海外のサイトでは「まだあきらめないぞ」という論調のものが目立つような気がする。特に、アメリカのアマチュア天文雑誌のSky and Telescope誌は12月初めの観測機会を虎視眈々と狙っている。
確かに彗星のコアのほとんどの部分が太陽風(放射線)と熱によって消滅してしまったようだが、SOHOの最新のデータを見るとかなりの量の残存物(debris)が残っていて、彗星の軌道上を塊になって移動しているように見える。欧米の天文学者の中にはこれを「アイソンのお化け(Ghost of ISON)」とか「シュレディンガーのアイソン」とか呼んで、「消滅し、かつ消滅していない」彗星と考えている人にいる。
SOHOのC3カメラの画像データ。 sohodata.nascom.nasa.govより。 |
ハリーポッターに出て来たNearly headless Nick(ほとんど首無しのニック)のように、欧米の化け物の代表格に「首無しxxx」というのがあるが、近日点通過後のアイソン彗星もHeadless ghost comet(首無しお化け彗星)と呼ぶべき「ゾンビ」彗星となっていれば、12月の初旬のチャンスになれば、見える人には見えるかもしれない!
追記:更に最新の画像データを見てみた。.....明らかに輝きが失われている。太陽風をかぶるたびに、どんどん暗く、拡散していく様子も確認できる。もはやこれまでか。
上の写真の8時間後のSOHOのデータ。 |