フランクフルトの巨大な空港を駆け抜けた後、もうひとつの罠が待っている。飛行機がターミナルに乗り継いでいない場合があるのだ。この場合、バスに乗って滑走路横にとめてある飛行機まで移動する必要がある。その昔、空港の建物が小さかった頃、よくあったパターンだ。それでも、普通はバスで5分も走れば飛行機に連れて行ってくれた。
しかし、フランクフルトでは、バスに乗って30分近くも移動することがある!巨大な空港だけに、滑走路も巨大。したがって、そこまで辿り着くのに何キロも先まで移動する必要があるらしい。普通は空港建物を巨大化することで、バス利用の廃止を実現しているわけだが、フランクフルトの場合、巨大化してもご利益がない場合があるらしく、これには驚かされた。
移動に30分もかかるので、そう頻繁にゲートからのバス送迎はやってくれない。つまり、離陸の40分ほど前に出発する送迎バスに乗り遅れると、たとえゲートの前に出発の35分前にやって来たとしても、もう飛行機には乗せてもらえないのだ!この恐ろしい状況を、私は経験してしまうはめになった。2分の差で乗せてもらえなかったのだ!
実は、ゲートの前には随分前に到着していたのだが、長い通路を走り階段を駆け上った結果、汗だくになってしまった。そこで、水を買いにいきたかったのだ。ルフトハンザの係員に、何時までに戻ればいいのか聞いてみた。彼女は「7:10頃までに戻ればよい」といった。そこで、7:10きっかりに戻ってみると、驚いたことに「あなたは乗り遅れた」と言われたのだ。納得いかないので理由を聞くと「7:08に最後のバスが出たから」と言う。
こんないい加減な話あるだろうか?というか、バスの運転手がものすごく時間に正確なのに対し、客と応対する地上業務員が時間にいい加減であるというアンバランスが問題だ。どちらも正確、あるいはどちらもいい加減ならば、結局は飛行機に乗れるから文句はないのだが、このミスマッチのせいで飛行機に乗れなかったから怒っているのだ!融通が効かない生真面目さと、意外に粗雑でいい加減という相反する性質が、現代のドイツにはあるのだろうか? ちなみに、あの故障していたエレベータはドイツ製なんだろうか?
ちなみに、隣りのカウンターに座っていた男性係員はすごく親切で、端末を敏速に操作して、速やかに次の便の情報を教えてくれ、どこで発券手続きをしたらよいかアドバイスしてくれた。発券カウンターではものすごく時間がかかったが、特別扱いしてくれて1時間後の便に潜り込ませてくれた。しかし、無料で発券はしてくれなかった。彼女にはそれをする権限がないからだという。「申し訳ない」といいながらも、ここで彼女の上司と話をして時間を潰してしまうよりも、若干の出費をしても速やかにスイスに移動したほうが得策だろう、とばかりに話を先に進めていく。まあ彼女の術中にはまるのもよいだろうと判断。いったんは追加料金を払って次の便に乗ることにした。この判断は良かったと思う。その後、問題なくジュネーブまでたどり着くことができたし、上空から見えたアルプスの嶺とその手前に横たわるレマン湖の緑色、そして山脈に漂う白い筋雲を見た時、嫌な気分は完全に吹っ飛んだ。おまけに晴天。青空が素晴らしい。ルフトハンザも悪い所ばかりじゃないな、と気分に少し余裕ができた。
とはいえ、ここで引き下がるわけにはいかない。後でANAかルフトハンザの日本支店に文句をいって、追加料金を取り戻すことにしよう。ちなみに、ハワイのレンタカーでもめたときは、この方法がうまくいって全額返金してもらった。
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