2014年2月25日火曜日

東御市のセシウム汚染;福島の原発事故が原因ではない可能性

では次に東御市のサンプルの再測定の結果を見てみる。上田市のサンプルと同様、今度は60分の測定を行い、検出限界を一桁にした。その結果は63.17 Bq/kgとなり、20分の測定(55.83 Bq/kg)よりも若干増加した。そして、統計量が増えたスペクトル構造も、情報量が増えたため、より正確な結論を引き出すことができるようになった。

まずはCs-137のピークから見て見よう。σ=25keVのガウシアンを重ねると、うまい具合にスペクトルをよく再現する。つまり、東御市のこの場所の土壌からは、セシウム137が検出されたということを意味する。ところが、Cs-134のピークはというと、今まで見て来たような福島原発事故由来のセシウム汚染と異なるパターンとなっている。まずCs-137のピークの右側にあるはずのCs-134の796 keVガンマ線ピークが、この測定データには存在しない。また、Cs-137ピークの左にあるはずの606 keVピーク位置や幅が微妙にずれている感じがある上に、Cs-137のピーク高よりも高くなっているように見える。Cs-137/Cs-134の比は事故直後は1:1であり、Cs-134の半減期は2年だから、事故から3年経過した現在、Cs-134のピークがCs-137のピークよりも高くなることはあり得ない。とすれば、天然核種のBi-214(609 keV)の成分などが見えているだけの可能性がある。

つまり、以上の考察から導かれる推論は、今回の測定で検出された東御市のセシウム137の主成分は、福島原発の事故によるものではなく、1960年代から90年代にかけて世界中で行われた核実験のフォールアウト、つまり「死の灰」の名残りであろう、というものだ。

ということで、東御のあの谷は高峰などの影になったため、プルームが到達しなかったのではないだろうか?、と思っている。

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