2009年8月23日日曜日

生命の誕生

そろそろ後期の講義の準備をしようと思い、散歩がてら、駅近くの公立図書館へいってみた。建物は外から見ると立派に見えて、有栖川公園にある都の中央図書館とまではいかないまでも、それなりの広さがあるかな、と期待したのだが、存外にも、中はぎゅうぎゅうであった。でも、みんな勉強熱心で、とても感心した。

さすがに東京の図書館は結構いい本がおいてある。今回はAndrew Knollの本、「生命:最初の30億年」を借りた。このタイトルは、同じハーバードの教授だったSteven Weinbergの名著「宇宙創世:最初の3分間」のパロディだと思う。Knollは、現在最高の地質学者だ、とタイム誌で褒められたらしい。物理でいうと、プリンストンのWittenに相当する感じなんだろう。だとすると、かなりすごい。

Knollは、ハーバード大学地質学科の教授であると共に、NASAの主任研究員で、おまけに彼の書いた本は生物に関してである。この3つを結びつけるのが、天体生物学(Astrobiology)という新しい分野らしい。地質学では、岩石や、その中に含まれる化石を調べ、古代の地球環境について知識を得ようとする。これを地球誕生の極限まで引っ張っていくと、生命の起源の研究になる。生命がまだ発生していない地球というのは、火星やガニメデなど、その辺にある惑星や衛生なんかと同じ、あるいは類似の環境と見なせる。現在の惑星探査は、生物

2009年8月22日土曜日

夏の散歩

久しぶりに東京に戻ってきた。東京にしては過ごしやすい気温と湿度なんだろうとは思う。しかし、高原からやってくると、耐え難い蒸し暑さに感じられる。とはいえ、一日部屋にいるのも体によくない。ということで、夕方、日が沈んでから散歩にでることにした。

街に近づくと、まず聞こえてきたのが、盆踊りの太鼓の音。通りには、浴衣姿の人がちらほら見える.人の流れから察するに、きっと入間川の向い岸の地域だろう。

駅に近づいてきたら、今度は、散発的にドンドンと低い音が鳴り響いてきた。ビルの向こうに赤や緑の光も点滅しているように見える。どうやら、今日は多摩川で花火が打ち上げられているようだ。駅ビルの屋上に登ればなんとか見えるかな、と思ったが、残念ながら、この屋上庭園は南側に視界がまったく開けていなかった。同じように思った人たちが結構来ていたが、同じように落胆の声をあげて去っていった。実は、このビルから見える唯一のポイントは、最上階の真ん中辺りにある洋食屋の窓越で、この日は立食パーティになっていった。5000円で飛び入り参加できるとあったが、たいていの人はレストランの窓越しに見える花火を通路から見て楽しんでいた。そのせいで、レストランの前は、ちょっとした人だかりになっていたが、店の人は案外鷹揚にそれを許していて、ちょっとうれしく思った。

家に戻ってくる間、住宅街に大きな花火の音が響いた。あの屋根に上ればきっとみえるかな、と思って見上げると、案の定、屋根に上って見物している兄弟ふたり。せまいベランダに家族中が集まって観賞している家もあった。春、夜桜がきれいだった家の近くの辻にきたら、うまい具合に花火が見えた。と、その近くの電線を見上げると、カラスの群れが一列に並んでいる。


電線にずらりと高見の烏かな。