2014年2月28日金曜日

琵琶湖の畔に、強い放射能を帯びた木材チップが不法投棄された件

昨年の秋頃に発覚した事件。エントロピーの拡大は、自然法則のみならず、人間の愚行によっても加速されてしまうようだ。

東京の「コンサルティング会社」なるものが(おそらくは産廃業者、あるいはもどき?)、よりによって関西の水瓶である琵琶湖畔に5000Bq/kg程度の放射能を帯びた木材チップを不法投棄したというニュースがあちこちで流れていた。

多くのニュースサイトではこの記事を有料記事に引っ込めてしまったので、こちらのサイトがまとめたものをメモっておこう。

2014年2月25日火曜日

東御市のセシウム汚染;福島の原発事故が原因ではない可能性

では次に東御市のサンプルの再測定の結果を見てみる。上田市のサンプルと同様、今度は60分の測定を行い、検出限界を一桁にした。その結果は63.17 Bq/kgとなり、20分の測定(55.83 Bq/kg)よりも若干増加した。そして、統計量が増えたスペクトル構造も、情報量が増えたため、より正確な結論を引き出すことができるようになった。

まずはCs-137のピークから見て見よう。σ=25keVのガウシアンを重ねると、うまい具合にスペクトルをよく再現する。つまり、東御市のこの場所の土壌からは、セシウム137が検出されたということを意味する。ところが、Cs-134のピークはというと、今まで見て来たような福島原発事故由来のセシウム汚染と異なるパターンとなっている。まずCs-137のピークの右側にあるはずのCs-134の796 keVガンマ線ピークが、この測定データには存在しない。また、Cs-137ピークの左にあるはずの606 keVピーク位置や幅が微妙にずれている感じがある上に、Cs-137のピーク高よりも高くなっているように見える。Cs-137/Cs-134の比は事故直後は1:1であり、Cs-134の半減期は2年だから、事故から3年経過した現在、Cs-134のピークがCs-137のピークよりも高くなることはあり得ない。とすれば、天然核種のBi-214(609 keV)の成分などが見えているだけの可能性がある。

つまり、以上の考察から導かれる推論は、今回の測定で検出された東御市のセシウム137の主成分は、福島原発の事故によるものではなく、1960年代から90年代にかけて世界中で行われた核実験のフォールアウト、つまり「死の灰」の名残りであろう、というものだ。

ということで、東御のあの谷は高峰などの影になったため、プルームが到達しなかったのではないだろうか?、と思っている。

2014年2月24日月曜日

上田市のセシウム汚染

先日の上田と東御のデータを更に詳しく解析するために、再度測定を行った。今回は測定時間を60分に延長し、検出限界を一桁とした。

上田市の方から見ていこう。20分の測定では65.03 Bq/kg(検出限界14.07 Bq/kg)という結果だったが、60分にすると48.80 Bq/kg(検出限界8.305 Bq/kg)と低下した。しかし、20分の測定では見えなかったセシウムピークが、60分測定では形を成して来ているのがわかった。下の図が60分で測定した時のガンマ線スペクトル。

Cs-137のピークが出るはずの位置にガウシアン(青点線)を
置いてみた。
セシウム137の660keVピークがでるはずの場所に、LB2045のFWHMに相当するσ=25keVのガウシアンを描き込んでみると自然な感じに見える。つまり、Cs-137の660keVガンマ線が検出されている可能性が高いということだ。また、Cs-134の2つのガンマ線があるはずの場所(606keVと796keV)にも、ガウシアンらしきピーク構造が確認できる(追記:でも左側の606keVのピークがちょっと高すぎる感じがあるので、Bi-214などの天然核種のスペクトルもかなり混ざっている可能性は高い。また右側の796keVのピークもガウシアンの形がまだそれほど綺麗ではないと思う。もう少し測定時間を長く取らないと、汚染レベルに関しては誤差が大きいままだと思う。継続調査が必要なのは間違いない)。20分の測定では見極めが難しかったピーク構造が、60分の測定では統計量が十分になって見極めやすくなったということだ。

50 Bq/kg程度のセシウム汚染を見つけるには60分程度の測定が必要になることが今回の測定でわかった。そして、上田はその典型例であるらしいこともわかった。つまり、上田にもわずかながら放射性プルームはやって来たのである(追記:今は「やって来た可能性が高い」程度の表現に落とすべきだと思っている)。しかし、その程度は、小諸の高峰高原や長野の善光寺周辺と比べると一桁小さいから、上田にはプルームの本体(濃い部分)は到達しなかったのではないか?(まだ断定するには測定地点が少なすぎるが。)

次に東御の再分析を見て見よう。

2014年2月23日日曜日

大雪の後:ハクセキレイ

軽井沢に大雪が降った。観測史上最高の積雪(1m)を記録したという。18号はトラックや自動車が雪に埋もれて立ち往生し、大変なことになった。

家の周りが雪で閉ざされ、買い出しに行った車は途中で身動きとれなくなって、渋滞をさらに悪化させる...そんな悪循環が街では起きていた。

一方で、野山に生きる動物達の餌も雪で覆われてしまった。鳥達も餌を求めて、雪の上を歩き回っていた。パン屑を投げると、ハクセキレイが寄って来た。


2014年2月20日木曜日

東御市(旧東部町)と上田市の調査

小諸の高峰、長野市の城山公園(善光寺近く)の2点を結ぶ地域に興味が出て来たわけだが、現在手持ちにあるサンプルは東御市の金原ダム手前の林の土壌と、上田城から北へ少し行った18号バイパスのちょっと下辺りの土壌の2つ。

この地域は高峰の「影」のような場所にあたる。まずは東御の結果から。
東御市(金原ダムへ行く途中の林)
モニターのスペクトルでみる限り、セシウムの目立ったピークは見えない。一応55Bq/kgと出ているが、このスペクトルの精度では「汚染はほぼ無し」と結論してよいだろう。

ではデータの詳細を分析したらどうだろうか?LB2045が出力するスペクトルの数値データを出力すると次のようになった。
Cs-137のピークは、なんとなく在るようにも見えるが、LB2045の場合Cs-137の660keVのピークの測定効率はσ=25keVなので結構な幅のガウス分布になっているはずだ。比較の為にその幅をもったガウス関数を重ねて見ると次図のようになる。
東御の測定値に、LB2045の精度に相当する
ガウス関数を重ねて見た(σ=25keV)。
青線で表したのが、もしセシウム137が検知されたなら、LB2045が示すはずのピーク形である。この比較からすると、実測結果はセシウム137のピークとは思えない。今回の測定精度(測定時間は20分)ではセシウム汚染は無いと結論してよかろう。加えて、Cs-134の796keVのピークはまったく見えないので、それも「汚染無し」の結論を強くサポートしていると思う。ただ、測定時間をもっと長くして、統計量を増やし精度を上げれば「ガウシアンピーク」に成長する可能性もある。東御の測定は引き続き行っていこう。(追記:この後で長時間測定を行った。その結果と分析はこちら。)

次は上田市(上田城から北へ登った国道18号バイパスの手前の神社付近の土)の測定だが、こちらはまだ分析が終わってない。が、見た感じセシウムピークはまったく見えなかった。測定値もおそらく20〜30Bq/kgではないだろうか?上田もどうやらセシウムによる汚染はかなり軽微のようだ。(追記:詳細な分析を後で行った。)

NHKで公表されたシミュレーションでは、軽井沢の碓氷峠あたりから侵入し、千曲川の谷に沿って信州のセシウム汚染は広がったという推論だったが、善光寺平と佐久平を結ぶ地点の汚染が弱いという結果(まだ暫定だが)と辻褄があわないような感じがする。もちろんまだ測定ポイントは少ないので結論を出す訳に行かない。面白いのは、標高2000m近くの高峰(小諸)にははっきりした汚染(200Bq/kgレベル)が見えるのに、その先の東御、上田の市街地近郊にはほとんど汚染が見られない点だ。これは千曲川の右岸に放射性プルームが這ったというよりは、菅平の方に抜けていったことを意味するのではないだろうか?そして松代へ回る形で善光寺平へ流れ込んだのではないだろうか?

この仮説を調べるには、菅平(旧真田町?)や松代といういわゆる「真田の裏街道」沿いの調査が必要だろう。さらには、塩田平を調べれば、千曲川の左岸をプルームが這っていったかどうかが確認できるはずだ。だとすると、小諸の布引き、そして御牧原辺りの状況が重要となるだろう。

2014年2月18日火曜日

Cs-134のピーク合わせの確認

原発事故から3年も経ってしまったので、半減期2年のセシウム134の光電ピークは随分と減衰してしまった。もちろん、汚染地帯の線量が低くなっていくという意味ではいい事なのだが、福島原発事故由来の汚染かどうか判定するのにはセシウム134のピークは必要だ。実際、信州の善光寺やら高峰高原やら、汚染の弱いところではセシウム134のピークが見え難くなってきている。NaIガンマ線スペクトロメータでは、特に606keVのピークが見難くなっている。Cs-137の660keVのピークと被ってしまうからだ。

2年経ってもセシウム134のピークがはっきり見えるものといえば、それは汚染がかなり強い場所の土壌サンプルだ。ということで、印西市の土壌サンプルを引っ張り出して来て、再度測定し、エネルギー較正データを確認してみることにした。

まずは、本日測定したデータのモニター写真から。
一年余り前に測定した時は12,632 Bq/kgだったが、Cs-134の減衰により600Bq/kgほど減少した。しかし、未だに一万ベクレル/キロを越える強い放射能を保持している。Cs-134のピークも綺麗に見える。

この測定で得た数値データをMacに落とし、gnuplotで分析してみた。

やさしおのK-40とCs-137試料から相対的に決めたCs-134のエネルギーピーク位置だが、若干ズレている感はあるが、我慢できないほどではない。しばらくはこのセッティングでいける!