20年後の統計で、ついに甲状腺癌と原発事故の因果関係がWHOで認定された。このとき、事故当時幼児だった大勢の子供達はすでに甲状腺癌を発症して苦しんでいた。証明されるまでに時間がかかりすぎたということだろう。
その貴重なデータが、児玉氏の本には掲載されている。重要だと思うので、そのデータをまとめ直してみた。ベラルーシにおける統計で、10万人における甲状腺癌の発症確率の臨床結果、つまり事実である。
ベラルーシにおける甲状腺癌の発生率。 「内部被曝の真実」から引用。 |
事故当時、14歳以下だった幼児や児童たちが最初にヨウ素131の餌食となった。その発生ピークは事故から10年後の1995年。青春のまっただ中での発症はそうとうつらい経験だったはずだ。
彼らの苦しみが終わりかけた1990年の後期からは、今度は事故当時15歳から19歳だった、いわゆるハイティーンの少年少女たちの発症が始まる。彼らが中年にさしかかったあたりでの発症だ。
そして、事故当時20歳から30歳前半だった若者達の発症は、まだ増加の途中にある。事故から20年たち、中年から壮年となってからの発症だ。
福島原発の事故が発生した昨年に、これらの年代にあった東北から関東にかけての若者は、チェルノブイリと同じ恐怖に曝されたことになる。東京の人口を1000万人とすると、10年後の2020年頃、20代の若者の甲状腺癌の発生がピークを迎え、その数は数万人に及ぶ可能性がある。関東全域では十万、東北を入れたら数十万人近い若者が喉に手術痕をつけることになるかもしれない。そして、その10年、20年後に今度は働き盛りの中年や壮年たちの発症がピークを迎えるだろう。
忘れてはならないのは、セシウムによる健康問題はさらにその後に出番を待っているということだ。遺伝子レベルの損傷もあるので影響は数百年続くあろう。そして、下手すると日本人が滅びる原因になってしまうかもしれないだろう。佐渡島のトキのように。
0 件のコメント:
コメントを投稿