2013年2月24日日曜日

国会前に久しぶりに行った

先週の金曜日の夕方、久しぶりに国会前に足を延ばしてみた。この寒い中、みんな、よくがんばっている!感動した。

しかし、昨年の夏と比べると明らかに人数は減っている。「反対の大合唱」というよりは、拡声器が一人叫んでいる感じ。とはいえ、事故当初から比べれば、相当な人数が、国会や官邸、そして経産省の前を歩きながら「国民の意見」を示している。彼らは永田町や霞ヶ関の歩道を静かに歩きながらも、「国策」の失敗を追及し、国に深く反省するよう督促している。これが民主主義の基本というものだろう。それは古くて、新しい(少なくとも今の日本においては)。

広渡先生の著書「学者にできることは何か」を買った。前の日本学術会議の会長を努めた人だ。法学者(京都大学法学部出身)。実は、自然科学以外の学者が学術会議の会長になったのは彼が初めて。東大名誉教授、元東大副学長、民主主義科学者協議会法律部会理事長、などの肩書きが巻末に書かれている。が、権威に寄りかかり、「寅の威を借る狐」のような学者たちとは一線を画している。

それがよくわかるのが、大震災の後、変貌した日本社会に対し、「極度の緊張感から、体調を崩した」と書かれている本の冒頭だ。スーパーやレストランで、セシウム137やヨウ素131などの放射能物質に汚染された食物を避けようと、必死に産地について問い合わせをする人たち(その多くは「母親」たちだろう)を、「気にし過ぎ」、「非科学的で、無知の表れ」などと卑下し、馬鹿にする人たちは、広渡氏の体調不良も笑い飛ばし、馬鹿にするだけの覚悟を持たねばなるまい。

広渡清吾著
「学者にできることは何か:日本学術会議のとりくみを通して」
岩波書店(2012年)震災と社会シリーズ第7巻

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