2014年6月6日金曜日

梅雨の森:小梨の花蕾

今年の梅雨入りは、いつもより1週間ほど早いらしい。そのうえ、「梅雨明けは遅れる模様」とも。その原因は「エルニーニョ」だそうで、気象予報士たちは口裏を合わせたかのように、あっちでもこっちでも、このことばかり話している。たまには、その「エルニーニョ」がどうして今年は発生したのか説明してもらいたいものだ。

先週、蛍を見た。稲の背丈はまだ低いので、水田の水面で蛍の光がよく反射する。その色があまりにすゞやかで、ついつい見とれてしまった。...が、LEDに換えたばかりの街灯がやたらと眩しくて、興醒この上ない。CdSだけじゃなくて、手動スイッチもつけるよう要望書でも出そうか?

梅雨の最中、高原の森へ散歩に出かけた。梅雨空のどんよりとした灰色は、落葉松のまだ柔らかい新緑をよく映す。が、ちょっと視線をそらしたとき、予想外の色が暗い緑色の背景に浮かんだ。薄い赤色の点々。よくみると、それは小梨の花の蕾だった。

ここは標高1800メートルなので、花暦からすると、今が「春」まっさかりのタイミングだ。先週などは山桜がまだ咲いていたし、スミレも山の土手に満開に咲き乱れている。小梨の花もひと月程前に麓で見た。真っ白な花が無数に咲いて、それは綺麗だった。あの真っ白な小梨の花が、その蕾は林檎の赤色のような色をしていたことは、今回初めて知った。調べてみると、開花すると、蕾の赤色は消え落ちて、花びらには白色だけが残るらしい。不思議なものだ。

小梨の花の蕾。林檎の花そっくり!ハナカイドウにもよく似ている。
また秋に来て、今度は小梨の実を観察してみたい。小さな、サクランボのような果実が無数になる様子には、なぜか心魅かれるものがある。それは、冬の訪れ直前の、最後の「色合い」だからかもしれない。

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