外環は練馬(大泉学園)で止まっている。住民の反対運動などがあって、なかなか南下できなかったのである。
しかし、代々の都知事が慎重にことを運んでいた外環の南延工事を、石原前都知事が強引に開始する。自分の名前を歴史に刻みたかったのは明らかで、そのために多くの人が不幸になる可能性については全く考慮しなかった。
反対運動がすぐに始まった。一番の危惧は、善福寺、井の頭など、国分寺崖線やその周辺に湧き出る泉が、大深度地下工事のせいで枯れてしまうのではないか、という環境破壊への懸念であった。成城の「三ツ池の森」のすぐ下を掘ることが明らかになった時は、世田谷の人々も一時期反対に回ったこともあった。外環と東名が合流するJCTは、砧公園の南に設定され、現在すでにかなりの工事が進んでいる。実は、ここ(住所は世田谷区大蔵になると思うが、喜多見や鎌田、岡本といった複数の地域に接する複雑な場所)はかつての産業廃棄物の廃棄場になっていて、工事が始まり地下を掘り出した当初に、有害物質がかなり出てきて問題になったのだが、いつのまにか反対運動は立ち消えになった。
しかし、反対運動は細々と続いているようだ。調べてみると、シールドマシンが起動してから、騒音や振動による損害の問題が色々と発生しているようである。
先日、「そういえば外環工事の問題はどうなったんだろう?最近、話を聞かないな」と思っていたのだが、今日のニュースで、調布市つつじヶ丘で道路が陥没した、という報道を聞き、問題がまだ終わっていないことを再確認した。地域住民の戦いは続いていたのだった。
道路陥没は公共物だからニュースになりやすいが、おそらく個人住宅の中には振動による破損や、建物の傾き、地盤沈下などが多数発生しているのではないか?こういうニュースをわかりやすく届けてくれるのが本来のメディアだと思うのだが、日本のメディアは政府機関に忖度するような状態になってしまい、なかなか真実が届きにくくなっている。人々は直接情報を交換し、メディアに頼らないやり方で、目を見開いていないといけなくなった。
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