2011年5月5日木曜日

連休の地学散歩

フォッサマグナはかつて海峡だった。そのど真ん中にあった大きな島が、現在の関東山地だという。その西の縁に当たるかつての「浜辺」は、現在、信州の山奥にある。八風山近くのとある山に今日は出向いてみた。珊瑚の化石がでると聞き、浮き足だったのだが、今日は採集せず現地の様子見をするだけにした。

小さな渓流に沿って谷をつめていく。谷が分かれ、山に囲まれる。露頭を見ると凝灰岩、特にこの辺りはグリーンタフ(緑色凝灰岩)が目立つ。この岩石は火山灰等の堆積物だが、特に海に降り積もったものと言われている。海水のミネラル成分によって色が緑色になったのだろうか?軽石風の凝灰岩や、大谷石などと違って、ここのグリーンタフは結構固い。キメも細かく、薄い緑色がとてもきれいだ。

凝灰岩の上にあるのが砂岩の地層で、ここから海の生物の化石が出るらしい。今日は、真っ黒で固い砂岩が川沿いに転がっているのだけを確認した。しかし、この砂岩は固すぎて、化石は含んでいる様には見えなかったが。

砂岩の地層の上が溶岩。節理が進んでおり桂林に似た奇岩風景を形成していた。(もっとも、桂林の山は石灰岩で、かつての珊瑚礁だと思うが。)いつか登ってみたい。


写真からも分かるように、木々の新芽が芽吹き始めている。谷川の入り口にあった小さな村は桜が満開だった。時折花びらが流れの方へ、はらはらと散っていく様は、夢の中のよう。遠くで鶯が鳴いた。

鶯や 散り落つ川の山桜

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