箱根を越えて、静岡に入る。美しい里山が広がる。「多分ここにもセシウムは来ているんだろう」という疑いと、「ここまでだったら来ないかも」という希望が入り交じる。
ケストラーの「ヨハネスケプラー」の訳書を読んで、残りの時間を潰す。この本はとてもおもしろいし、ケプラーのイメージが変わる。
名古屋に降り立つ。ここならきっと大丈夫、と少し嬉しくなる。
まずは、地下鉄を乗り継ぎ、名古屋城へ向かった。ここでの目的は2つ。城を見ることと、土を採取すること。名古屋城は結構人気があるらしく、上田城なみに観光客がいた。また、土の採集に関しては、名古屋の街の中は人目もあるし、ほとんどがアスファルトで覆われているので、採集は困難。そこで、名城公園の方なら採集できるかなと考えたわけだ。
名古屋城は、なんといっても、天守閣の石垣の反りが素晴らしい。清政の作だという。見事だ!また、この日の名古屋は晴天で、これらから大雪になるとは想像も付かない状態。帰京してから、ニュースで真っ白の名古屋城を見て驚いた。
名古屋城 |
上が名古屋、下が佐久 |
名古屋のスペクトルを、信州佐久のスペクトルと比較してみた。佐久の方がスペクトルの凸凹がはっきりしているような感じも受けるが、どちらも似たような感じがするという人もいるだろう。写真だけからはよくわからない。実は、名古屋のスペクトルの写真は手ブレしてしまって、よく値が読み取れない...再度測定して、数値化し、グラフに落として比較しないと、まだはっきりしたことは言えない。(再測定の分析結果はこちら。)
また、どちらも40Bq/kgという結果が出ている、名古屋の方が構造が少ないように見えることから、汚染は少ないように感じる。この辺りまでくると、ゲルマに登場してもらうしかないのかもしれない。少なくとも、LB2045の測定時間をもう少し長くしたいと思う。
LB2045で見る限り、名古屋も佐久もだいたい同じような「軽微な汚染か、それ以下」と分類してよいだろう。しかし、LB2045で測っても、0Bq/kgとなるような「完璧に汚染の可能性が0の土」を測ってみたい。そういう意味では、名古屋はまだ福島に近いのかもしれない。
ところで、名古屋の食事を楽しもうと思ったのだが、ちょっと躊躇することになった。まず、出かけたのは駅前の高島屋の地下にあった総菜コーナー。ここにあった中華屋さんで、餃子をおやつに買おうと思ったのだが、その宣伝ボードをよく見たら、誇らしげに「この餃子で使っているキャベツは、群馬の嬬恋のキャベツです」と書いてある。名古屋は汚染地帯のわずかに外側にあるわけで、自身は汚染が弱くても(あるいはされていなくても)、汚染地域からの物流は活発だ。ということで、外食はやめて、この総菜コーナーで産地を聞きながら、一品一品購入し、ホテルで食べることにした。鹿児島のローストチキン、青森米のおにぎり(イクラと明太子はロシア産)、そして北海道ジャガイモとオーストラリアビーフを使った神戸コロッケ、などなどを購入。
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