2012年2月8日水曜日

名古屋のセシウム汚染:わずかなピーク構造あり

先日の名古屋のデータの解析を行った。まず数値化して、グラフ化し、バックグランドの寄与を抜いて表示してみた。
LB2045による測定(バックグランドは抜いた)
矢印はセシウム134,137のガンマ線の位置。
先日写真を見た印象として「なんとなく構造が見える」と書いたが、こうしてグラフに打ち出してみると「三兄弟」のピークが見えるような気がする....ただ、汚染が軽微であることは確かで、スペクトルの山の形はそれほどはっきり見えているわけではない。(グラフでは縦軸を拡大して引き延ばし、強調している。)ただ、測定時間を20分から60分程度にまで延長したら、山が形づくられてしまいそうな感じは受ける。

ある意味、これはショックだ。この土は名古屋城の近辺で採集したものだが、福島原発から飛散した放射性セシウムは、名古屋の土まで汚染している可能性が高くなってきた...(実は、よく調べたら愛知のお茶からはどうもセシウムが検出されているようだから、これは当然の結果かもしれない。)

愛知県、あるいは名古屋市は、ゲルマを使った長時間測定で白黒つけるべきだろう。しかし、中途半端にやってはいけないと思う。LB2045で測定してこの程度なのだから、汚染が軽微なのはすでに確かだ。ということは、かなり精密なゲルマ測定を(1時間とか5時間とかかけて)やって、丁寧に検証する姿勢が(科学的には)肝要だろう。

ちなみに、同じようなスペクトルに見えた佐久(長野)のグラフは次のようになった。
セシウムの3ピークらしきものはあるが、
名古屋よりは構造がのっぺり
矢印はセシウム134,137のガンマ線の位置。
以前議論したように、佐久の土壌スペクトルにも三兄弟らしきピークは見え隠れするが、名古屋に比べると、構造がのっぺりしていて際立った感じがしない。汚染はかなり弱いとは思うが、これもゲルマによる長時間測定で確認する必要があるだろう。長野県や佐久市が税金を使うべきは、こういう緻密な測定だ。(追記:名古屋市議員の方が7月にゲルマですでに測定なさっていたようだ。やっぱり、微量の汚染があるという結果だったそうだ。)


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