tag:blogger.com,1999:blog-14104133689970885152024-02-02T15:07:04.525+09:00続研究日誌モンテカルロUnknownnoreply@blogger.comBlogger891125tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-30611848207824055412020-10-19T00:00:00.003+09:002020-10-20T00:41:34.317+09:00調布の「外環工事現場付近」で道路陥没事故<p>外環は練馬(大泉学園)で止まっている。住民の反対運動などがあって、なかなか南下できなかったのである。</p>
<p>しかし、代々の都知事が慎重にことを運んでいた外環の南延工事を、石原前都知事が強引に開始する。自分の名前を歴史に刻みたかったのは明らかで、そのために多くの人が不幸になる可能性については全く考慮しなかった。</p>
<p>反対運動がすぐに始まった。一番の危惧は、善福寺、井の頭など、国分寺崖線やその周辺に湧き出る泉が、大深度地下工事のせいで枯れてしまうのではないか、という環境破壊への懸念であった。成城の「三ツ池の森」のすぐ下を掘ることが明らかになった時は、世田谷の人々も一時期反対に回ったこともあった。外環と東名が合流するJCTは、砧公園の南に設定され、現在すでにかなりの工事が進んでいる。実は、ここ(住所は世田谷区大蔵になると思うが、喜多見や鎌田、岡本といった複数の地域に接する複雑な場所)はかつての産業廃棄物の廃棄場になっていて、工事が始まり地下を掘り出した当初に、有害物質がかなり出てきて問題になったのだが、いつのまにか反対運動は立ち消えになった。</p>
<p>しかし、反対運動は細々と続いているようだ。調べてみると、シールドマシンが起動してから、騒音や振動による損害の問題が色々と発生しているようである。</p>
<p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="外環ネット最新ニュース" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fgaikan.sblo.jp%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://gaikan.sblo.jp/">gaikan.sblo.jp</a></cite></p>
<p>先日、「そういえば外環工事の問題はどうなったんだろう?最近、話を聞かないな」と思っていたのだが、今日のニュースで、調布市つつじヶ丘で道路が陥没した、という報道を聞き、問題がまだ終わっていないことを再確認した。地域住民の戦いは続いていたのだった。</p>
<p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="調布市の住宅街で道路が陥没 立ち入り制限|日テレNEWS24" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.news24.jp%2Farticles%2F2020%2F10%2F18%2F07743519.html%3Fcx_recsclick%3D0%23cxrecs_s" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.news24.jp/articles/2020/10/18/07743519.html?cx_recsclick=0#cxrecs_s">www.news24.jp</a></cite></p>
<p>道路陥没は公共物だからニュースになりやすいが、おそらく個人住宅の中には振動による破損や、建物の傾き、地盤沈下などが多数発生しているのではないか?こういうニュースをわかりやすく届けてくれるのが本来のメディアだと思うのだが、日本のメディアは政府機関に忖度するような状態になってしまい、なかなか真実が届きにくくなっている。人々は直接情報を交換し、メディアに頼らないやり方で、目を見開いていないといけなくなった。</p>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=4871541622&linkId=cfc2b61fdc8e98a9992198b71adee7fc&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-14378915185814089092020-10-18T16:49:00.002+09:002020-10-19T08:40:23.294+09:00ISSの追跡<p>未来少年コナンに登場した、太陽エネルギーを地上へ送信する人工衛星のシーンは、子供心に強い感銘を感じた。
しかし、まさかいずれ、ああいう人工衛星のトラッキングシステムを自分自身でモニターできる日がくるとは思わなかった。</p>
<p>その一つが、国際宇宙ステーション(ISS)のトラッキングシステムのサービスである。これはNASAが提供しているものである。</p>
<p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="Spot The Station" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fspotthestation.nasa.gov%2Fhome.cfm" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://spotthestation.nasa.gov/home.cfm">spotthestation.nasa.gov</a></cite></p>
これはPCのスクリーン中でISSの位置を確認するのみならず、自分の住む地方で、実際に自分の目でISSを確認したいときにも、利用できるシステムである。例えば、東京でISSを実際に観測したい場合は、単に"Tokyo"と検索ウィンドウに打ち込みたいところだが、世界には意外にもたくさんの"Tokyo"があることを知ることになるだろう...(実際には、検索システムが弱くて、スペルが似た街も選ばれてしまうらしいようである。Mumbai, Indiaなども、なぜか選択肢に引っかかってくる....)。時間を節約したいなら、"Tokyo, JPN"と打ち込むのがいいだろう。
<div class="separator" style="clear: both;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5MSxNXBRcUA_KDy3v0rULG05XBBY_9DUzKOXpflvHUUldayx1VuCfwBhhllZBdiW3NKeCOh0xTi5bNJUTpXsW_lKB9T1NRCQIcPsJtrKCmiPY6KNBPy8pgzz5v7ORzOCSGZmyvAnKAaON/s1610/ISS_location.png" style="display: block; padding: 1em 0; text-align: center; "><img alt="" border="0" width="320" data-original-height="1306" data-original-width="1610" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5MSxNXBRcUA_KDy3v0rULG05XBBY_9DUzKOXpflvHUUldayx1VuCfwBhhllZBdiW3NKeCOh0xTi5bNJUTpXsW_lKB9T1NRCQIcPsJtrKCmiPY6KNBPy8pgzz5v7ORzOCSGZmyvAnKAaON/s320/ISS_location.png"/></a></div>
<p>ほぼ、毎日観測できるが、早朝だったり、深夜だったりするので、自分の好きな時間帯に合うものを見つけよう。たとえば、私は春先の夕方6時頃に観測を試みて成功した!角度は25度くらいあると、神社の高い木の上辺りに見える。60度などはかなり高い場所に見えるだろう。また、観測継続時間も確認しておこう。長いものだと、6分近く観測できる。これは、太陽光を反射して光るISSならではの事情である。地球の裏側に回ってしまい、太陽の光が届かなくなると、ISSは夜空から消えてしまう。自分のいる場所がちょうど良い場所だと、ISSの反射光が長い間続くのだ。</p>
<p>方角を定め、時計を眺めながら、「10秒前....5,4,3,2,1...来た!」などと、コナンのあのシーンのような感動をISSを使って体験することができる。予想以上に明るく、速く移動するので、写真を撮るときは事前に周到な準備をしておくとよいだろう。</p>
<hr/>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B0844WLH35&linkId=3c0e47589d3838a8066999295d968dff&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B0897M3521&linkId=700d46b2137d077fd00495d5253f846c&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-36522610477144723352020-10-18T16:39:00.002+09:002020-10-18T16:50:17.553+09:00未来少年コナンのギガント<p>本日は「ギガント」の回がNHKで深夜に放映される。最後の山場で、非常に楽しみにしている。</p>
<p>未来少年コナンに出てくるメカニックは、宮崎駿氏のデザインだと思うが、部屋に飾るのにちょうどいいと思い、いろいろ調べてみた。まずは、日本アニメーションから発売されている、<a href="https://www.nippon-animation.co.jp/news/goods/5724/">(画用紙で作る)ロボノイド</a>が見つかった。</p>
<p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="未来少年コナン ロボノイド ペーパーキット(ペーパークラフト) ガレージキットメーカー Team STRIKE!(チーム・ストライク!)" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.team-strike.com%2FSHOP%2FMEF10.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.team-strike.com/SHOP/MEF10.html">www.team-strike.com</a></cite></p>
<p>他にも、プラモデル版のロボノイドも見つけた。</p>
<hr/>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B07VMRYBMS&linkId=91f47dac2033f9c618947bf1dc59a7f4&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B00CBAAD3Q&linkId=d02728a87b2446ff68bfff13a4c3049d&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<hr/>
<p>ちょっと、高めなのですぐに手は出ないが、いずれは欲しいと思うおもちゃである。</p>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-33461760316660912022020-10-17T00:25:00.000+09:002020-10-18T16:41:09.031+09:00NHKの未来少年コナンの再放送<p>なぜか、日曜の深夜(日付が変わって月曜の深夜というべきか?)の時間帯で、未来少年コナンが再放送されている。そもそも、子供向けのアニメーションだったはずだが、今時の子供はもう興味を示さないと言うのだろうか?もちろん、40年前の「子供たち」は、いまでも熱心にこのアニメーションをみるだろう(私もその一人である)。</p>
<p>今回の再放送では第一回は見逃した(ずいぶん前に、衛星放送でキャプテンヒューチャーが再放送されたとき、最終回の3回前に気づいたのに比べればかなりましだが!)。第2回目はなぜか偶然見た。それ以来、毎週楽しみにしているのだが、最初に見た時の「赤色」の鮮やかさは昔見た画質とは明らかに違うもので、非常に驚いた。オープニングの、街が火に飲み込まれるシーンの赤色や、ラナの赤い服、歌の最後の夕焼けの赤などが非常に印象的で、この「デジタルリマスター版」に引き込まれた理由の一つとなった。</p>
<p>数週間見続けた後、突然、画面の比率のことが気になった。昔のテレビに合わせて作ったこのアニメーションであるから、横長の最近のテレビで放映すれば横に隙間ができるはずだ。しかし、今回の再放送では隙間なく、ちょうど画面に収まっている。こういうとき、よくあるのが「切り取り」である。今、ネットで日本アニメーションが未来少年コナンのオリジナル版の動画を公開している。
<iframe class="BLOG_video_class" allowfullscreen="" youtube-src-id="FZIkUeun2tk" width="320" height="266" src="https://www.youtube.com/embed/FZIkUeun2tk"></iframe>
</p>
<p>
NHKの再放送の放映回に合わせてエピソードを公開しているので、画像を比べてみると、やはり「頭が切れている」ことがわかった。宮崎駿の「縦方向」のアニメーションは、上下の隙間を存分に使いこなすわけだが、横長の画面に合わせて切り取ってしまったせいで、頭が不自然に切り取られ、ダイナミックさが失われているような気がした。しかし、もともとの出来がいいから、こういう瑣末はあまり気にしなくていいだろう。だいたい、5、6週間経つまで、この違和感には気がつかなかったわけだから。</p>
<p>
今回の再放送を見ていて、初めて気が付いたことがある。第20話「再びインダストリアへ」から第24話「太陽塔」までが、時間的につながった話だということだ。第24話は先週放映されたばかりだが、この点に注目しながら見ると、とてもおもしろかった。
</p>
<p>第20話では、ハイハーバーを午前中(朝?)出発する。青空に向かってフライングマシーンが一直線に飛び立つシーンに、鳥肌が立ったのを昨日のことのように思い出す。マシーン内で機内食を準備し、味わうシーンがとてもいい。コーヒーもうまそうだ。さすが食事のシーンを描かせたら宮崎駿はピカイチである!インダストリアに侵入したのが、夕方である。ハイハーバーとインダストリアの距離感がなんとなくわかる。薄暮の中、ガンシップと一騎打ちとなる。話は21話に移る。</p>
<p>第21話「地下の住民たち」の冒頭で、モンスリーとコナンを乗せたフライングマシーンは撃墜され墜落、二人は捕まる。時間が少しずつ経過し、あたりが暗くなっている。ラナ、ジムシー、ダイスは、地下街へ入り込むため、時間の経過がわかりにくくなる。捕まったコナンが、モンスリーの助けによって、窓から飛び降りるシーンは、夜中になっている。三角塔の窓明りが、暗い夜空に点々と光る様子が印象的だ。(この回の絵コンテは、富野由悠季氏が手がけたことでも有名である。)</p>
<p>第22話「救出」の冒頭は、前回の最後の繰り返しである。モンスリーが盾となってコナンを守る。銃声が聞こえた後、コナンは窓から飛び降り脱出に成功する。撃たれたモンスリーが廊下に倒れるシーンも夜中である。コナンは、夜闇の中、地下街へと侵入する。しかし、爆発に巻き込まれ、流水に飲まれて、地下の深くへと流される。この段階で、全員が地下街に入ってしまい、時間の経過が不明となる。</p>
<p>水攻めに苦しむ地下の住民たちを救うため、ラナは自ら捕虜になることを選ぶ。ラナは(ラオ博士が捕らえられている)三角塔の上階へ連れていかれるが、住民たちは装甲シャッターの下に閉じ込められる。コナンが、ダイスとジムシーと合流し、トロッコを被って、水中行進を試みるシーンは、ギガントの翼をかけるシーンや、磁力手枷をつけたまま水中に沈没するシーンと並んで、傑作だと思う。個人的にはダイスが躓く2度のシーンが好きである。</p>
<p>ラオ博士に太陽エネルギー復活を協力させるために、ラナは一本橋の拷問にかけられる。ラナが空中にせり出していく時、地平線が朱色に染まる。<b>実は長年、このシーンを「夕方」だと思っていた</b>のだが、これまでの経緯を考えると、 「夜明け」と見るべきであることに初めて気がついた。地下の住民たちが水責めで苦しめられていたシーンは、徹夜での奮闘だったのだ。今回のこの「発見」により、宮崎駿のアニメーションにはまだまだ「隠れた伏線」というのがたくさんあるんじゃないか、と思った。コナンたちが、酸素切れとなったトロッコを放棄し、最後の酸素を使って入り口目指して必死に泳いでいたのも、夜明けであったのだ。だから、出口が明るく遠くに見えたのである。</p>
<p>外界に出たコナンたちは、夜明けを待って銃殺されることになっていたモンスリーの処刑場に偶然出る。このあたりも、時間の流れに注意すると、モンスリーの夜通しの苦しみが想像でき、より面白さが増す。モンスリーを助け、三角塔を目指して走り出すのも夜明けである。空中の一本橋で墜落の恐怖と闘いながら、左右前後に揺れるラナを下から見つけたコナンは、ラナをめがけて駆け出す。これも夜明けのシーンだったのである。</p>
<p>第23話「太陽塔」。そして、ついに太陽塔のレプカを追い出すことに成功する。レプカが逃げ出すのは、鏡の集光アンテナに置かれたラオ博士のフライングマシーンだった。鏡に青空が写り、ウユニ塩湖のような景色広がる。日が昇り、日中になったことがわかる。フライングマシーンが墜落するシーンも、青空が背景であった。その後、ラオ博士の指揮による衛星の復活作業のシーンが続く。屋内のシーンであるが、時間がかかる様子が想像できる。というのも、最終段階になったとき、コナンたち全員が夜の帳が下りた三角塔の屋上に集まっているシーンへと変わるからだ。1日が過ぎ夜になったことがわかる。満点の夜空に動く「星」が現れる。真上に来た時、太陽エネルギーのビームが三角塔めがけて降臨する。三角塔に明かりがつく。暗かった夜の風景が、人口の光によって照らし出される。エスカレーターや動く廊下、イリュージョンの部屋など、テクノロジーの復活のシーンの後、屋上に出た一行は、再び夜明けを見る。明るくなり始めたところへダイスがやってきて、沈没船の引き上げのためコナンたちはサルベージ船に向かうことが告げられる。朝日の中、3人が走って港へ向かう。こうして、ハイハーバーを出発してまる2日間の大冒険のシーンが終わる。</p>
<p>時間の流れが連続的であることに気をつけて見ると、非常に緊迫した、盛りだくさんの山場のシーンであることがわかり、新たな面白さを感じることができた。特に第22話「救出」は、わずか30分の放映なのに、60分、あるいは120分近くの長さに感じられるほど、充実している。</p>
<p>明日は、ついに最後の山場の山場である、「ギガント」の回である。決着は、来週の「インダストリアの最期」につくから、2回分のエピソードになる。非常に楽しみである!
</p>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B00CBAAD3Q&linkId=097973aa968ab416aaa0482fc4d84b67&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B019SSLHR4&linkId=db37f4890fd3ae452647a5b8cc1a1248&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B07QCRSNHN&linkId=2439959bb5f94493e215d9bc489e6c19&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
<hr/>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=qf_sp_asin_til&t=kuzzila08-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B008U49KAE&linkId=204aaeb32f466feac02fcd8fe85774e6&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-4707110607881372402019-01-30T21:43:00.002+09:002019-02-01T08:37:55.347+09:00ポストスクリプトのプログラミング(5) : runコマンドの問題と利用Postscriptはプログラミング言語であることを、<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2011/12/postscript.html">ずっと前に取り上げた</a>。一通り<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2011/12/postscript_28.html">幾何学模様を描いて遊んでみた後</a>、基本部分はマスターできたと思う。最近は、幾何学の問題を解くときにときどき利用している程度だったが、パワーポイントやキーノートで図形を描くのはストレスが溜まる作業だということがわかったので、思い切ってpostscriptsで図形作成をすべてやってみる方向に切り替えることにした。そもそも、プログラミングというのはうまくいったら楽しいし、また、うまくいったプログラムは再利用できるから、最初は大変だが、だんだん楽になっていくという利点もある。<br />
<br />
ということで、今回は、プログラム(リソース)の再利用、 つまりライブラリと呼ばれるものを使う方法を採用しようと考えた。いろいろ調べてみると、runというコマンドが使えることがわかった。これについては、後で詳述することにして、まずはrunを使うことになった経緯について述べておく。<br />
<br />
<hr />
<br />
Postscriptには「関数」という概念がない。その代わりに、procedure(「手続き」と訳している人もいる)という、コマンドのまとまりを再定義する方法を利用する。ただ、procedureへの変数の受け渡しは定義されてない。たとえば、円を2つ書くコマンドをdarc(=="double arc")というprocedureにまとめる方法は、<br />
<br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">/darc {</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> x0 y0 r0 0 360 arc</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> x1 y1 r1 0 360 arc </span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">} def</span><br />
<br />
とする。こうすると、procedureである"double_circle"が定義される。<br />
<br />
では、このprocedureの中で定義されている「変数」x0, y0, ...などはどうやって渡すのか、というと、スタックを利用するのだ。たとえば、procedureの定義において、<br />
<br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">/darc {</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /r1 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /y1 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /x1 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /r0 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /y0 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> /x0 exch def</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"><br /></span>
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> x0 y0 r0 0 360 arc</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;"> x1 y1 r1 0 360 arc</span><br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">} def</span><br />
<br />
という具合に、スタックからデータを受け取るコマンドを書き込む。注意するのは、取り込む順番だ。このprocedureを使う段になって、<br />
<br />
<span style="font-family: "trebuchet ms" , sans-serif;">0 1 5 10 12 7 darc</span><br />
<br />
とやると、(x0, y0, r0, x1, y1, r1)=(0, 1, 5, 10, 12, 7)という対応でprocedureに取り込まれる。procedureの中では、7, 12, 10, 5, 1, 0という順番でスタックの取り込みが行われるので、r1, y1, x1, y0, y0, x0の順番で「変数」を定義する。<br />
<br />
このように、procedureをたくさん定義しておけば、次にプログラムを書くときに、それを再利用することができる。しかし、ファイルの中に長々とcut&pasteするのは、見栄えと読みやすさを犠牲にする。一般のプログラミング言語のようにライブラリにまとめて一括読み取りができると便利だ。例えば、C言語の#includeとか、LaTeXのusepackageみたいな機能だ。<br />
<br />
Postscriptに関する古い解説文書を読むと、この機能に対応するのは"run"だと書いてある。たとえば、先ほどのdarcのprocedureを別のファイルdarc.psに書いておき、それを新しいファイルappli_darc.psで再利用するときは、appli_darc.psの中で、<br />
<br />
(darc.ps) run<br />
<br />
とすれば、darc.psの内容がappli_darc.psで再利用できるというわけだ。<br />
<br />
<hr />
<br />
ところが、この手法を用いてmacOSで、appli_darc.psをopenすると、エラーが発生して読み込むことができない。書式が悪いのか、読み込みの定義が間違っていたのか、といろいろと疑ってみたが、どうもどこもおかしくない。長いこと検索してみると、ついにこの<a href="https://stackoverflow.com/questions/45040066/postscript-not-able-to-execute-a-macro-containing-run-command">問題の核心をついていると思われるdiscussion</a>を見つけることができた。<br />
<br />
この議論で引用されているMITの元記事はリンク切れしていて読めなかったが、<a href="https://ozuma.hatenablog.jp/entry/20180826/1535258202">こちらのページ</a>で内容は大体わかった。<a href="https://bugs.chromium.org/p/project-zero/issues/detail?id=1640">ghostscriptの脆弱性(vulnerability)が、2018年8月にgoogleのエンジニアによって発見</a>されたという内容だ。<br />
<br />
結局、runコマンドによって外部ファイルを読み込めるようにしてしまうと、悪意のあるコードや命令を埋め込まれてしまうという内容だ。これを受けて、macOSのpreviewや、Adobeシステムの製品では、runを含むpsファイルはエラーが出るように修正されている、ということらしい。<br />
<br />
天体観測の画像処理などでもよく利用するImage Magickもgsのライブラリを利用しているので、同じ脆弱性をはらんでいるそうだ。パッチが公開されているらしい。<br />
<br />
ただ、macOSにデフォルトで入っているgsコマンドを利用すれば、runを含むposgtscriptファイルを実行することがは可能である、とdiscussionに書いてあった。そこで、試してみるとちゃんとrunコマンドが動くことが確認できた。<br />
<br />
また、ps2pdf -dNOSAFERでもrun付きpsファイルをpdfに変換することができる。ちょっと手間だが、ps2pdf -dNOSAFER ps_with_run.ps; open ps_with_run.pdfと打ち込むか、次にようなbashスクリプトを書いて(psviewと命名し、chmod 755 psviewとしておく)、利用すればよい。<br />
<br />
<h1>
[psview]</h1>
<pre><b><span style="color: cadetblue;">#!/bin/bash
</span></b>
<b><span style="color: #a020f0;">if</span></b> [ $<i><span style="color: firebrick;"># -eq 1 ]; then
</span></i> fname=`head -1 $1.ps`
<b><span style="color: #a020f0;">if</span></b> [ ${fname} == <b><span style="color: rosybrown;">"%!PS-Adobe-3.0"</span></b> -o ${fname} == <b><span style="color: rosybrown;">"%!PS-adobe-3.0"</span></b> ]; <b><span style="color: #a020f0;">then</span></b>
ps2pdf -dNOSAFER $1.ps; open -a preview $1.pdf
<b><span style="color: orchid;">exit</span></b> 1
<b><span style="color: #a020f0;">else</span></b>
<b><span style="color: orchid;">echo</span></b> <b><span style="color: rosybrown;">"Error. File must be of Postscript."</span></b>
<b><span style="color: orchid;">exit</span></b> 0
<b><span style="color: #a020f0;">fi</span></b>
<b><span style="color: orchid;">exit</span></b> 1
<b><span style="color: #a020f0;">fi</span></b>
cat << __EOF__
The argument must be the name of the postscript file
to be processed with ghostview, and to be opened with preview.
__EOF__
<b><span style="color: orchid;">exit</span></b> 0
</pre>
<br />
runコマンドのvulnerabilityがあることを認識し、あくまでpsviewで開くのは自作のpostscriptファイルだけとわきまえておけば、これでrunを利用した自作のprocedureのライブラリを使ってプログラム群を構築することができる!<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-43847418322318348452019-01-17T20:12:00.001+09:002019-01-17T20:16:49.005+09:00ダイナブックを買うのはやめた<a href="http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201901/CK2019011202000139.html">ダイナブックの役員に</a>柳瀬 唯夫 元首相秘書官が就任した、という報道が東京新聞に載っていた。<br />
<br />
改めて言う必要もないだろうが、改めて言っておこう。柳瀬氏は首相からの指示を受け、安倍総理大臣の親友が経営する「加計学園」が新たに設置を狙った獣医学部の許認可を巡り、「総理大臣の友達だから」という私的な理由で便宜を図り、愛媛県に「設立許可を出すよう働きかけ」を行った<u>疑い</u>があるとして、国会で追及を受けた人物である。<br />
<br />
この汚職疑惑に関して、国会は真実をあぶり出すことはできず、柳瀬氏は知らない間に担当の職を辞し、経済産業省の要職を渡り歩きながら、最後は「天下り」で合浦李という官僚にとっての「ゴールデンロード」を歩くことになった。心の浅瀬からお祝い申し上げたい。<br />
<br />
ところで、ダイナブックといえばラップトップパソコンの代名詞であり、東芝が先鞭を付けたPCのポータブル化への世界的な出発点となった製品だ。 世界をリードしていたといってよい。それが、業績不振や東芝の不正会計の問題のあおりを受けて、昨年東芝のPC部門はすべてシャープに売却された。シャープ自体も、台湾の企業に買収されていることを考えると、日本の電子産業、電気機器業界は惨めな限りである。<br />
<br />
柳瀬氏がどうしてダイナブックの非常勤取締役になれるのであろうか?<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E7%80%AC%E5%94%AF%E5%A4%AB">wikipediaを見ると</a>、彼は長らく経済産業省で原発政策を推進してきた人物だという。 東芝はながらく原発事業を推進してきたが、最近、<a href="https://www.asahi.com/articles/ASL827HP5L82ULFA036.html">買収したアメリカのWH社の事業破綻</a>に伴い、東芝の本体が傾いてしまうほどの「大穴」を開けてしまった。こんな沈没船に対し、いまさら原発仲間のコネを使って、しかも売り渡したSharp-Dynabookへ天下りなどできるのであろうか?もしできるのだとしたら、病気の猫から血を搾り取るダニかノミのように思えるが、本当のところはわからない。<br />
<br />
私もダイナブックをこれまでに3、4台買っているし、現役でも一つ使っているので、ある意味「ダイナブックファン」である(VAIOは一台も買ったことがない)。サポートのために登録していたのだが、東芝のPC事業が落ち目となった3、4年前に、突然東芝から手紙が送られてきて、「サポート事業を中国の会社に売却するので、あなたの個人データを中国の会社に渡すことになったがよいか?」と言われたので非常に驚いたことがある。あのときは、ダイナブックはもうダメか、と非常に落胆したのだが、シャープに売却となって少しは安堵していたのである。<br />
<br />
しかし、今回の報道を受けて、新しい「シャープのダイナブック」から購入するのはもうやめることにした。(古いのは使い続けます。)<br />
<br />
一方で、興味が出てきたのがVAIOである。最近のソニーの製品をみると、昔の輝きをすこしずつ取り戻しているような気がする。もちろん、ソニーもVAIOを切り離してしまったが、独立した先でよく頑張っていると思う。個人的には、ソニーがRaspberry PIを製造を引き受けているという点も、高評価につながっている。<br />
<br />
落ち目の日本経済を救ってくれそうなのは、ソニーとアイリスオーヤマになるのだろうか、と現在注目している。(個人的には、アイリスオーヤマの製品は嫌いなので、あまり購入したことはないのですが。) Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-12397369090408068722019-01-16T05:11:00.001+09:002019-01-16T05:14:52.798+09:00人工流れ星:ALEの挑戦明日、1/17に鹿児島の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ予定だったイプシロン4号機の打ち上げは、<a href="http://www.kntk.co.jp/ec/epsilon/">1/18の朝に打ち上げ延期</a>となったそうだが、この三段式固体燃料ロケットは今回複数の衛星を打ち上げる予定で、その一つにALEという民間会社が製作した「人工流れ星発生衛星」が含まれている。<br />
<br />
ALE...ビールの種類だとおもったらそうではなく、<a href="http://star-ale.com/">Astro Live Experiences</a>という会社名の省略だという。この会社は 「人工流れ星」を作り出して、花火のようなお祭り企画を売りモノにしたいと考えている。<br />
<br />
筋金入りの天文ファンには、こういう「偽物」は非常に評判が悪いようだが、一般の人にはずいぶん好意的に受け入れられているようだ。国内外のメディアでも最近しきりに紹介されている(もちろん、これはこの会社のプロモーション部門の売り込みなんだろうが)。<br />
<br />
ただ、技術的にはちょっと興味がある。まず、流れ星の中身は、様々な重金属を練りこんだ鉄球だと思う。花火と同じように炎色反応を応用しているはずだ。ALEによると、赤い流れ星、緑の流れ星、など様々な色をデザインできるようだ。次に、狙いの上空に流れ星を流すには、衛星の姿勢制御を精密に行う必要がある。説明によると、これは恒星の位置を観測し、それをもとに計算して角度や位置を割り出すそうである。これはなかなか面白いシステムだと思う。GPSとかは使わないのが、"Astro"っぽい感じでいい。<br />
<br />
打ち上げはうまくいくだろうが、試練はその後にまっているはずだ。というのも、衛星から物体を打ち出す、つまり投げ捨てる わけだから、地球をすでに回っている既存の衛星、特にISSにとってみたら、とんでもない話である。したがって、国際的な協議の結果、この流れ星衛星はずいぶん軌道高度を下げて運用するように要請されているらしい。したがって、イプシロンが衛星を投入する高度は結構高いだろうから、なんらかの方法で、地球に向かって高度を下げる運転が必要となる。<br />
<br />
昔、ザクとガンダムが地球上空で戦闘を行なった際、<a href="https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12182293572">少佐の部下クラウンは無残にも大気との摩擦で燃え尽きた</a>。 スペースシャトル、<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E5%8F%B7%E7%A9%BA%E4%B8%AD%E5%88%86%E8%A7%A3%E4%BA%8B%E6%95%85">コロンビアも大気圏突入に失敗</a>し、大破した。だいたい、<a href="http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/2548.html">ハヤブサだって燃え尽きた</a>。重力とのバランスをとりながら、少しずつ高度を落とすのは意外に難しいのではないだろうか?<br />
<br />
次の試練は姿勢制御だろう。3つほどバランスコントローラーが付いているらしいが、一つでも壊れたら運用停止するようJAXAやNASAから求められているらしい。それはそうだ。鉄球の行き先が制御できないようでは、恐ろしくておちおち寝てもいられない。広島の上空に流すつもりが、平壌や北京の上空に落としてしまったら、第三次世界大戦の火蓋を切るロケットが飛んでくる可能性だってある。ここが一番の正念場になるはずだ。<br />
<br />
もちろん、打ち上げの衝撃で、弾丸発射装置(銃?)の故障なども考えられる。<br />
<br />
成功を祈る。 Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-52670874971458254602019-01-15T04:38:00.000+09:002019-01-16T04:44:17.473+09:00ラズベリーパイとは何か:What is Raspberry Pi ?<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2019/01/gcj.html">gcjの記事でも書いた</a>が、最近<a href="http://mrrobot-tv.jp/">MR.ROBOT</a>というアメリカのTVドラマを見たのだが、そこで"Raspberry PI"が出てきた。数年前に雑誌でその存在を知って、たしか1冊教科書を買ったような気がする。が、他のプロジェクトに時間を取られて、なかなかその詳細に触れることができなかった。<br />
<br />
研究予算が5000円ほど余ったので、今回購入してみようと思い立った。注文する前に、ラズベリーパイとはなにか整理しておこう。<br />
<br />
ラズベリーパイは、極小のM/B(マザーボード)だ。つまり、コンピュータの基盤である。自作PCが十年ほど前に大流行りしたときには、こんな小さなM/Bは売ってなかった。<br />
Raspberry PIの最初のモデルは 2012年の発売だそうだ。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/ca/Raspberry_Pi_B%2B_rev_1.2.svg/640px-Raspberry_Pi_B%2B_rev_1.2.svg.png" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" data-original-height="434" data-original-width="640" height="271" src="https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/ca/Raspberry_Pi_B%2B_rev_1.2.svg/640px-Raspberry_Pi_B%2B_rev_1.2.svg.png" width="400" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">Rapsberry PI B+ 1.2 (2014発売):<a href="https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Raspberry_Pi_B%2B_rev_1.2.svg">画像はwikipediaより</a>。</td><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><br /></td></tr>
</tbody></table>
<br />
<br />
ちなみに、今までに作った自作PCの中で一番小さかったのは、英国に住んでいたときに作った「ベアボーン」というタイプのものだった(厳密にいうとベアボーンはキットのことで、M/Bの大きさの規格は意味しないが)。RHLをインストールし、NICを二枚挿しして自作ルーターとして使用したのが、今では懐かしい思い出となってしまった....あのベアボーンでも、Raspberry Piと比べたら、象みたいなものだ。だいたい、最近のルーターもずいぶん小さくなったが、Raspberry Piはそれよりも一回り小さい。<br />
<br />
この小さなM/Bの目的は、<a href="https://www.raspberrypi.org/about/">プログラミングの教育</a>だそうである。創始者は<a href="https://en.wikipedia.org/wiki/Eben_Upton">Eben Upton</a>という英国人(より正確にはウェールズ出身)で、彼はケンブリッジ大学を卒業後、母校に就職しコンピュータサイエンスを教えていた研究者であり、その後カリフォルニアの半導体会社Broadcom Co.に転身した技術者でもある(Intelに派遣されていたこともあるようだ)。そして、ラズベリーパイ財団を立ち上げた起業家、実業家でもある。<br />
<br />
イギリスのコンピューターと言えば、最近では携帯、スマートフォン、パッドなどに使用されているARM社のRISC型CPUが有名だが、 ラズベリーパイも<a href="https://www.raspberrypi.org/documentation/hardware/raspberrypi/bcm2837b0/README.md">ARMコア</a>をパッケージしたBroadcom社のSoCを利用している(SoCというのは、CPU, GPU, Display, SDRAM, USBなどのチップやコントローラーを固めて詰め込んだデバイス/チップのこと)。ちなみに、ARM社は2016年にソフトバンクに買収されてしまったので、「日系」と言えるのかもしれない....<br />
<br />
製造は、ウェールズにあるSony UKの工場がメインで、その他、中国と<a href="https://www.rs-online.com/designspark/sonymanufacturesraspberrypi">日本でも製造</a>しているとのこと(日本での製造も、<a href="https://www.rs-online.com/designspark/sonymanufacturesraspberrypi">愛知にあるソニーの工場</a>で行われているそうだ)。ちなみに、私が購入したのはMade in United Kingdomだった。<br />
<br />
ラズベリーパイは日本では「ラズパイ」と呼ばれる場合もあるそうだ。ただ、ヤマダ電機などには売ってないので、私はamazon.co.jpで注文して購入することにした。<a href="https://www.amazon.co.jp/RS%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%B3%E3%83%88Raspberry-Pi-3-B-%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%89/dp/B07BFH96M3/ref=sr_1_5?ie=UTF8&qid=1547580819&sr=8-5&keywords=Raspberry+Pi">値段は5000円</a>ちょっとなので、買い求めやすいと思う。ただ、これを買っても基盤だけなので、記憶装置となるmicro SDカードとか、キーボード、モニターなどは別に用意する必要がある。もちろん、常日頃から計算機をいじっている人はそういうのは余りがあるので、使い回しするだけだ。映像出力はHDMIなので、私は自宅のテレビをまずはモニターがわりにして使おうと思っている。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-5020483230972379902019-01-14T12:44:00.002+09:002019-01-14T15:27:14.216+09:00チバニアンの問題(2)<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2019/01/blog-post.html">チバニアンの認定について</a>、日本国内で「内輪もめ」が起きてしまい、国際会議での審査が凍結されてしまった件について調べてみたら、いろいろと面白いことがわかった。<br />
<br />
まず、当初の申請をおこなった国内グループとはどういう人なのか調べてみた。<a href="https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20170607.html">国立極地研究所のプレスリリース</a>に、申請者のリストがあった。このリストはアルファベット順なので、研究を主導する人がどなたか、わかりにくい。<a href="https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20170607_2/pr20170607_2.html">産総研のプレスリリース</a>をみると、そのあたりが明確になる。それによると、茨城大学の岡田教授、国立極地研究所の菅沼准教授、千葉大学の亀尾准教授、国立科学博物館の久保田研究員といった方々であるようだ。つまり、「きちんとした科学者のグループ」であることがわかる。<br />
<br />
一方、異議を唱えた団体とはどんなグループなのか調べてみた。たとえば、毎日新聞には「<a href="https://mainichi.jp/articles/20180512/k00/00m/040/189000c">別団体」</a>と書かれているだけで、どんなグループかはっきりしない。そこで、<a href="http://maruden.secret.jp/?p=922">個人のブログ</a>などを参考に調べてみると、 「古関東深海盆ジオパーク認証推進協議会」という団体であることがわかった。その代表は、茨城大学の楡井教授であるという。この「評議会」についての資料は著しく少なく、正体は不明だ。この団体は、チバニアンの地層がある養老渓谷の場所に、<a href="https://www.asahi.com/articles/ASL223T3WL22UDCB00F.html">勝手にコンクリート階段を設置したことで報道された</a>ことがある。<br />
<br />
さらに調べてみると、いろいろなNPO法人の理事長の職に楡井氏がついているらしいことが判明した。たとえば、「<a href="http://www.npo-geopol.or.jp/president.htm">日本地質汚染審査機構</a>」。非常に興味深いことに、この<a href="http://www.npo-geopol.or.jp/">団体のホームページ</a>には、<a href="http://www.npo-geopol.or.jp/images/photo/fig2017aS.jpg">安倍明恵夫人からの激励の色紙の写真</a>が貼り付けてあった。色紙には「平成二十八年10月26日」という日付がある。(2016年といえば、森友学園や加計学園に関する活発な動きがあった頃ではないだろうか?)<br />
<br />
楡井教授の経歴が気になるところである。まず科研費の情報からは茨城大学には2003-2005年の間は確実に所属(<a href="http://www.cwes.ibaraki.ac.jp/">広域水圏環境科学教育研究センター</a>)しているらしいことがわかった。 しかし、現在は、この研究センターには所属していないようだ。2012年2月に開催された<a href="http://chiba-jichiken.net/syuppan/kikansi-pdf/jc08/jc08_kouenkai.pdf">講演会の資料</a>には「茨城大学名誉教授」とあるので、その前に退職なさったようだ。<br />
<br />
検索を続けると、意外な資料から彼の初期における経歴がわかった。それが<a href="http://www.tbs.co.jp/radio/kume954/guest/20150718.html">久米宏のラジオ番組の過去ログ</a>だ。2015年7月に、ラジオ番組に出演し、久米宏と対談したらしい。この資料によると、出身は福島県会津地方出身で、大阪市立大学の学部と大学院を卒業しているそうだ。卒業後の1970年に千葉県庁に就職している。役場の定年は60歳だから、2000年前後に定年退職したことになる。つまり、役人の天下りのような形で国立大学の茨城大学に再就職したということだろう。つまり、この方は、研究者というよりは、実務経験をもった元役人という感じがする。<br />
<br />
このラジオ番組で、楡井さんはチバニアン(彼はチバシアンと名付けたかったようだが)の宣伝を行なっているから、2015年7月の段階では、彼は異議を申し立てるどころか、推進派 だったことがわかる。ところが2017年6月の申請時には、研究者グループのリストには名を連ねていないから、2015.7-2017.6の間になにかがあったのは確かである。<br />
<br />
同じ茨城大学には、チバニアン提案者の中心人物である<a href="https://info.ibaraki.ac.jp/Profiles/4/0000332/profile.html">岡田教授</a>がいる。彼は理工学系の学科の教授であり、楡井さんの所属していた研究センターとは異なる。想像するに、正統的な研究者である大学教授と、元役人が再就職して誕生した大学教授との間には、意見の隔たりがあったのではないか、ということである。<br />
<br />
ここまで調べると、この「異議」というのが科学的に根拠のあるものではないことが薄々わかってきて、なんだか馬鹿らしい気分になってきた。事実、IUGSの審査は、この「異議」について気にもかけなかったらしく、<a href="https://www.sankei.com/region/news/181119/rgn1811190053-n1.html">中断していた二次審査を無事に通過</a>したということである。<br />
<br />
多くの報道で、今年中にも正式に決定される見込みであると報じられている。安心した!きっと、今年の秋、冬に吉報があるはずである。<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-42070397258760517612019-01-13T11:20:00.000+09:002019-01-14T13:08:48.189+09:00チバニアンの問題<a href="https://www.sankei.com/life/photos/171113/lif1711130023-p1.html">チバニアン</a>とはなんだろうか?ジュラ紀とか白亜紀とかと同じような地質年代を表す時代名らしいのだが、詳しいことを知らなかったので、調べてみることにした。<br />
<br />
まずは基本事項から始めよう。地質の年代は大雑把な分類から次第に細分化されていく。まず一番大きな枠組みが「代」、eraと呼ばれる単位だ(注:正確には代の上の枠組みとして「累代」、aeonというのがあるが、あまり使わない気がする...もちろん、<a href="https://www.aeon.info/">とあるスーパーの名前</a>は別にして。)。代(era)は、古生代、中生代、新生代の3つからなる。チバニアンが属するのは新生代だ。<br />
<br />
次の年代が、紀、すなわちperiod/epoch(英語の用語の違いがいまひとつわからないが)。 有名なものに、中生代に属するジュラ紀とか白亜紀とかがあるが、新生代の場合は、第三紀と第四紀からなる。チバニアンは第四紀に属する。<br />
<br />
第四紀というのは大雑把に言って人類が誕生してからの時代である。アウストラロピテクスが生きていた時代が400万-300万年前で、第四紀はこの辺りから始まる。<br />
<br />
第四紀は更新世と完新世に別れるが、結局後者は「人の時代」つまり有史以降の現代ということだ。<br />
<br />
更新世にはカラブリアン(カラブリア期)とかジェラシアン(ジェラシア期)いう名前がついた「期」、すなわちage、があるが、それ以降の時代には名前がついていない。カラブリアンというのは、最近、霧ヶ峰とか、上田の砥石城の前にある虚空蔵山だとか、そういう山塊を形成する安山岩溶岩が<a href="https://gbank.gsj.jp/geonavi/geonavi.php#15,36.10412,138.19399">カラブリアン</a>であることを知ったばかりだ。<br />
<br />
第四紀の中で名前がついていない<a href="https://www.sankei.com/life/photos/171113/lif1711130023-p1.html">77万年前から12万年前の地質時代をチバニアン、すなわち「チバ期」</a> と呼ぼうというのが、<a href="https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20170607.html">2017年6月に日本の地質学者が国際地学会IUGSに提案した内容</a>だという。この時代に何が起きたかというと、<b>最後の地磁気反転</b>が発生した時代なのである。おそらく、地層中の金属鉱物の磁化方向が反転していることを利用して、この時代を特徴付けるのであろう。<br />
<br />
同時期に、イタリアの地学会から「イオニアン」が提案されたようだが、<a href="https://www.aist.go.jp/aist_j/news/au20181119.html">2017年11月の予備審査でチバニアンに軍配が上がり</a>、日本の報道機関などで「チバ期」誕生か?と大きく盛り上がったのは記憶に新しい。<br />
<br />
しかし、この後、チバニアンという地質年代名の認定に関しては、予想しなかった事態が発生し、審査が凍結されてしまった。2018年5月、「チバニアン」という名称をIUGSに提出した国内のグループが2つに分裂し、片方が片方を「嘘つき」と糾弾したのである。つまり、磁気反転のデータを捏造したと異議を唱えた。日本国内でもめている状態では、これ以上の国際的な議論は無駄になりかねない、と感じたIUGSは審査を凍結してしまった。「チバニアン」の夢が遠ざかったように感じた人も多かったのではないだろうか?<br />
<br />
一体全体、この「内輪もめ」とはなんなのか、<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2019/01/2.html">調べてみることにした</a>。<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-557989305200862922019-01-10T01:03:00.000+09:002019-01-10T01:03:17.160+09:00gcjが消えたjavaはインタープリタのようなものであるが、コンパイラに改良されたjavaが存在し、それがgcjである。gccの中にバンドルされていたので、気軽に使っていた時期がある。ただ、実行速度はあまり早くなかったので、ちょっと研究には使えなかった。<br />
<br />
色々あって、数値計算の研究から遠ざかっていたが、最近また少しずつプログラミングを始めた。きっかけはMR.ROBOTというアメリカのドラマである。linuxを使ってハッキングをしかける若者の話で、なかなか面白い。ドラマのタイトルにはunix系の専門用語が使われていて、例えば、eps2.1-kernel-panic.ksdとか、eps2.2-init-5.fveとか、eps2.9-python_pt1.p7zとかといった感じである。しかし、pythonやVisual Basicは出てくるのにjavaが出てこない。ちょっと不思議な感じがした。<br />
<br />
こんなこともあって、自分のマシンに入れてなかった言語を入れてみることを思いついた。先日はMS Officeのインストールだけでも、あれほど苦労してしまったので、今回も苦労するかもしれない、という漠然とした恐れはあった。が、それはhomebrewのおかげで杞憂に終わった。ありがとう、homebrew!<br />
<br />
インストールしたかったのはfortranだが、g77やg95は消え(古いヴァージョンはまだ動かせるようだが)、ifortは有償になってしまったので、gfortranを入れることにした。調べると、これはgcc 8.2に最近はバンドルされているそうなので、brew install gccとしてgccをアップデートすることにした。(gccは元からmacOSに入っている。/usr/bin/gcc。homebrewでインストールしたgccはgcc-8として実行する。/usr/local/bin/gcc-8。)<br />
<br />
そういえば、gcjもgccにバンドルされているはず。久しぶりにgcjとタイプしてみたが、そんなコマンドはない、というメッセージが出た。調べてみると、gcjは2016年にgccから外され、開発も終了したという。この事実は驚きであった。<br />
<br />
そもそもjava自体が、最近はあまり表舞台に出てきてないようである。ただ、多くのアプリケーションはいまだにjavaで書かれているようで、人気の言語ではあるが、しかし段々とその汎用性が薄れて、開発用途に合わせた新しい言語で記述されるケースが増えているという話である。これも驚きの事実であった。<br />
<br />
mac関連だと、LLVMとかswiftとか、新しい言葉が出てきた。gcc -vとやるとLLVM version 10.0.0.0とか出てくる。VMの一種らしい。だとするとjavaのextensionだろう。<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-14654259073115739162019-01-08T18:32:00.003+09:002020-10-17T23:13:01.691+09:00マイクロソフトのソフトウェア: MS office製品macを使っている理系研究者は多いと思う。やはりベースがBSD系UNIXなので、数値計算などのプログラム開発、LaTeXを使った論文作成などなど、いろいろな面で有利だ。<br />
<br />
しかし、面倒なのは、一般の人や大学事務が好むMS wordやエクセルで作ったファイルの扱いだ。macはマイクロソフトのアプリケーションがデフォルトではインストールされていないので、windows系の書類を扱うのが苦手だ。<br />
<br />
とはいえ、最近はpdfによる文書作成が普及したこともあり、議事録などがdocファイルだけで直接 配布されるようなことは少なくなってきた。内容を確認するだけなら、pagesを使ってdocファイル、Numbersを使ってエクセルファイルを閲覧することはできる。<br />
<br />
また、学会発表もpowerpointではなく、keynoteやpostscript言語によって作った図形をpdfに落としてプレゼンファイルをつくるようにしている。<br />
<br />
そんなこんなで、2011年にMS office 2011 for macを購入して以来、 MS Office製品はアップデートも新規購入もしないまま済ませてきた。どうしても必要な時は、古いmacbook airを引っ張り出してきて、そこにインストールしてあるMS office 2011 for macでワード文書やエクセルファイルを処理していた。<br />
<br />
しかし、新しいmacbook proを購入し、macOSもmojaveにアップデートし、その使い勝手の良さに慣れてくると、次第に古いmacbook airを引っ張り出してくるのが億劫になってきた。<br />
<br />
そこで、とうとう、新しいmacbook proにMS officeをインストールしてみようと思い立ったというわけだ。しかし、八年のブランクは予想以上に大きく、様子がわからずに随分手間取った。その一部始終をメモしておこう。<br />
<br />
まず思いついたのが、app store で購入し、ダウンロードする方法だ。しかし、検索しても検索してもなかなかマイクロソフトの製品にたどり着かない。もしかすると、「出店」してないのかも...と、30分ほど粘った後に結論せざるを得なかった。<br />
<br />
マイクロソフトのホームページは実に見難い。が、なんとか<a href="https://www.microsoft.com/ja-jp/office/homeuse/package-mac.aspx">オフィスのページ</a>を探し当てることができた。どうやら、MS office 2011 for macの後継はまだ販売されているようだ。現行製品はMS office 2016 for macというらしい。色々なバージョンがあって、Home & Businessというスタンダードなものは3万3千円、Home & Studentは2万2千円で、両者ともにダウンロード版のみの販売らしい。インストールできるマシンの台数は2台のみ。ただし「永続的」に使用できる。一方、academic版は1万6千円 と随分安くなるが、ダウンロード版はなく、指定された店舗、<a href="https://software.univcoop.or.jp/item/4930">たとえば大学生協で購入</a>することになるようだ。<br />
<br />
新しい製品としては、office 365 soloというパッケージを見つけた。ダウンロード版のみで、windowsとmacの区別はないらしい。値段は1万1千円と格安である。しかし、使用期限が一年間だけである。つまり、毎年1万円ちょっとを払い続ける必要があるわけで、長い目でみれば随分損である。<br />
<br />
「オフィスの無料版がネットで使えるらしい」という情報を掴んだが、ぬか喜びであった。調べてみると、この製品は<a href="https://www.microsoft.com/ja-jp/p/office-online/9nblggh4v88g?activetab=pivot:regionofsystemrequirementstab">Office Online</a>というらしく、ネットにつないだ状態で利用するらしい。だが、この製品(というよりはネットサービス)はマイクロソフトアカウントというメンバーシップを保有するひとだけが使えるサービスらしい。このアカウント自体は無料で作成できるが、まずメンバーになる気がしないし、なにより、このサービスはwindowsだけからしか利用できないというオチがあってがっくりである。<br />
<br />
ここまで調べた結果で最適な解は「academic版を生協に買いに行く」ということになるのだろうが、きっと「入荷までに何日かかります」とか言われてしまい、どうせすぐには買えないのであろう。 面倒だ。<br />
<br />
最初にやったのは、古いmacbook air のMS office関連のディレクトリをそっくりUSBメモリにコピーして、新しいmacbook proのアプリケーションフォルダーに移植することである。アプリを起動することはできる。しかし、インストールの認証ファイルに不備がある、というメッセージが出てきた。とはいえ、エラーメッセージを消してやると、古いファイルを閲覧することだけならできるようだ。しめしめ。しかし間も無くして、大きな問題があるのがわかった。新規ファイルの作成が禁止されていたのである。これでは、予算申請書を作成したり、事務から送られてくる書類を修正して送り返す、という作業ができない。<br />
<br />
次に思いついたのは、古いMS Office 2011 for macのインストールCDを、物置から探し出すことである。あの時は製品をCDで購入したので、きっと「永続使用」が可能なはずである。本棚をガサガサやって探してみると、インストールCDが見つかった。プロダクトキーも袋に貼り付けてあった。さっそくインストールアプリを起動してみた。インストール自体はまったく問題なく進み、最後のところでプロダクトキーの入力が要求された。慎重に入力し、ネットで認証されれば 一件落着である。ところが、エラーメッセージが出たのである:ネットに繋がっていません、だと?そんなばかな。<br />
<br />
ネットには確かにつながっている。念の為、複数のネットワークで試してみたが、当然まったく同じ症状となる。しかし「インストール自体は成功しているので、とりあえず今日のところは読み書きはできるよ」とのことである。ただし、二週間以内に認証に成功しないと取り消しになるよ、という「脅しのメッセージ」も出たのだ。<br />
<br />
これはいずれ困ることになる。そうならば、今日中に解決したい。メッセージを調べると、認証は電話でもできる、とある。ボタンをクリックしてみたら、電話番号(フリーダイヤルもあった)が表示された。とはいえ、このソフトはもう十年近く前に購入したものだから、「たぶん、おかけになった電話番号は...とかなるんだろうな」と心配しつつ電話してみた。すると、意外にもマイクロソフトの認証センターにつながったのである。ほっと一息。<br />
<br />
電話番号と一緒にmacに表示された長ったらしい整数を6桁ごとに8グループほどに分けて(つまり48桁の整数!)電話のキーを使って入力していく。ちなみに、電話での対応は、人間のオペレーターではなく、AIである...10分ほどかけて、慎重に数字を打ち込み、やっと最後の入力が終わり、認証終了かと思われた矢先、このAIは「申し訳ありませんが認証できませんでした。新しいソフトウェアを購入するか、もう一度...」ここで電話を切ったのである。<br />
<br />
さてどうしようか?もう打つ手はないのだろうか?念の為、もう一度ネットで調べてみると、<a href="https://www.microsoft.com/ja-JP/software-download/office">こんな記事</a>が見つかった。不具合を修正するためのパッチ、あるいはパッチが当てられたバージョンの(マイクロソフトの)<a href="https://www.microsoft.com/ja-JP/software-download/office">ダウンロードサイト</a>である。ダウンロードするためには、プロダクトキーが必要だというので、このサイトにある入力欄にキーを丁寧に入力し、ダウンロードボタンを押してみた。すると、うまくダウンロードが始まったのである。<br />
<br />
少し長めのファイルはdmgファイルになっているので、クリックしてマウントする。そこには、インストールアプリが入っていて、これをクリックすると、再度インストール作業が始まった。これでうまくいくかと思われたが、またプロダクトキーの認証で失敗した。今度は、「マイクロソフトの認証サーバーが現在ダウンしており、認証が行えません」とかなんとかいう内容のエラーメッセージだった。そんなわけないだろ!と思いつつも、仕方ないので他の方法、つまり電話による認証を再度試みることにした。<br />
<br />
さっきと同じように、表示された電話番号 に電話をつなぎ、言われた通りに長ったらしい整数を順番に電話に打ち込んでいく。すると...うまく認証ができたらしい。が、作業はここで終わらない。AIが、「これからお伝えする長ったらしい整数値をあなたのmacに表示されている認証windowに打ち込んでください」とかなんとかおっしゃるので、日本語会話の聞き取り試験じゃないが、AIが伝えてくる50桁近い整数を必死に紙にメモしつつ、認証windowの入力箇所に慎重に打ち込んでいく。この作業も10分ほどかかったと思う。そして、最後の数字を打ち込んだ瞬間、「認証終了」の表示が我がmacにやっと現れたのである。<br />
<br />
電話でもAIが最後の質問を投げかけてきた:「認証エラーのメッセージが出た場合は1、そうではない場合は2を、その他の場合は3を押してください。」日本語の表現がちょっと不自然だったので、最初「3」を押してしまい、はまりそうになって焦ったが、やり直しのモードになったので、「2」を押して、無事電話の方でも認証終了のお墨付きをいただいのである。<br />
<br />
こうして、散々苦労した挙句、ようやくMS Office 2011 for macを2019の正月にインストールすることができた。これでやっと研究費の申請書が作成できる。やれやれ。
<p>
<iframe style="width:120px;height:240px;" marginwidth="0" marginheight="0" scrolling="no" frameborder="0" src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?ref=tf_til&t=jippinius-22&m=amazon&o=9&p=8&l=as1&IS1=1&detail=1&asins=B07LBNR2M1&linkId=e3498e7f34dc9217345e3a3fc36ffafc&bc1=ffffff<1=_top&fc1=333333&lc1=0066c0&bg1=ffffff&f=ifr">
</iframe>
</p>Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-16622504927850164132018-11-24T13:40:00.001+09:002018-11-27T08:11:57.092+09:00「捨てるな、うまいタネNEO」を読む「捨てるな、うまいタネ NEO」<br />
藤田雅矢著(WAVE出版、2010年)<br />
<br />
2003年に出版された書籍の文庫版。著者は農学者(植物学者?)だった人で、現在は執筆業など<a href="https://fujitama3.hatenadiary.jp/about">幅広い活動</a>を行なっている。<br />
<br />
八百屋や果物屋で買ってきた野菜や果物の種を蒔いて育ててみよう、という趣旨の本。とても面白い。<br />
<br />
実際にやってみたのは、アボカドとビワ。アボカドの種には爪楊枝を3本、百二十度の間隔で突き刺し、コップの縁に引っ掛けるようにする。種の下半分だけが水に浸るようにする。一週間もすると種が2つにぱかっと割れた。根が最初に出て来ると思ったら、なかなか何も出てこない。春になって、ようやく出て来たのは芽の方。この状態で鉢植えにして、戸外に置きっ放しにする。今年は梅雨が記録的な短さで、猛暑が襲ってきたが、直射日光を浴びて葉が焼けてしまい、「丸坊主」になってしまった(茎だけの状態)。しかし、秋になって涼しくなって来ると新しい葉が出始めた。枝分かれなども起きて、ひと夏終わったところで、葉が8枚程度出ている状態まで回復。最低気温が一桁の日もある現在は、家の中に取り込んで管理しているが、室温に満足したらしく、次から次への葉の芽が出て来て盛んに成長している。観葉植物としてはまずまずの樹形で、満足だ。<br />
<br />
ビワは、外皮を剥いてから水に浸す、というテクニックを本書から教えてもらった。皿にティッシュペーパーを敷き、それを水で浸した状態にする。そこへタネを置く。水切れしないように、毎日ちょっとずつ水を継ぎ足して、発根したら鉢植えに移行する...はずであったが真夏の暑い時季に水切れを何度かやらかしてしまい、試した3つのタネは全て発芽したものの、 そのうち生き残ったのは1つだけだった。しかし、この「困難」を切り抜けたタネは強く、現在葉が6枚にまで増えて、成長中だ。こちらは、鉢植えから戸外でずっと管理している。<br />
<br />
実は、この本を買う動機となったのは、この本を見つける直前に発見した、冷蔵庫に入れ忘れていた人参だ。 久しぶりに野菜入れの奥を整理して見ると、もやしのような芽を伸ばし、半分腐りかけた人参が出て来た....捨てるのは癪だったので、庭に植えて置いたら、美しい白いレースのような花を咲かせるまでに育ったので、とても感激した。知らない人に見せたら、「軽井沢や霧ヶ峰の高山でよく見かけるシシウドかしら」などと感心してくれるかもしれないが、これはもととも冷蔵庫の中で半分腐りかけた◯×スーパーの人参なのであった。もしかして、スーパーの野菜って育ててみたら美しい植物に変身するのかもなどと思っている時に見つけた本が本書だった。<br />
<br />
そんなおり、昨年堆肥置き場に捨てたカボチャとトマトの種が、夏の終わりに突然巨大化し、そのままほって置いたら、みごとに結実したのだ。カボチャは人の頭ほどあるのが、2つも採れたし(多分、ニュージーランド産のカボチャ)、トマトも大粒のもの(たぶん、宮崎か熊本のトマト)が10個は採れた。<br />
<br />
スーパーで買ったアメリカ産のポップコーンの種も蒔いてみたら、意外に大きく育って、実がなった。しかし、受粉があまりうまくいかなかったようで、皮を剥いてみたら、歯欠け状態。まあ、来年用の種が30粒ほど手に入ったと思えば、それなりに成功したといえるのかもしれない。<br />
<br />
本書には、面白い結果をもたらしてくれる、つまらない野菜(普通の野菜/くだもの)がたくさん紹介されているので、ちょっとずつ試してみようと思っている。<br />
<br />
この本は、まだ読みかけなのだが、ところどころに面白いことが書いてあって、勉強になった。2つほど上げておこう。まずは、キウイフルーツについて。ニュージーランド原産の果物かと思ったら、実はサルナシを品種改良して、商品化したものなのだという。1920-30年に、ニュージランドが、自国の主要産業としてなにか作物を開発しようと画策し、いろいろ研究した結果、中国原産のサルナシの一種を元にキウイフルーツを作り出したのだという。そういえば、<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2011/08/blog-post_30.html">サルナシの実を2つに切ると、異様にキウイフルーツに似ているのを以前から不思議に思っていた</a>のだが、同じものであったのだ!<br />
<br />
もう一つが、F1品種の話。こちらは、実に深い話なので、別の機会に取り上げてみたいと思う。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-87592361363548705952018-09-23T01:11:00.002+09:002018-09-23T01:11:27.100+09:00USBメモリの寿命:ついに壊れた64GBのUSBメモリUSBメモリの寿命は短い、ということを知っていたので、使用開始から5年ほど経過した64GBのものをバックアップすることにした。最初はGUIで確認しながら、丁寧にフォルダー毎に手でコピーしていたのだが、だんだん面倒になったので、残り30GB分程度のファイルは一気にコピーすることにした。コピーは順調に進み、一時間近く経ったところで残り1%程度となった。<br />
<br />
すると、突然動きが緩慢になり、処理が滞ったような感じになった。そして、とうとう最後に「不正な取り出しが行われました」といった内容のメッセージが出て、デバイスは強制的にunmountされてしまった。差し直してみたが、もう後の祭りであった。<br />
<br />
寿命が短いことを知っていて、先手を打ったつもりが、 逆に仇となったとは...それから数日間はfsck, fsck.vfat, fsck_msdos, testdisk, diskdril, etcと無駄な努力を繰り返し、時間を浪費してしまった。<br />
<br />
長時間のファイルコピーがUSBメモリを破壊するという事例は、googleでは見つけることができなかったので、どうしてこんなことになったのか解明すべく、原理に立ち戻って自分で考えて見ることにした。<br />
<br />
USBメモリは、英語ではUSB flash drive, あるいは単にUSB driveとかUSB stickとかいう。フラッシュメモリを利用しUSBポートを使って接続する記憶装置である。<br />
<br />
その動作機構は量子力学のトンネル効果を利用したもので、理論物理学者の観点からみると、ポテンシャル井戸(以下では「量子井戸」あるいは単に井戸と表記する)の格子があって、その井戸の中に電子を注入するか、しないかでバイナリーデータを作成する記憶システムと言える。<br />
<br />
大まかな構造は<a href="http://www.logitec.co.jp/data_recovery/column/vol_002/">logitecのホームページの図</a>を見るとよくわかる。NPN接合の半導体が基本構造となっていて、P型半導体の上に量子井戸を載せたような形になっている。量子井戸は、logitecの図では「フローティングゲート」と書かれている部分に相当する。量子井戸とP型半導体の間には「トンネル酸化絶縁膜」(図には「トンネン」とあるが、「トンネル」の誤り)があり、これが量子力学の教科書で言うところの、「ポテンシャル障壁」の役割を果たす。<br />
<br />
<table align="center" cellpadding="0" cellspacing="0" class="tr-caption-container" style="margin-left: auto; margin-right: auto; text-align: center;"><tbody>
<tr><td style="text-align: center;"><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi-A2rB9DYGKj0IcXK_BxOwSrViWMeZGBj0D5IvTKT8K_Vh1oMOROaFFYc3z09RUd_nK2O0dmB00iF4tdVLFECoPBXf_eVq1xIct1pTvXzsw1s9DflX7rfGiOJ2g8ml8SjZQSWDboevMfZc/s1600/flash_memory.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: auto; margin-right: auto;"><img border="0" data-original-height="312" data-original-width="461" height="216" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi-A2rB9DYGKj0IcXK_BxOwSrViWMeZGBj0D5IvTKT8K_Vh1oMOROaFFYc3z09RUd_nK2O0dmB00iF4tdVLFECoPBXf_eVq1xIct1pTvXzsw1s9DflX7rfGiOJ2g8ml8SjZQSWDboevMfZc/s320/flash_memory.jpg" width="320" /></a></td></tr>
<tr><td class="tr-caption" style="text-align: center;">量子力学の教科書風にモデル化した、フラッシュメモリのフローティングゲート周辺の構造。量子井戸=フローティングゲート、ポテンシャル障壁=トンネル酸化絶縁膜、そして電子のいる場所がP型半導体部分。</td><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><br /></td><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><br /></td><td class="tr-caption" style="text-align: center;"><br /></td></tr>
</tbody></table>
<br />
電子を注入するときは(つまり「書き込み」)、ポテンシャル障壁(酸化絶縁膜)に対するトンネリング(量子力学の特質のひとつで、電子などに対応する波動関数が指数関数型となって、障壁から染み出すような現象)を利用する。面白いことに、井戸の中に電子が注入された状態が0、電子が抜けた状態が1という定義を採用している。なんとなく、直感的には逆にした方がいいような気も最初はしたが、下で説明するように、読み出し機構を考えると、この定義の方が確かにしっくりくる。<br />
<br />
読み出すときは、(Logitecの図を参照してもらいたい)井戸(つまりフローティングゲート)の下のP型半導体部分に(ソース→ドレインの向きに)電流を流してみて、この電流が流れやすいか、流れにくいかでバイナリー状態を判定する。井戸に電子が注入されているときは、電流が流れにくいので0、逆に井戸が空のときは電流が流れやすいので1ということらしい。<br />
<br />
一旦、量子井戸 に閉じ込められた電子は、メモリへの電源が断ち切られたとしても、「しばらくは」井戸の中に残っているから、バイナリデータは保存できるというわけだ。つまり、USBメモリがPCから外されたとしても、データはちゃんと残っているということになる。(逆にDRAMは一定の周期でバイナリデータを電気的に書き込み続けないとデータが保持できない。したがって、電源を切るとDRAMの中のデータはすべて消えて無くなってしまう。)<br />
<br />
ここで問題となるが「しばらくは」井戸の中に残っている、という部分である。「しばらく」というのが、つまりフラッシュメモリの寿命ということになる。しかしフラッシュメモリには二種類の「寿命」があって、より深刻なタイプと、そうでもないタイプがある。<br />
<br />
まずは「そうでもない」方のタイプだが、これは、トンネリングで注入した電子が、再びトンネリングで漏れ出してしまうまで、と言う意味の寿命である。量子井戸の中に何個ほどの電子が注入され、その電子がどのくらいの割合で染み出していくかは知らないが、よく言われるのが、<b>数年から10年程度、</b>という数字である。Logitecのホームページには、「新品なら十年ほど」と書いてあるから、まあこの数字が上限とみていいだろう。<br />
<br />
一方で、「深刻なタイプ」の方は、酸化絶縁膜の劣化による寿命である。書き込み、消去、書き込み、消去、という操作を繰り返すうちに、酸化絶縁膜が劣化するのである。バイナリデータの書き込みや消去のときは、ポテンシャル障壁を短時間で抜けられるように電子には高電圧がかけれらるが、これはいわば高速に加速した電子を障壁にぶつけるようなものであるから、劣化するのは当然だろう。劣化というのは、ポテンシャル障壁が低くなるようなものであるから、最後は井戸への閉じ込めができなくなり、ダダ漏れ状態になってしまうということである。こうなると、もう物理的にバイナリデータを保持することができなくなり、どんな再フォーマットしても、もう二度と使用できない、つまりゴミである(<a href="https://gigazine.net/news/20080204_usb_memory_life/">この記事で実例が報告</a>されている)。<br />
<br />
ただ、USBメモリにはコントローラーという装置があって、ポテンシャル障壁が壊れてしまった部分を使わないように制御しているらしい。潰れた井戸が多少あっても、なんとか使用に耐えるという感じだろう。潰れた井戸の数があまりにも増えてくると、コントローラがどうにも対処できなくなるはずで、そのときも寿命がやってくる。また、潰れた井戸が散在している状態において、コントローラーがなんらかの理由(物理的か電気的か)で破壊された場合も、 寿命となる。<br />
<br />
ということで、USBメモリの寿命というのは、いろいろな要素が絡み合っているので、短いときもあれば、10年近く持つ場合もあるのである。しかし、10年を超える寿命は、どんなに頑張っても持てないということだろう。つまり、15年とか20年とかは持たない代物なのである。ましてや50年とか100年なぞは論外なのである。<br />
<br />
フラッシュメモリーのトンネル効果のより詳しい内容は、<a href="http://www3.u-toyama.ac.jp/maezawa/QED11/QED11.pdf">富山大学の前沢氏の講義ノート</a>がとても参考になる。また、実際のデバイスの構造や基本原理、故障の原因などの説明は、<a href="https://www.jstage.jst.go.jp/article/photogrst/78/1/78_11/_pdf">株式会社Y-E Dataの本庄豊氏の論文</a>も参考になる。<br />
<br />
コントローラーが壊れる場合は結構あるようである。また、落としたり、叩いたり、曲げたりしてコントローラーとメモリ部分の配線が断線する場合もある。その場合には、メモ部分にはデータが残っているので、同じ商品を買ってきて、新品のコントローラを付け替えることで、読み出しができるようになることもあるらしい。海外のHPの中には、ハンダを使って、この付け替えを行う事例がいくつか報告されている。が、果たしてどのくらいの成功率があるかはまだ調査中である。<br />
<br />
ということで、将来のチャレンジに備えて、売れ切れになる前に、同じUSBメモリを今のうちにもう一本、念のために注文しておくことにした。果たして、コントローラーの交換はうまくできるのか、そしてデータの復旧はできるのだろうか?(いまのところは、絶望モードである....)<br />
<br />
<br />
Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-27853016608394084272018-09-21T02:12:00.001+09:002018-09-21T02:13:40.383+09:00絶縁体と超電導は紙一重マイケル・ファラデーは絶縁体と導体の区別について<br />
"insulation and ordinary conduction cannot be properly separated"<br />
と、<a href="https://uklifememo.blogspot.com/2018/09/blog-post_15.html">その論文で書き記して</a>いる。<br />
<br />
この一文は、現代の物理学者、特に凝縮系物理や固体物理を研究するものにとって、非常に含蓄が深い一文である。というのも、高温超伝導と絶縁体は「紙一重」のところに存在していると考えられているからだ。<br />
<br />
<a href="https://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E4%BC%9D%E5%B0%8E-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%AD%E5%B6%8B-%E8%B2%9E%E9%9B%84/dp/4004300096">中島貞雄先生が執筆した岩波新書「超伝導」</a>にも、このことが記されている:超伝導の臨界温度を高くしようと思えば、ギャップエネルギーΔを大きくする必要がある。フェルミ面周辺に存在する状態のうちクーパーペアの形成に寄与するものを増やす、ということである。 このためには、電子間に働く(有効相互作用としての)引力を強くする必要があるが、あまりに引力が強くなりすぎると、(直感的だが)電子同士がネバネバと粘り着くような流体状態になってしまって、却って絶縁体に近づいてしまうのである。<br />
<br />
そういえば、超伝導を世界で最初に発見した<a href="https://www.nobelprize.org/prizes/physics/1913/onnes/lecture/">オネスのノーベル賞講演</a>でも「(当初の研究の狙いは)金属の温度をどんどん下げていき、絶対零度に近づけていけば、金属を形成するいかなる粒子も完全に静止してしまうはずだから、電流の流れない完全な絶縁体が発現すると考えた。ところが、超低温下で発見したのは、電気抵抗が0になってしまう『超伝導状態』だったのである。」といった内容の箇所がある。<br />
<br />
電流をよく流すもの、と電流をほとんど流さないもの、というのは、最初から理論的にも、実験的にも、実に紙一重のところにあって、様々な物質を作って試したときに、どちらに転ぶかは、現在のところ「神のみぞ知る」のである。<br />
<br />
実際、常温で絶縁体として知られるようなセラミック系の物質(銅酸化物など) が、最初の高温超伝導物質であったし、最近ではグラフェンのシートを二枚重ねるときの角度によって、絶縁体になったり、超伝導体になったりと、<a href="https://news.mynavi.jp/article/20180319-603006/">極端な状態を右から左へワープする様に性質を変える様なデバイス</a>も開発されている。<br />
<br />
また、トポロジカル絶縁体とトポロジカル超伝導体は、同じ文脈で語られることも多い。<br />
<br />
まさに、ファラデーの書いている通りではないかと感じるこの頃である。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-88325868486088108442018-09-15T15:18:00.000+09:002018-09-21T01:50:38.987+09:00ファラデーの原論文を読むマイケル・ファラデーは19世紀を代表する天才物理学者であり、その電磁気の研究でよく知られる。その影響力は現代社会において計り知れないものがある。例えば、先日起きた北海道のブラックアウトで注目された発電所であるが、一般に、火力発電所も、水力発電所も、原子力発電所も、ファラデーが発見した「電磁誘導の法則」によって発電を行なっているのは周知のとおりである。ちなみに、電磁誘導の法則を利用しない発電機構は、太陽光発電だけであり、それは光電効果(アインシュタインがノーベル賞を取った研究内容)で発電する。<br />
<br />
さて、ファラデーの主要な論文は、王立協会(the Royal Society of London)が17世紀から出版する"Philosophical Transactions of the Royal Society of London"で読むことができる。今回はそのうち導体と絶縁体について論じたシリーズ12の論文<br />
<br />
Michael Faraday,<br />
<a href="http://rstl.royalsocietypublishing.org/content/128/125.full.pdf+html">Phil. Trans. R. Soc. Lond. (1838), 128, pp.125-168</a><br />
<br />
を読んでみた(閲覧は無料である)。<br />
<br />
この論文は、「電流/放電現象」には何種類かある、という書き出しから始まっており、その最初のカテゴリーである「通常伝導」についての議論が展開される。そこでは、キャベンディッシュもポワソンも、「伝導と絶縁という二つの概念の違いについての明確な説明を与えていない」という問題提起がなされる。これに対するファラデーの答えは、非常に控えめな書き方を採用してはいるが、心の中には確固とした信念があることが読み取れる。特に、1326段目の文章は重要であるので、引用してみたい。<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
"All these considerations impress my mind strongly with the conviction, that insulation and ordinary conduction cannot be properly separated when we are examining into their nature; that is, into the general law or laws under which their phenomena are produced."</blockquote>
この段落の前に議論していたのは、鯨油は誘電物質(電場に反応して分極、要は電荷を発生させる物質)であると同時に伝導体(つまり電気を通す物質)でもある、という議論や、ガラスや樹脂なども誘電物質かつ伝導体と言おうと思えば言えなくもないが、その程度は鯨油に比べ弱い、とかいった議論である。「こういった議論を踏まえると、物理的な性質の観点からみて、絶縁体(電気を通さない物質)と伝導体(電気を通す物質)とを分けるのは無理なのではないか?という気持ちに強く傾いていく」とファラデーは述べている。そして、「絶縁も伝導も、より一般的な法則によって共通に説明されるべき現象なのではないだろうか」とコメントしている。<br />
<br />
続く文章では、その「一般的な法則」がどんなものになりそうか推論している。<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
They appear to me to consist in an action of contiguous particles dependent on the forces developed in electrical excitement; these forces bring the particles into a state of tension or polarity, which constitute both induction and insulation; and being in this state, the continuous particles have a power or capability of communicating their forces one to the other, by which they are lowered, and discharge occurs.</blockquote>
「絶縁も伝導も、なんらかの粒子が存在し、その振る舞いによって説明されるべき現象ではないかと考える。この粒子は、電気的なエネルギー励起によって発生す力(電圧、あるいはポテンシャルエネルギーの勾配、つまり電場)に従って運動し、電流が流れる際には一種の緊張状態(励起状態)、すなわち分極状態、へと変化するのであろう。この緊張状態へ(エネルギー的に)上がった粒子は、電気的な相互作用を媒介して、脱励起を起こし、放電へと至るのである。」<br />
<br />
エネルギーという言葉は使ってないが意訳ということで勘弁願いたい。現代物理の観点からすれば、「なんらかの粒子」というのは電子に他ならない。電圧やポテンシャルエネルギーの概念が採用されていないので、ちょっと読みにくいところもあるが、結局は電圧がかかると、原子に束縛されていた電子は、電場の作用により電離し、自由電子となって流れ始めるということである。この際、電流が流れる物質原子の結晶構造(バンド構造)によっては、電気抵抗が高くなったり、低くなったりして、絶縁体となったり、導体となったりするというわけだ。ファラデーは、もうこの段階で、電流とはどんな現象なのかほぼ完全に理解していたと言ってよいだろう。さすがである。<br />
<br />
そして、次の文章が決定的である!<br />
<br />
<blockquote class="tr_bq">
Every body appears to discharge; but the possesion of this capability in a greater or smaller degree in different bodies, makes them better or worse conductors, worse or better insulators; .... </blockquote>
「全ての 物質は放電する(電気を通す)。ただ、物質の種類によって、電気を通す程度が大きかったり、小さかったりするだけである。絶縁体と呼んでみたり、導体と呼んでみたりするが、良い絶縁体と悪い導体は同じものであり、悪い絶縁体と良い導体も当然同じものの言い換えに過ぎないのである。」<br />
<br />
つまり、<a href="https://katekyo.mynavi.jp/juken/know-how/1756">電気を通すものと、通さないものに分けるという、あの小学校の理科の授業</a>は、ファラデーのこの論文に真っ向から論争を挑んでいる、ということなのである!Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-54862557113140601332018-09-07T02:49:00.001+09:002018-09-07T02:49:25.266+09:00北海道電力のホームページが復旧北海道電力のwebサーバーが復旧したので、さっそく<a href="http://www.hepco.co.jp/energy/atomic/safety_improve/keep_power_supply.html">泊原発に関する文書</a>を見てみた。<br />
<br />
「電源を絶やさない」と題されたこの文書には<br />
<br />
●外部電源の受動ルートの多重化<br />
●代替用非常用発電機<br />
<br />
など、大停電を経験する前にみたら「これでひと安心だ」と言ってしまうであろう項目が並んでいる。しかし、今回の大停電が実際に発生したという観点から、これらの項目を検証すると 「安心」とは程遠いことが浮き彫りになる。<br />
<br />
最初の「受動ルートの多重化」であるが、これだけ読めば「念には念を」の感じを受けるが、実際には多重化されたその先は共通電源「苫東厚真火力発電所」だったわけだ。だから、大元が落ちれば、いくら受動ルートを多重化しても「電源は絶えてしまう」。報告書に満載の威勢の良い言葉というのは、こうやって落とし穴をはらんでいるのか、と感心した次第である。<br />
<br />
代替用非常用発電機の項目には、その発電機が何時間稼働できるのか書いてない。停電が起きてもすぐに復旧できるという「常識」に支配され、「北海道の電源が何日も何日もすべて喪失される」ということをまったく想定していない。「非常時の対策」を書いているはずが、「常時の状況」を仮定して頭を動かしているのが よくわかる。<br />
<br />
そういう意味では、東海原発の管理会社の方がきちんと考えているのがよくわかる。ちゃんと「一機につき八時間連続運転が可能」と明記されているからだ。<br />
<br />
そもそも、不十分ではあっても、このような重要な文書が、アクセス殺到のためにサーバーがダウンし、肝心の災害時に参照できないというのは、大きな問題である。北海電力のリスク管理の体質が透けて見えてきた感じがする。<br />
<br />
TVで見かけたのだが、前の気象庁の役人で、現在どこかの大学の教授になっている人が、最近の地震の震源の3次元分布図を見せてくれた。震源の分布がきれいにプレートの形をなぞっているのがわかる。今回の地震は浅いけれど、北米プレートと呼べるような場所で起きているのがみて取れた。太平洋プレートの沈降に引きずられて、歪みを溜め込んでいる場所のようにみえた。この先生は「今回の地震は始まりであって、これからやってくるもっと大きな地震へ至る「準備段階」みたい に考えることができる」とコメントした。もしかすると、来たる近い将来起きる、津波を伴う大地震のファンファーレが鳴ったのかもしれない。<br />
<br />
東北の地震のときも、<a href="https://blog.goo.ne.jp/crossbike_tama/e/7d79c7c3e858ad9dc9ed4cdd2ee762c7">栗駒の山肌がえぐられるような大きな地震</a>が起きた(<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E6%89%8B%E3%83%BB%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E5%86%85%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87">岩手宮城内陸地震</a>)。 2008年だから、東北の大震災の3年前である。山の崩れ方がよく似ている。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-51438454610021753642018-09-06T17:38:00.000+09:002018-09-06T17:38:39.095+09:00泊原発の外部電源は復旧したらしい各報道機関の発表(たとえば<a href="http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018090601000955.html">東京新聞の記事はこちら</a>)によると、泊原発への外部電源は復旧した模様。これで一安心(と思いたい)。<br />
<br />
しかし、肝心の一般家庭への電力供給を差し置いて、冷却水の循環のためだけに泊原発を優先したこのやり方は、一部の人から苦情がでるに違いない。<br />
<br />
原子力規制委員会では、泊原発再開に向けて北海道電力は非常に「よいプレゼン」をしていたようだが、やはりいろんな「想定外」のことが起きて、事故というのは起きるから(今回の断層地帯についてはあまり注意勧告は出ていなかったと思う)、北海道に原発を置くというのは、よくないことではないかと考える(苫小牧の火力発電所の停止が、どうして泊原発の危機を生んだのか、よく考えてみる必要がある。原子力規制委員会はこういう問題があることに気づいていたとは思えないので)。<br />
<br />
多くの人が指摘しているように、この大地震と大停電が真冬の北海道で発生したら、大変なことになっていただろうし、北海道の電力の要が苫小牧の一箇所に集約されているというやり方は、危機管理、リスク分散の観点からどうだったのか、こちらも再検討が必要だろう。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-2684428504192288032018-09-06T12:11:00.002+09:002018-09-06T12:14:41.301+09:00北海道の大停電に伴う泊原発の状況(3):苫東厚真火力発電所は復旧に一週間程度つい先ほど、<a href="https://twitter.com/SekoHiroshige/status/1037538238867492864">世耕大臣のtweet</a>が更新された。苫東厚真火力発電所はタービン部分が発火しており、<u>復旧に一週間<b>以上</b></u>かかるという。いわゆる「悲報」というやつである。<br />
<br />
泊原発の非常用電源の燃料がもつことを祈るしかない... まずい状況になりつつある。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-43169041401190752262018-09-06T12:08:00.001+09:002018-09-06T12:09:30.029+09:00北海道の大停電に伴う泊原発の状況(2):火力発電所の状況と、泊原発の非常用電源の数北海道の電力供給システムは、報道によると、苫小牧にある<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%AB%E6%9D%B1%E5%8E%9A%E7%9C%9F%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80">苫東厚真火力発電所</a>が基礎となっていて、ここが動かなくなると北海道全域の電力供給に影響がでるそうである。いわゆる「ブラックアウト」しやすい体質であったということだ。<br />
<br />
地震の揺れを感知して、この火力発電所は停止したらしいが、ここが止まるとその歪みが北海道全域に波及してしまうようだ。それが実際に本日発生し、北海道の火力発電所が全て停止、という状況になってしまったようだ。<br />
<br />
当初は、水力発電所の電気を使って、苫小牧の火力発電所を再稼働し、順次北海道内の火力発電所を再稼働していく方針であったが、苫東厚真火力発電所の施設本体に損壊が見つかったそうで(それがどういう損壊はわからない、深刻なのか、軽微なのか?)、当初の計画は実行できないことになった。<br />
<br />
停電の解消して原発を危機から救う作戦は、したがって、当面は実行できない見込みとなり、心配な状況が続く。<br />
<br />
<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXLZO87109210R20C15A5L41000/">日経の過去の記事</a>に次のようなものがあった:泊原発は2015年に貯水設備を増設。電源がなくとも(重力の作用で)冷却水を一週間程度は供給できる。<br />
<br />
北海道電力のホームページで、泊原発のスペックを調べようと思ったが、アクセスが殺到したようで、現在サーバーはダウンしている。 代わりに、<a href="http://www.nsr.go.jp/data/000169527.pdf">原子力規制委員会が公表している安全アセスメントに関する文書</a>を参考にすることにした。<br />
<br />
この文書によると、非常用電源は各原子炉に2台付属している。泊原発は3機の原子炉があるので、6台ということになる。また、移動用の電源車両も複数準備してあるそうである。これが本当なら、確かに一週間は電源なしでも持ちこたえられそうな気がする。<br />
<br />
少し安心した...Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-43186012958951373442018-09-06T11:29:00.000+09:002018-09-06T11:52:39.812+09:00北海道の大停電に伴う泊原発の状態今朝未明(2018年9月6日午前3時ごろ)に、<a href="http://www.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20180906030805.html">北海道で起きた大地震</a>により、現在北海道全域が停電している。大停電、いわゆる「ブラックアウト」状態である。<br />
<br />
これにより、北海道の岩内(ニセコの近く)に近い場所にある泊原発の電源が喪失となった。福島原発が爆発した時を思い起こさせる嫌な展開である。ただ、現在は非常用のディーゼル発電機が作動し、それを電源として使用済み燃料のための冷却システムを稼働している。<br />
<br />
使用済み燃料というのは、使用前の核燃料に比べて、圧倒的な放射能強度を持ち、そこから出てくる崩壊熱はたいていの金属を溶かしてしまうような高温(数千度)を発生するため、冷却する必要があるのだ。日本の主な原発は水冷式を採用している。水は100度(ただし、1気圧の場合。もし台風が近づいているならもう少し低い沸点になるはず)で沸騰してしまうので、水を循環させて常に冷たい水を供給する必要がある。<br />
<br />
したがって、電源喪失というのは、使用済み燃料の安全管理の観点からすると、最大の問題であるといえる。もし、非常用電源の燃料が尽きてしまえば、冷却用の水はみるみる沸騰して干上がり、灼熱の放射能物質は遮蔽壁を溶かすことになるだろう。そこから染み出す使用済み燃料の中には、揮発性の放射性物質、例えばヨウ素131とか、セシウム137とか...嫌な名前が再登場することになる。こうなると、付近の放射能汚染が発生する。特にヨウ素131は空気や水(川、海、雨)に溶け込んで、子供達の体に入り込むと、深刻な内部被曝を引き起こし、甲状腺癌の発生リスクが上昇する。また北海道以外に住む人にも影響は発生するだろう。それは、北海道の農産物(牛乳、チーズ、ヨーグルト、牛肉、羊肉、鶏肉、それに野菜など)に対する放射能汚染が広がり、「風評被害」も発生したりして、食生活が混乱する可能性は大いにある。<br />
<br />
多くの人が気になるのは、この発電機があと何時間もつのか?そして、北海道電力による電気の復旧は間に合うのか?ということであろう。北海道電力の状況を知ることは、現場の担当者でもはっきりしたことは言えないだろうから、そちらを調べるのは後にして、まずは非常用ディーゼル発電機の稼働限界時間について調べてみることにした。<br />
<br />
まだ直接の情報は見つかっていないが、東海原発を管理する<a href="http://www.japc.co.jp/shinsei/tokai/goiken.html">「げんでん」(日本原子力発電株式会社)の説明文</a>が見つかったので、ここに引用しておこう。<br />
<br />
この文書によると、東海原発の非常用電源一機につき八時間の連続運転が可能であるという。一つの発電機で、東海原発の冷却システムのすべてを作動させることができるという。電源は全部で3機あるので、二十四時間、すなわち1日は連続運転させることが可能だという。また、施設内の貯蔵タンクからの補給が可能であれば、一週間以上の連続運転が可能だと説明されている(福島のケースで考えると、このあたりが実際には問題となるはずで、現実にはホースが破れたとか、つなぎ目が変形して入らないとか、タンクにヒビが入って貯蔵タンクは空になったとか、いろいろな問題が起きる可能性はあろう)。<a href="https://mainichi.jp/articles/20180906/k00/00e/040/217000c">毎日新聞の報道</a>でも「一週間程度」という数字は出ているし、<a href="https://twitter.com/SekoHiroshige/status/1037512818541572096">世耕経産省大臣のtwitter</a>にも(根拠は薄弱だが)「一週間分は確保している」と書いてある。(追記:<a href="https://mainichi.jp/articles/20180906/k00/00e/040/192000c">毎日新聞は、さきほど非常用電源の継続時間を「10日間」に変更</a>した。)<br />
<br />
この文章を書いている最中に、世耕大臣による新たなtweetがあり、「<a href="https://twitter.com/SekoHiroshige/status/1037526822575996928">苫東厚真火力発電所に損壊が発見された」</a>ということである。北海道電力による電源の復旧はまだ先になりそうで、こちらはかなり心配である。<br />
<br />
泊原発のスペックに関する調査は引き続き行うことにして、とりあえずはここまでわかったことをまとめてみた。<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-84498117485447332572018-09-04T21:23:00.000+09:002018-09-04T21:47:33.014+09:00高尾自然科学博物館の閉館と再開<script async="" src="//pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js"></script> <script> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({ google_ad_client: "ca-pub-4165673019712499", enable_page_level_ads: true }); </script>
シムライノデの(唯一の)群生地を東京で発見した渡嘉敷裕氏の所属を調べているうちに、<a href="http://www.takaomuseum.jp/kangaeru-kai.html">東京都立高尾自然科学博物館</a>のことについて知ることとなった。渡嘉敷氏はこの博物館に所属していたと思われる(博物館の沿革を読むと、どうやら館長ではなかったようだ)。<br />
<br />
この博物館は平成16年、すなわち2004年に廃館となっている。理由は東京都の財政難であった。この時期の都知事は誰か調べてみると、またもや登場、石原慎太郎氏である。渡嘉敷氏の研究拠点を奪ったのも、渡嘉敷氏が発見したシムライノデの群生地を破壊するよう指示したのも石原氏だったということだ。調べていて、これにはショックを受けた。<br />
<br />
ただ、高尾、多摩の人々の温かい支援を受けて、この博物館は2015年に「<a href="http://www.keio-takao.jp/details/599.html">Takao 599 museum</a>」として再開したのは、嬉しい限りである。貴重な資料、標本、所蔵品がそのまま移管されたようで、一安心である。<a href="https://www.bbc.co.uk/news/world-latin-america-45398084">一方で、ブラジルの国立博物館</a>は気の毒である。この火事も予算削減が原因で、そのきっかけがオリンピック開催による財政難だというから、石原さんと関係ないわけではないかもしれない。Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-26387310870721752392018-09-04T21:09:00.000+09:002018-09-05T01:40:42.367+09:00シムライノデについて(2):発見の経緯シムライノデについて、もう少し学術的な面を調べてみた。参考にしたのは、<a href="http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_054_137_145.pdf">この論文</a>である。<br />
<br />
芹沢俊介「日本産イノデ類の新種および雑種」植物研究雑誌(1979年)<br />
Shunsuke Serizawa, "New species and hybrids of the Japanese <i>Polystichum polyblepharum</i> group", Journal of Japanese Botany, Vol.54, No.5 (1979)<br />
<br />
この論文によると、発見は1965年である。つまり人類がその存在に気づいてから、わずかに半世紀をちょっとだけ上回っただけである。<br />
<br />
発見者は志村義雄氏とある。おそらく<a href="https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I1591748-00">静岡大学教育学部生物学教室</a>に所属していたお方である。ネットで見つかるシダ類に関する出版物の豊富さから推測するに、日本のシダ研究の第一人者のお一人であったと思う。シムライノデの「シムラ」というのは発見者の名前であった。<br />
<br />
シムライノデが最初に見つかった場所は静岡県御殿場市との記述であるが、現在静岡県では「<a href="http://jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06010250544">絶滅した</a>」と報告されている。志村氏が発見した場所には10株ほどがあったそうだが、その場所には現在一株も残っていないのだろう。環境省が2000年に発表した「<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%AD%E7%AE%A1%E6%9D%9F%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF_(%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%9C%81)">維管束植物レッドリスト</a>」では絶滅危惧IA類(CR)に記録されている。もし今回の伐採で自然生息が消滅するならば、次回の改訂版には「野生絶滅(EW)」に 分類されてしまうのではないだろうか?<br />
<br />
志村氏の発見の後、渡嘉敷裕氏(<a href="http://jglobal.jst.go.jp/public/20090422/200902124890117760">この文献</a>によると、旧「東京都高尾自然科学博物館」の学芸員のお方のようである) によって東京都多摩地域の山間地で群生地が発見された。この群生地というのが今回伐採されてしまった場所だと思われる。つまり、その後の研究/探索にもかかわらず、他の群生地は見つからなかったということだろう(あるいは見つかっても機密にされた可能性が高い)。<br />
<br />
発見地 で採取された標本をみると、葉長が70cmにもなるものがあり、大型のシダと思われる。その後、神奈川県と中国浙江省でも発見されたという。この二箇所に現在も生息しているかどうかは不明である。神奈川県の個体の一部は標本にされ、東京大学農学部に所蔵されているそうである。<br />
<br />
面白いことに、多摩のこの群生地で、シムライノデによく似たもう一つの新種が1970年に発見されている。これは<a href="http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/dshokubu/Forest/html/SR0245.html">トウキョウイノデ</a>と名付けられた。このシダも今回の伐採で絶滅の危機に瀕しているはずであるが、国立科学博物館の海老原氏の記述にはトウキョウイノデに関しては全く触れられていない。もしかしたら、こちらは後に広範囲に発見されているのかもしれない。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-74129941105941468472018-09-04T00:00:00.000+09:002018-09-04T16:22:34.188+09:00シムライノデについて:トルメキアの狸の正体シムライノデについて<a href="http://uklifememo.blogspot.com/2018/09/blog-post.html">もう少し調べてみた</a>。<br />
<br />
<a href="http://uklifememo.blogspot.com/2018/09/blog-post.html">前回の記事で</a>「 国立科学博物館は種の保存を試みていないようだ」と書いたが、それは誤りであった。まずはこの点について訂正しておこうと思う。新聞などの報道には全く触れられていなかったが、よく調べると国立科学博物館の「<a href="http://www.kahaku.go.jp/column/index.php?month=201804">研究室コラム」というweb pageに記述</a>があった。伐採寸前の数十株がレスキューされたとのことで、ちょっと安心した。保護された株は、<a href="http://www.tbg.kahaku.go.jp/">筑波実験植物園</a>(筑波大学ではなくて、国立科学博物館に所属)と、<a href="https://www.tokyo-park.or.jp/jindai/diversity/">東京都植物多様性センター</a>(今回初めて聞いた研究施設だったが、よく調べると調布の神代植物園であった)に待避しているそうである。称賛に値すると思う。<br />
<br />
この文書によると、シムライノデに関して研究していたのは、国立科学博物館の植物研究部という部門らしい。また、このコラムを執筆したのは植物研究部の<a href="https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/researcher.php?d=ebihara">海老原淳博士</a>で、<a href="https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/botany/ebihara/index_vol4.html">シダ植物の分類学が専門</a>だということである。おそらく、今回のシムライノデ救出作戦の中心人物ではないだろうか?<br />
<br />
素晴らしいと思ったのは、シムライノデの自生地の近くに住んでいると思われるアマチュアの研究者(あるいは住民?)の方々が、貴重な森が東京都によって伐採されるという情報をいち早く入手し、それを海老原さんに連絡したことである。これによって、救出が成功したといえる。称賛である。<br />
<br />
そして、毎日新聞やその他の報道ではよくわからなかった<a href="http://www.tokyo-aff.or.jp/">伐採を実行した東京都の団体</a>の正体であるが、科学博物館の記事によってよくわかった:かつての石原慎太郎東京都知事がその在任中に 突然花粉症を発症した際に、彼が「<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AE%E8%8A%B1%E7%B2%89%E7%97%87#%E3%82%B9%E3%82%AE%E8%8A%B1%E7%B2%89%E7%97%87%E3%81%AE%E8%A1%8C%E6%94%BF%E5%AF%BE%E7%AD%96">東京都の杉は全部切ってしまえ!</a>」と命じたあの政策が引き金となっていたのだ。<br />
<br />
石原都政で憶えているもの:カラスがゴミを荒らす問題には「カラスの殺処分」、都立大の教授会が気に食わなければ、「古い都立大はお取り潰して、首都大学東京へと、施設と人身刷新」(これは最近、小池現知事により都立大に戻されることが決定したようだ)、そのほか、大赤字を垂れ流して破綻した新東京銀行の設立などなど。強権を発動して無理矢理実行したものの、大失敗したものがすぐに頭をよぎる。うまくいったのは、東京マラソンぐらいか?(いや、もうひとつあった。私が一番石原さんの政策で評価しているのが、ディーゼル車の東京都内走行禁止である。ああいう短絡的だが、実行力のある施策は小池さんには無理だろう)。築地から豊洲への市場移転も、どす黒い問題があることが発覚したのも記憶に新しい。<br />
<br />
確かに花粉症に苦しむ人は多く、その症状の直接の引き金になるのは杉花粉である。したがって、杉花粉をなくしてしまえば花粉症が防げると(短絡的な人は)考えたくなるだろう。しかし、杉が名産である紀伊半島や秋田などで花粉症の人が殊更多いという話はあまり聞かない。私が思うに、花粉症というのは大気汚染や飲料水の汚染、さらには添加物を含んだ食品の大量摂取とか、不規則な生活リズムなどによって体が弱り、免疫系統がギリギリまで追い詰められたところへ、最後の一撃として杉花粉がアレルギー症状を発生させるのではないか?産業革命以前の自然環境の復帰や、環境汚染の克服などが優先されるべきであって、こういう諸々の研究成果を待たずに、杉林を一気に切りはらうというやり方は、科学的にはあまりにも幼稚なアプローチに見える。(杉林を伐採したあとの治水治山に関しては、さすがの東京都も考えていたようで、「花粉の少ない杉」の植林を計画していたようで、そこは評価できる。)<br />
<br />
石原元都知事の花粉症治療のために、杉の林を皆伐採して花粉の少ない杉へ置換した結果、かけがえのないシムライノデが絶滅したとしたら、歴史家はこのことを「愚行」と書くのか、それとも「善行」と書き残すのであろうか? Unknownnoreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-1410413368997088515.post-23541778893273227822018-09-03T20:03:00.000+09:002018-09-03T22:54:09.487+09:00シムライノデとその生息地の壊滅シムライノデについての報道(<a href="https://mainichi.jp/articles/20180816/k00/00e/040/244000c">毎日新聞2018.Aug.21</a>) に衝撃を受けた人は結構多いのではないだろうか? 腐海の森を焼き払おうとする一連の「愚行シーン」が宮崎駿の「ナウシカ」に出てくるが、それを思い出させる。<br />
<br />
トルメキアのクシャナやペジテのリーダーのように、資金力のあるもの、政治的に力のあるものは、ついつい自分のことを「偉い」と思ってしまいがちで、なにをやっても褒められると考えたくなるものだが、自然科学の「偉さ」は金や実用性だけでは測れないものがある(例えば、「腐海遊び」と称される、ナウシカが独自に解明した腐海の研究など)。研究資金に困窮している科学者が、崇高で貴重な研究をしていることは多いし、「(日常の生活に)役立つ」ことが必ずしも「文化の水準」と同義であるとはいえない(むしろ非常に弱い相関でしかないことが多いのではないか?)ことを知ってもらいたいと切に思う。今回のシムライノデの問題は、異なる集団における「偉さ」の定義が平行線のように噛み合わないことに原因がある。<br />
<br />
<a href="http://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/dshokubu/Forest/html/SR0239.html">シムライノデは目立たない、控えめな風貌のシダ植物</a>である。実際に野山で見たことはないし、写真でみたこともほとんどない。<a href="http://nannjyamonnjya.blog68.fc2.com/blog-entry-2395.html">山で見かけたって同定はできない</a>。だいたい、この記事が出るまで、その存在についてはまったく知らなかった。<br />
<br />
東京の住宅地にはイヌシダという、日本原産の、案外よいシダが生えているのは知っている(<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8C%E3%82%B7%E3%83%80">wikipediaによれば</a>、分布はユーラシア大陸東部とその沿岸諸島、つまりアジア東部だという)。英国のある造園家は「(東京のガーデナーが)イヌシダを目の敵にして必死に引っこ抜き、その跡地にガーデンセンターで買ってきたポット苗を植えるのは笑止千万だ」と評しているほどヨーロッパ人にはイヌシダはエキゾチックな観葉植物に見えるらしい。信州の山林で見かける大型のシダ、例えばヤマドリゼンマイだったり、クサソテツ(コゴミ)は信州の山なら無数に生えていて、あれをガーデンセンターで買う気はまったく起きないが、通信販売で買うと結構な値段がする。また、ゼンマイやワラビは、英国の森では採り放題である(現地人にあれを食べる風習はない)。<br />
<br />
シムライノデは数が少なく珍しい、つまり希少である、というところが最大の問題である。写真でみても、私にはイヌシダと区別はつかないし、ヤマドリゼンマイのように見栄えはしないし、クサソテツやワラビのように食べられるわけでもない。しかし、多摩地方近辺の限られた森にしか育たない、と言われれば採集に行きたくなるし、高値をつけて買いたくもなる。が、その一方で「雑草」にしか思えない人は、草刈り鎌で切り払うだろうし、除草剤を撒き散らして枯らしてしまうのかもしれない。<br />
<br />
今回の問題も、多くの報道で「盗掘を恐れるあまりに繁茂地を隠した挙句、無知な人間に切り払われて壊滅状態となってしまった」と解説している。難しい問題だと思った。<br />
<br />
英国なら、すかさず採取して<a href="https://www.kew.org/blogs/archived-blogs/freezing-ascensions-rare-ferns-future">Kew Gardenで栽培しながら</a>(DNA保存やその他のあらゆる科学的手段を使って)種(しゅ)の保存を試みることだろう。日本の場合には、国立科学博物館の研究員が、シムライノデが生息する「秘密の森」に関していろいろ把握していたらしいが、その森を買い取って研究林にしたり、生育環境について研究を行い、東大や筑波大の<a href="http://uklifememo.blogspot.com/2018/09/blog-post_3.html">実験林で栽培/保護したり、といったことはやっていなかったようだ</a>。<br />
<br />
政府は、こういう「科学」に惜しみなく研究費を投入するべきだ。島国である日本には貴重な植物が多く、19世紀からヨーロッパ諸国の「植物狩り(プラントハンティング)」の格好の標的であった。牧野博士も、<a href="http://www.makinoteien.jp/02-garden/tour.html">自分の自宅に野草を集めて</a>きて種の保存と確保の努力に全力を費やしている。ボヤボヤしていると、世界中のみんなに持って行かれた上、自分では絶滅させて「持っていない」なんていう恥ずかしいことにもなりかねない。<br />
<br />
<br />
<br />Unknownnoreply@blogger.com0