2015年4月8日水曜日

駒場の講義

駒場(東大の教養部)のコマ当たりの時間が105分になったと聞いた。通常90分/コマでやっている大学が多いと思う。

数年前、文科省は「一学期15回の講義をやりなさい」と全国の大学に通達を出した。試験期間や補講の期間を考えれば、このプランだと夏休みが始まるのが8月になってしまう。そんな馬鹿なことありえない、ということで、各大学はオリエンテーションを3月から始めたり、5月の連休を削ったり、補講/追試期間をなくしたりと涙ぐましい努力をして、なんとか8月の頭には夏休みが始まるようにしている。

東大の場合は、ヒトコマあたりの時間を長くする事で、1学期の講義回数を13回に減らし、その分夏休みの開始期間を維持できるように設定したようだ。しかし、その他諸々の制度変更のせいで、試験前の夏休み、試験後の秋休みという国立大学で採用されてきたシステムは大きなダメージを受け、結局講義終了直後から試験期間が始まることになってしまった。今までの学生は、夏休みに自習して学習内容を定着していたとのことだが、それがかなわなくなった。結果として、講義内容を易化しなくてはならない、と知り合いの某教授は嘆いていた。

また今朝の報道で、大学教授/准教授の研究時間が激減した、という記事があった(私は日経で読んだ)。理由は教育に割く時間が増大したからだそうだ。学期あたりの開講数が15なんぞになれば、研究時間はとられてしまうのは当然だ。また、カリキュラム改正だの、導入教育の充実だの、「教育システムの拡充」をやればやるほど、関連委員会が増えて、研究時間が減ってしまう。

結局、文科省は日本の科学・技術の国際競争力を大幅に低減させるのに、「すばらしい寄与」をしたということであろう。それでいて「ノーベル賞の受賞数を50年で30個取る」などという、取らぬ狸の皮算用もしっかりやっているから驚きだ

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