成果が少なかったので、さらに海岸線の続きを探索する。こちら側はGreen Ammonite Bedという地層が現れてくる場所で、先ほどのBelemnite marlの上層、つまり新しい層に相当する。この層からは、大きめのアンモナイトが産出するので当たると大きい。
このあたりで出る大型のアンモナイトはAegocerasという種類で、アンモナイトの体が収まっていた付近には、死後に砂や泥が入り込み、海底に沈んでも水圧や土圧で潰れ難い。一方、中心部は空のままになるので圧力で潰れてしまう。その結果、殻の外周部のみが化石となって残り、あたかもソーセージのようになる。この地層からは「ソーセージ」は結構たくさんとれるが、完体の化石を取るのはなかなか難しい。今回は、残念ながらソーセージだけとなった。
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Aegoceras。中心部は潰れ、泥が入っている。 |
この付近に嵐が来た翌日などには、砂浜の砂が大きくえぐられ、下からBelemnite marlが露出することがある。そんなときは、大物でかつ完体の標本がざくざく取れる。またベレムナイトの完体や、大きめの黄鉄鉱のアンモナイト化石なんかも出たりする。今回は、そんな化石ではなく、雑魚ばかり。しかし、採集した貝殻の化石でも、日本に持ち帰れば、「お宝」だ。なんともいっても、ジュラ紀の貝だから!
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二枚貝(?)の化石。泥の中から採集。 |
またこの地層からは、黄鉄鉱(pyrite)や石膏(gypsum)などの鉱物も採集できる。前者は、酸素の少ない泥の奥底に住む細菌の活動によって生成されたものだし、後者は海水成分が火山の噴出などによって、地中の裂け目(
vein)に晶析したものだ。生物の死骸が分解されて、黄鉄鉱と化したものは浜辺に無数に転がっていた。また、石膏の中でも透明度の高い結晶はセレナイト(Selenite)と呼ばれるが、今回はそれを採集することができた。(ただ、結晶が割れた隙間に泥が入りこんでしまい、透明度は今ひとつだった。)
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Seleniteの結晶。 |
今回借りたレンタカーの写真を載せておく。Vauxhall(現在はOpel/GMの英国子会社)のCorsaの新型。1.4Lだったが、結構良く走ってくれた。
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Vauxhall Corsa @ Jurassic coast |
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