赤線が屏風山、青線が甲府双葉、緑が野辺山。 測定時間は全て18時間。データのガタツキを抑えるため、 該当エネルギーの前後2チャネルを使った平均値を用いた表示にしてある。 |
しかし、上のスペクトルをみるとわかるように、甲府にしても野辺山にしても、Cs-137のピークがはっきりと検出できる。また、Cs-134のピークに関しては、E=606keVの方はBi-214の寄与と重なってしまって不明瞭だが、E=796keVのピークがなんとか見えるような気がする(屏風山と野辺山の場合は比較的はっきりしていると思う)。算出された放射能レベルは、甲府盆地で56.5 Bq/kg, 野辺山で65.3 Bq/kgと出た。(ちなみに屏風山は34.7 Bq/kg。)
つまり、野辺山高原と甲府盆地の両方に、放射性プルームは到達していたという結論だ。放射能汚染は、関東平野から甲府盆地にかけて広がっていると思われるので、中央道を上りながら測定することで、汚染レベルが上昇していることを確認する必要がある。
静岡、そして甲府のセシウム汚染が確認された以上、富士山周辺の汚染はほぼ確実となった。はたして、その汚染レベルがどのくらいなのか?おそらく50〜100 Bq/kg程度ではないかと思われるが、ホットスポットという難敵がいるので、予断は禁物である。
それにしても、原発事故から放出される揮発性の放射性物質というのは、「ほんとうに遠くの方まで拡散するんだなあ」と改めて思い知らされた。大飯原発の再稼働禁止の判決を出した裁判所も、ようやくこういう事実に気づき始めているのだと思いたい。一方で、産業界は極めて原発の危険性に対して鈍感だ。原子力規制委員会から、島崎先生を追い出そうとしているようだが、ひどい話しだ。反対するものを徹底的に省き、粛正するやり方に見える...太平洋戦争の失敗に対する反省が、今の経済界には無い。
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