2013年5月25日土曜日

水星、金星(そして木星)の観測

去り行く木星とすれ違いに、水星と金星が西の空に帰って来た。3つの惑星は接近していて、非常にきれいな夕空となっている。5月27日にはもっとも接近し、きれいな三角形を形作るそうだ。とはいえ、梅雨の気配が濃くなって来たこの頃は、水蒸気が多く、たとえ晴れだとしても視界が悪い。さらに、西の低空にちょっとでも雲がたなびこうものなら、これら宵の明星たちは隠れて見えなくなってしまう。特に水星は観測が困難なことで有名で、天文学者でも肉眼で見たことがない人は大勢いるようだ。

水星は今までに一度しか肉眼観測に成功していない。天候の問題もあるし、金星ほど明るく輝かないので、夕焼けの明るい空で星座の目印無しに探し出すのは結構難しいからだ。これは、パンスターズ彗星がなかなか見つからなかったときと似たような状況かもしれない。とはいえ、パンスターズ彗星に比べれば、現在の水星はずっと明るいので、チャンスは十分ある。

さらに、今なら金星と木星が目印となってくれるため、水星の位置を同定しやすい。水星を観測するなら今が絶好のチャンスだ!

ということで、日没直後の7時から7時半にかけて観測を行ってみた。金星がよく光っているのがすぐにわかる。夕焼けに輝いて、とてもきれいだ。そのちょっと右横に、小さいけれど、しっかりと輝く星を見つけることができた。水星だ!高度も結構高く、パンスターズ彗星を見た時と同じ程度の角度、あるいはそれよりちょっと高いところに光っている。金星の左上には木星が少し離れて輝いているのも、容易に確認できた。そして振り返れば、満月直前の月と、土星、そしてスピカの輝きが見えた。間もなくすると、直立した双子座も見えて来て、素晴らしい景色となった。天頂にはアークトゥルスの赤い輝きもある。今宵の空はほんとうにきれいだったと思う。

望遠レンズを使ったので、木星を同一視野に入れることはできなかったが、初めて水星を撮影することができた。6月に入ると、水星は地球にどんどん接近してくるので、形が三日月状に欠けてくるのが観測できるはずだ。梅雨の晴れ間の、限られたチャンスを使って、なんとか水星の欠けた姿を捉えてみたいものだ。

初めて捉えることができた水星の輝き。

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