2013年4月18日木曜日

軽井沢(六本辻)のroundabout

英国に住んで車を運転するとなると、roundaboutに慣れなくてはならない。(roundaboutは「ラウンダバウト」と発音する。ロンドンに住む日本人達はroundaboutのことを、省略して「ランダバ」と呼んだりしているが...)

英国のroundabout。wikipediaより転載。
roundaboutというのは、信号を使わない交差点の形式のことで、英国のみならず、ヨーロッパでは普通に見られる。(私の見た限り、フランスとスペインにはあった。)英国は日本と同じ左側通行なので、英国式のroundaboutは、どのように利用するか説明してみよう。

まず、「交差点」に相当する部分を見てみよう。日本やアメリカの大半(実はボストン周辺のみにはroundaboutがあるそうな)は、"intersection"、つまり道と道がシャープに交差する場所を文字通り「交差点」というが、ヨーロッパのroundaboutの場合は道路が円環状に接続している。信号がないのでどんどん突っ込んでいい。ただし、円環部分にすでに車が入って走行しており、さらにその車が自分の右側にいる場合(つまり自分の方向に向かって走ってくる時)は、roundaboutに突入してはいけない。これだけのルールだ。これ以外の場合は、自由自在にrounaboutには突入して、好きな出口から出て行くことが出来る。またroundaboutに入り込んだら、何周でも回っていてよいのだ。道に迷ったときは、回り続けながら地図を見たり、考えをまとめたりしてよい。どの出口から出るか結論が出たら、そこで出るのである。

roundaboutは、渋滞の頻発する都市部には向かないが(英国の都市部のrondaboutには信号機が付いてしまった場所もあり、本来の利点が損なわれている)、交通の少ない田舎道などではroundaboutは素晴らしいシステムとして機能する。車が一台も通らないのに律儀に交差点の赤信号で待つ必要がないからだ。日本には黄色信号の点滅というのがあるが、ど田舎の森の中で、しかも真夜中だけとか、例外的にしか利用されていない。しかも、信号の設置代、信号機運転のための電気代が無駄にかかる。roundaboutは電気が必要ないから、省エネだし、環境にやさしいのだ!

しばらく前に、信州の飯田地方にroundaboutが導入されたと聞いた。すばらしい、英断だ!と思った。日本のroundaboutを飯田の人たちは、どんな風に使いこなしているのか見物にいこうかな、などと考えていた。

このあいだ久しぶりに軽井沢にいったら、なんと六本辻がroundaboutになっているではないか!嬉しくて嬉しくて思わず「やったー!」と叫んでしまった。信州にはroundaboutがよく馴染むはずだ。そもそも軽井沢の別荘地は、英国の景色や気候に似ているからという理由で明治の頃に英国人達によって開発された場所だ。roundaboutがあったって不思議じゃないのだ。ジョンレノンも軽井沢がお気に入りで、夏になると必ずヨーコの家族が持つ別荘に長期滞在していた。

軽井沢のroundaboutは、英国やヨーロッパのものとちょっと違って、突入する前に必ず一旦停止するように義務づけられている。より安全志向というわけで、これはこれでいいことだと思う。一旦停止して、右から車が来ていないか確認(左は見る必要がないのだ!)し、来ていなかったら突入する。ただこれだけである。突入したら、何回でも周回することが許され、好きな出口に来た所でroundaboutから離脱する。

roundaboutが日本中の、田んぼ道、山間地などの交通量の少ない道路に普及していくことを切に願う。無意味で無駄な信号機をたくさん駆逐すれば、原発数基分は不要になるだろう。

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