しかし、どうも巷にはもっといいカメラがあるらしい。その中でも、EOS Kiss X4は、Fを購入する際も検討したが、値段が高く(中古でもそれなりの値段がついていた)、今までなかなか手が出なかった。しかし、新型のX5が登場したおかげで、値段が下がって来た。この機にアップグレードしてみようと思い立った。その理由は値段以外には次の通り。
- 感度が最高12800とFの8倍!(ただ、これでとると、ノイズが乗りやすくなるという噂もあった。)
- 上の理由と実は関連しているが、現在持っている赤道儀はCD-1。シビアな極軸合わせがやりにくく、経験上、2分以上回すとブレが目立って来てしまう。そこで、高感度のカメラを導入し、短い時間で写真を撮り終えたい、と考えた。
- 化石採集や登山の時などは、結構ハードな扱いをカメラにする。天体観測用と、フィールドワーク用で写真機を分けて使いたい、と感じ始めていた。
など。
さて、さっそく新しいカメラで天体写真をとってみた。iso12800の最高感度で挑んだのは、おおぐま座のM81,M82の銀河団(前回の観測はこれ)。今日は台風の後ということもあって、大気の状態は良好。本当は、iso1600とかiso800程度に落として、長時間露光を掛けたいところだろう。が、CD-1の設定は手間がかかるし、所用のため時間がなかったので、一気に高感度、短時間露光で撮りまくってみた。
M81(左)とM82(右) |
最初の写真は、M81というよりはM82に注目して画像処理したもの。露光時間はわずか20秒。しかし案の定ノイズがつよく出た。背景を暗く抑えて処理したので、M81の光の広がりは小さくなってしまった。が、そのかわりに、M82のスーパーウィンドと呼ばれる、赤い電離水素ガスがなんとか見える程度に処理できた。
M81に重力で引き寄せられているM82。そこに含まれる天体はM81の強大な重力によって活性化される。その結果、天体は水素ガスなどを激しく放出するようになる。それらは次第に集積し、M82の銀河中心から銀河円盤面に垂直方向に吹き出しているらしい。それがスーパーウインドと呼ばれる、写真で赤く見える領域だ。
が、私の写真では、ガスの吹き出しの様子までは映っていない。ただ、銀河中心がぼんやり赤くなっている程度だ。それでもEOS Fでは撮れない写真だ。もっと綺麗に撮るには、別のテクニックが必要になろう。(フィルターとか、合成など。これらは勉強中。)