そこで、軽井沢の急斜面と田沢湖の土砂災害が起きた斜面の勾配を比較して、どれほどのリスクがあるか検討してみることにした。新聞の情報から土砂崩れを起こしたのは先達地区の標高435mの山であることがわかったので、国土地理院の地図を使って少し調べるとすぐにその山の位置がわかった。
土砂崩れが起きた場所の周辺の様子。 赤い点線(左)が土石流の流れ下った道筋。 右の赤い点線は水力発電の設備(導水パイプ?)。 |
報道写真などから分析し、土石流の流れ下ったルートを地図中に描いてみた。
時事通信社が撮影した現場の様子 |
国土交通省の「専門家」は誰でも思いつくような無難な説明をしていたようだが、どうみても土石流の始まった場所にある人工構築物が土石流発生の引き金になっているように見える。(こちらの方も同じ印象をもったらしい。)
今度はgoogle mapで調べてみた。
土石流の起きた地点周辺。 (google mapを利用。) |
国土地理院の地図を見ると、この山の山頂まで地下水路のようなものがかなり上流の川から引かれているのがわかる。その川が増水したとき、地下水路(パイプ?)にも相当な水量が流れてくるはずだ。特に、山頂から水力発電所のある場所までは、発電のために水をパイプの中に勢い良く流し落とすはずだから、それまでの地下水路の勾配と比べ、山頂から下部では水の流路の勾配は急速に大きくなるだろう。だとすれば、パイプに与える水圧はここで急増するはずで、大雨の増水時に上流にあるはずの弁を調節したりしなければ、勾配が急変化する所、つまり山頂近くで水力発電用のパイプが弾け壊れる可能性は高くなるだろう。
報道では東北電力の関わりについての説明がほとんどなかったが、もし上で想像したようなことが真実であるならば、山の急勾配が土砂崩れの直接の原因とは言えなくなる。となれば、この災害は軽井沢の災害に対する予防データにはなり得ないということになる。
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