新しいe-ticketを印刷するために、Swissのwebページから手続きをしようとしたが、ルフトハンザの便なので、ルフトハンザのホームページからやれ、と指示が出る。仕方なく従うと、最初は英語で処理できるのだが、最後の肝心なところで表示がすべてドイツ語となる。大学の教養で習ったのはドイツ語だった。それは「アインシュタインの相対論の論文はドイツ語で書かれているぞ。物理を志望する学生は、第二外国語はドイツ語にすべし」などという友人の助言を聞いたからだ。しかし、現実は、ルフトハンザのホームページを解読するためにドイツ語を習う運命だったとは...神様もいたずらが過ぎる。
苦労してe-ticketを打ち出したのはよいが、Web check-inを試みるべく色々試す。しかし、どれもうまく行かない。仕方がないので、時間がさらに奪われることは知りながら、ルフトハンザに電話することにする。オペレーターは日本人だったので、昨年の出来事を説明し、苦情を伝える。謝罪の言葉はもらえたが、ビジネスに格上げされる訳でも、割引が適用される訳でも、マイレージが加算されるわけでもなかった。これが、冷徹にビジネスに邁進するドイツの文化なのだろうか?(ハワイのレンタカー会社や航空会社に現地でボラれたときは、その日本法人に苦情を言った。そうしたら色々と弁償してくれたので、「また行ってもいいかな」ぐらいには気持ちを戻すことができた。が、ドイツはそういうところはまったく気がきかないようで、やっぱりなるべく関わりたくない。)
搭乗前のゴタゴタはここまでで、その後は比較的うまくことが運び、成田から無事出発できた...と思った。一つ確実に良かった点といえば、この日の機内がかなり空いていたこと。右横は日本人が座ったが、左は空席だった。しかし、実はそれには理由があった...振り替えてもらったこの便は、Airbusの新型A380だったのだ....2005年に就航したこの新型機は、なんと客席が(エコノミーも含めて)2階建てになっている化け物で、しかも通常の感覚だと「そろそろ船尾かな」と思うような奥まで歩いていっても、まだ先があるという、ものすごく長い飛行機でもあった。このマンモスジャンボ機は、数年前にエンジントラブルを起こしていて、やっぱり「新型機の見切り発車」であることが判明していた。できれば乗るのは避けたかった。しかし、出発前日に旅程が変更されるというゴタゴタに巻き込まれ、そこまで確認するのを怠ってしまった。まず怖かったのが離陸時。機体が重いせいか、なかなか離陸しない。加速も鈍い感じがする...こういうのは心臓に良くない。(なんとかかんとか、離陸してやっとやっとで高度を上げている感じ。どんなにガラガラでも、もう二度とA380には乗りたくないと思った。
しかも、機内食がまずい。豚肉のトマト煮だった。どんなにトマト料理が好きな人でも、この臭い豚肉には閉口するはずだ。一口食べてやめる。隣りの人も食が進まないようだ。
シベリアのど真ん中に到達したあたりで、隣りの人が乗務員を呼んだ。どうもビデオシステムが壊れていて、映画が楽しめないらしい。ルフトハンザ、you are so fantastic!
A380の着陸は離陸より怖かった。とはいえ、それは着陸してしばらく経ってから、鳥肌が次第にたってくるような感じだ。パイロットはかなり腕がよかったと思う。タッチダウンの直前まではまったく危なげなかった。が、最後に急速に失速してドシンと尻餅をつくような感じの着陸だった。重すぎて、失速したときに揚力が急になくなったのではないだろうか?とにかく、もうA380には乗りたくない。(周りの乗客もざわついていたから、あの落ち方にはかなり皆驚いたんではないだろうか?)
フランクフルト空港で、フィレンツェ行きの便に乗り換える。今回も長ーい長ーい連絡路を小走りで急がないと、危うく乗り遅れるところだった。カウンターにいる係員に確認したところ、今回はバスによる移動はないとのこと。
ドイツの曇った灰色の空を抜けると、やがて緑が濃いフィレンツェの丘とそこに生えるトンガリ帽子の形をした針葉樹の森が見えて来た。やれやれ、今回は予定に近い形で、なんとか目的地に辿り着けそうだ。手荷物受け取りで、何人もの知り合いに出会った。一緒にフィレンツェの街までバスで移動する。そして、待ち合わせて、おいしいイタリア料理を駅近くのレストランで楽しむことができた。ここは、Chianti Classicoの産地であった!知らなかったのだが、これは単なるChiantiと比べて値段が倍もする。思い切って頼んでみると、日本で味わったことのないような素晴らしい味がした。残念ながら銘柄を失念してしまったが、一緒にいった知人が写真に撮っていたので、あとで尋ねてみよう。
ちなみに、帰りの便は、スイス周りで当初の予定通り帰れるとのこと。何事も起こらないことを、フィレンツェのありとあらゆる教会で祈りまくることにした。
到着直後の夕方のフィレンツェ。ホテルのベランダより。 |
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