り得ない。セグレの本を読んだとしても、それは孫引きみたいなものだから、やはり最後は論文を直接読んで確認する他は無い。果たして、できるだろうか?

2014年10月1日水曜日

噴煙を上げる御岳山

噴煙を上げる御岳山の撮影ができた。画像処理すると、山の斜面に火山灰が厚く積もったような感じの所も見受けられる。噴煙は南西の方角にたなびいているものの、局在していて、青空の中、モクモクした形がはっきりとわかる。山肌に噴煙の影が写っている。多分、噴煙は成層圏と思われるところまで立ち上り、そこからは水平に流れている。火山灰が四散している感じは見受けられない。

沢山の人がカメラを向けて撮影していた。


ちなみに、今年の春に撮影した御岳はこちら

視線を東に向けると、富士山もよく見えた。御岳の上空に吹く西風が、富士にも吹き付けているようで、山頂に笠雲が発生していた。これが....噴煙のように見えて一瞬ドキッとした。御岳と富士山って結構近い場所にあるんだなあ、と感心したが、それは実はかなり恐ろしいことなのかもしれないと思い直し、身震いした。

富士山....やっぱり噴くんだろうか?