軽井沢の碓氷峠や、離山周辺(雲場池も)にセシウム汚染地帯(ホットスポット)があることは、原発事故の起きた2011年に行った調査でわかっている。離山周辺の土壌のセシウム汚染の程度を知るために、γ線スペクトルを測ってみたこともあるが、予想通り5000Bq/kg程度の比較的強い汚染が確認された。
昨年の春の測定では、離山の東斜面ではなく、群馬県境に沿って南北に伸びる山の西斜面に興味を持った。というのは、群馬側から放射能プルームが流れ込んだと仮定すれば、西斜面は「影」となる部分であるから、東斜面に比べて汚染が弱くなるのではないか、と予想した。土壌サンプルを採取してから随分時間が経ってしまったが、やっと測定する余裕が最近出て来たので、この予想があっているかどうか確認してみた。
採集地点は愛宕山の中腹の西斜面だ。2013年5月初旬の測定(Dose RAE2)で、線量は0.09μSv/hだったから、かなり線量は低い。これは東京の西部と同程度であり、東京東部と比べれば「かなり低い」レベルと言っていいだろう。一方、離山の東斜面では0.2μSv/h以上は少なくともあり、汚染が強い場所では0.35μSv/h程度の線量も観測されていた。
東京西部の土壌汚染の平均は経験的にざっと500Bq/kg程度だから、この線量から推し量ると、5000Bq/kgを示した離山東斜面よりも、軽井沢の西斜面は一桁汚染が弱いことが推測される。とすると、やはり「影」予想はあっていたのではないかと期待した。
さて、ベクミル(株)の協力を得て、LB2045γ線スペクトロメータを使って採取した土壌を測定してみた結果が次である。
スペクトルには、特徴的な3つの放射性セシウムのピークが確認できる。これは福島原発による汚染であるという証明だ。そしてセシウム汚染のレベルは700 Bq/kg程度と算出された。ほぼ予想通りの値で、東京の西部と同じ程度の汚染といえる(ちょっと強めだが)。まだサンプル地点は一カ所なので結論はできないが、やはり軽井沢の西斜面は「影」となって、東斜面よりは汚染が弱いのではないかという予想はある程度あっているのではないか、と感じた。
軽井沢の汚染も斑模様になっているようで、状況を把握するためには細かい分布調査が必要だと思われる。
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