2012年7月6日金曜日

「福島第一原発——真相と展望」を読む

「福島第一原発——真相と展望」
アーニー•ガンダーセン著(岡崎玲子訳)
集英社新書(2012年3月)

今非常に重要な情報が載っている本。多くの人が、すぐに読むべきだろう。特に、序章、そして2、3、4章。まだ読み込んでないので、あまりここで内容の紹介はできないが、4号機の危険性を強く指摘している。

筆者はアメリカの原子力技術者で、かつては推進者だったという。スリーマイル原発事故の事故調査にも参加したという。知れば知る程、原発には問題点が多い事を知り、反原発にまわる。現在は、fairewinds.comを設立し、原子力発電や原子力政策の真実の姿を伝える活動に従事しているらしい。

4号機のプールには、現在辛うじて水が溜まっているが、その損傷の激しさからみて、構造強度に深刻な問題がある可能性は高い。少なくとも、大きな地震が起きたり、竜巻や台風となどの大きな天災が起きれば、新たなひび割れや穴などが開きそうな脆い状態にあると多くの専門家が危惧している。また、6月には2回も冷却システムが故障する問題が起き、プールの水温が大きく上昇する事故も起きている。(プールの水が蒸発してしまうと大問題になる。現在でも、水温は30から40度ほどあり、適温の「風呂」状態だ。沸騰こそしていないが、この状態でも蒸発は少しずつ進行している。)

もし4号機のプールの水が抜けてしまうと、使用済み燃料は数千度の高熱となり、空気中の酸素や水分と反応して発火する可能性が高いという。そうなったとき、筆者のガンダーセン氏は東京に住む彼の友人には「東京から脱出するように」と呼びかけているそうだ。これは東京に限らない。大量の「死の灰」が日本のみならず、世界中に長期間に渡って飛散することになるからだ。いったん発火してしまった使用済み燃料は消火する事が不可能だという。したがって、相当な長期間に渡ってヨウ素131やセシウム134,137が毎日毎日、日本(そして世界)を汚染し続けることになる。2011年の福島原発事故では、たった数回のベントを行っただけで、これだけひどく日本は汚染されたのに、それが何十回、何百回と繰り返されるとすると、もはや日本列島は居住に適さない地と化すだろう。

この本の内容だけでなく、最新の情報はwww.faireways.comでも手に入れることができる。

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