前の文章で、『日本人の血と肉を貪り喰って生き残った「政治家」と「官僚」と「財界」』と書いたが、修正しなくてはなるまい。彼らが貪ったのは日本人だけではなかったからだ。中国の人々、朝鮮半島の人々、東南アジア諸国の人々、そして太平洋の島々の人々の命と人生とを踏みにじったのが、昔の日本政府だ。
敗戦を切り抜けたその末裔は、再び世界に迷惑をかけようとしている。大地震や大津波が来る度に、原発が2基、3基と爆発してしまっては地球の環境は持たないし、なにより原発を使い続けると発生する「死の灰」つまり使用済み核燃料は、そのうちいつか人間の住む場所よりも広大な場所を占拠してしまうだろう。死の灰は、循環冷却水で何百年も冷やし続ける必要があるから、「採集処分場」というのは、ポンプで大量の水が循環する巨大なプールという形になる。首都高がボロボロになってしまったように、50年も経てばこういう構築物は必ず劣化し故障する。そのとき、処理場でメルトダウンやそれに相当する深刻な事故は起きるだろう。そうなれば、近隣地帯や太平洋を汚染する形で、人間の生活を脅かすはずだ。それは、日本に留まらず、世界的な規模での汚染になる。そうなれば、「世界のお荷物」とか「アジアの癌」などと、世界中の人に呼ばれることになるだろう。
3 件のコメント:
こんにちは、とびねこです。ほんとに、まだまだ、とくに福島4号機の燃料プールだって、超危険な状態で世界から心配されてるのに、ですよね。ところで久々にブログ更新いたしました。よろしかったらご覧ください。巨神兵をはじめ、ナウシカって偉大だな~と思うのですがたしか、ナウシカでは菌類は世界を清浄にしてくれていたのですよね?もしかしたら、今関東近辺で出てるセシウムをうんと出してる(すいとってくれている?)キノコ類はそういった作用があるのかもしれませんね。
Kuzzila 先生
明快で鋭いご主張をいつも興味深く拝見しております。
1.日本が過去にアジア諸国にかけた迷惑
先生の書かれたことを事実として“定量的”に理解している日本国民は多くはないでしょう。
例えば、太平洋戦争で命を落とした日本人の数とアジアの国々の人々数につき、把握している者は少ないと思います。 両者の“比”でさえ覚知されていないでしょう。もし、このコメントが公開されて読者諸氏の目に触れることがあれば、皆様には是非自問自答をいただきますよう希望します。
これは、不都合な真実を隠蔽する日本政府の方針によるところが大ですが、日本国民の多くが知ろうとすれば知ることができる事実に目を向けないことも大きな原因です。
2.原発問題に関する日本国民、とりわけ科学者、技術者の行動義務
私は、知る努力をしないのは国民各人の罪であると思います。 調べれば容易に情報が得られた原発の危険につき、知る努力を払わなかった異分野の技術者達の罪と同等です。
原発は、民間航空機に要求されるレベルの注意を払って設計すれば、コストは今の30~100%程度増すかも知れませんが、現状よりは遙かに安全になります。 燃料サイクルを断念してワンススルーにすれば放射性廃棄物の問題は大きく軽減されます。 現時点でも充分な量(何のために充分?)のプルトニウムは既に貯蔵されていますから、ワンススルーに方向転換もあり得る選択肢です。 さらに、某国で実用化されているトリウム炉にすれば、放射性廃棄物の問題はさらに劇的に軽減されます。 国家プロジェクトは大きな慣性をもっていますが。
しかし、そこまで安全に設計しても、まだ充分過ぎるくらい原発は危険なのです。 例えば、大型航空機の直撃や隕石などの衝突、核攻撃の対象となった場合などの危険(危険度と時間当たりの発生確率と稼働時間と結果の重大さの函数)は高いのです。
政府は、緊急対策を行った原発が如何に安全かを示すのみならず、残された危険とその時間長を考慮した発生確率についてこそ情報を開示すべきです。 国民は、この危険とその確率に基づき、ギャンブルをして経済的利益を得るか否かを判断すべきです。 すべては隠蔽なき情報公開と国民の判断能力が前提になります。 国民には開示された情報に基づき正しい判断を行う“資質”が要求されます。 モンテカルロ法がお好きでしょうか、あるいは、ラスベガス法がお好きでしょうか・・・。
個人的には、制御棒系に関するキラー周波数(共振周波数)に関する情報が開示されておらず、L/Dが充分大きくなさそうで短い周期成分を含む強い直下型地震下でも制御棒が確実に降りるか否か不明であり、かつ、簡単には手動でベントできそうに見えない圧力容器、格納容器をもつWHの初期の加圧水型には大きな危惧の念を抱いています。
感覚的に危険を察知してこれに対し拒絶の態度を鮮明に表明することは世論を emotionally に形成せしめ、これにより政治的優位を築くことは極めて有効です。
しかし、科学者、技術者には、別の態様の行動が求められているのではないかと思います。 科学者、技術者は、今、行動を起こし、真実と信じられることを証拠または論拠を具体的に示し、国民と政府に問いかけるべきであると私は思います。
蛇足ですが、政府の情報公開に関連して、日本では、尖閣(釣魚)を日本国領として編入した“ホームスティール”的なタイミングの選定とその背景に関して日本国民は全く知らされておらず、また、中華民国、中華人民共和国においては、過去に当該諸島を日本領として認めた国家が関与する文書が発行された事実に関しては、その国民には知らされていないのです。
とびねこさん、enniethebearさん、
コメントありがとうございます。
キノコや苔がセシウムをよく吸い取るのは、今後利用できるのかもしれません。ただ、消えてなくなる訳ではないので、「刈り取り」した後の処理を考えて置かなければなりません。ここがナウシカと違うところです。発生源に戻す、というのが正解だと思いますが、「発生源」は抵抗するでしょうね。
スイスの研究所で、フランスの原子力工学者と議論する機会がありました。彼は安全工学の専門家で、しばらく福島のケーススタディーに取り組んでいたそうです。日本語もよく喋れるので、英語と日本語で会話しました。
彼は使用済み核燃料が処理できないのが最大の問題で、プールが一杯になってしまう日がすぐやってくる(数年後)のは明白で、そのときに全てはストップしないといけないだろうと言ってました。フランスには再処理工場があって、リサイクルがすでに軌道に乗っている点、さらにその処理後に出る高レベル廃棄物の地下処理場をすでに持っている点において、この「土地」の問題はまだまだ先延ばしできるので、焦りはまだないそうです。箱根で遊んだこともある彼は、火山や地震の多い日本の地下には安全に高レベル核廃棄物を長年に渡って保管できる場所はないだろう、ともいってました。
安全性の前に、処理で行き詰まるだろうということです。
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