2014年6月21日土曜日

霧ヶ峰のレンゲツツジ:2014

2年ぶりに霧ヶ峰のレンゲツツジを見に行った。日本に帰国した年にも訪れたが、その日と同じ日となった。レンゲツツジが一番綺麗な季節に来ることができて本当に嬉しい。車山から八島湿原にかけ、緑色を背景に、橙色の群落が広がっている様を見たのは本当に久しぶり。鹿対策が5年かけて、ようやくうまくいったことの現れなのだろう。



八島湿原に周り込んで見渡すと、レンゲツツジの群落のオレンジが丘の斜面に確認できる。森を挟んで丘の下には、昔泊まったキャンプ場も見える。もうかなり前のある真夏の早朝、朝霧の中に横たわる湿原を、色とりどりの高山植物が飾り立てる様を歩いて見て回った記憶は、ついぞ昨日のことのように鮮明なのに、廃れたキャンプ場の施設は厳しい冬に手入れもされずに曝されて、もうボロボロになっていた。日本でもっとも綺麗なところにあったと思ったこのキャンプ場は、営業不振で2007年に閉鎖になってしまった。いまだに信じられない。
八島湿原。遠景に蓼科の頂が、手前の丘にはレンゲツツジの群落が見える。
鎌が池キャンプ場に行く途中の森。

2014年6月20日金曜日

梅雨の森:小梨の開花

先週は蕾だった小梨が開花していた。満開をちょっと通り過ぎた感じ。
小梨の花(ズミが正式な名称らしい)
やっぱり白い花。赤い色はどこにも見当たらないのが不思議。川沿いには満開の木も残っていて、梅雨空の雲の下、柔らかい白色が森の緑に映った。

空気はひんやりしていて、ここにいるだけで気持ちいい。

コバイケイソウが1、2輪ほど蕾を付けていた。咲き出したら、「梅雨の森」は、「夏の高原」に姿を変えるはず。あともう少しなのだろうか、それともまだまだなのだろうか?

2014年6月6日金曜日

梅雨の森:小梨の花蕾

今年の梅雨入りは、いつもより1週間ほど早いらしい。そのうえ、「梅雨明けは遅れる模様」とも。その原因は「エルニーニョ」だそうで、気象予報士たちは口裏を合わせたかのように、あっちでもこっちでも、このことばかり話している。たまには、その「エルニーニョ」がどうして今年は発生したのか説明してもらいたいものだ。

先週、蛍を見た。稲の背丈はまだ低いので、水田の水面で蛍の光がよく反射する。その色があまりにすゞやかで、ついつい見とれてしまった。...が、LEDに換えたばかりの街灯がやたらと眩しくて、興醒この上ない。CdSだけじゃなくて、手動スイッチもつけるよう要望書でも出そうか?

梅雨の最中、高原の森へ散歩に出かけた。梅雨空のどんよりとした灰色は、落葉松のまだ柔らかい新緑をよく映す。が、ちょっと視線をそらしたとき、予想外の色が暗い緑色の背景に浮かんだ。薄い赤色の点々。よくみると、それは小梨の花の蕾だった。

ここは標高1800メートルなので、花暦からすると、今が「春」まっさかりのタイミングだ。先週などは山桜がまだ咲いていたし、スミレも山の土手に満開に咲き乱れている。小梨の花もひと月程前に麓で見た。真っ白な花が無数に咲いて、それは綺麗だった。あの真っ白な小梨の花が、その蕾は林檎の赤色のような色をしていたことは、今回初めて知った。調べてみると、開花すると、蕾の赤色は消え落ちて、花びらには白色だけが残るらしい。不思議なものだ。

小梨の花の蕾。林檎の花そっくり!ハナカイドウにもよく似ている。
また秋に来て、今度は小梨の実を観察してみたい。小さな、サクランボのような果実が無数になる様子には、なぜか心魅かれるものがある。それは、冬の訪れ直前の、最後の「色合い」だからかもしれない。