2011年5月19日木曜日

LED電球の発光の仕組み

これで準備万端となった。私が購入した安いLED電球、つまり「青色LED+黄色蛍光体」タイプのLED電球がどうやって白色光を作っているか、これで理解できる。

まず、光源は、青色LEDから出る、波長が450nm程度の青色光。このまま使えば、青色の電球になる。青色光は、光の三原色の中では最も波長が短いので、蛍光体に当てることで、波長の長い緑や赤の光を作り出すことが出来る。黄色を中心に、幅広いスペクトルで発光する蛍光物質を見つけ出せれば、青色LEDと組み合わせることで、白色光がつくれる(といっても疑似白色)、というからくりだ。

その黄色を中心に発光する物質としては、セリウムを混入したイットリウム—アルミニウム—ガーネット蛍光体(YAG:Ce)がよく利用されているらしい。サイアロン(SiAlON)というセラミック系の発光体を利用したものもあるらしい。これらの蛍光体は青色を吸収して、黄色を発光する性質をもつ。

つまり、LED電球の光をスペクトル分解したとき、青色とそれ以外に分離したのは、前者が青色LEDから出た光の成分で、後者は蛍光体(おそらくYAG:Ce)から放出された、黄色を中心とする緑と赤の光成分、ということになるだろう。

こうやって、うまい具合にLEDで白色に光る電球をつくることができるのだが、その成功の原因は単衣に「青色LED」の発明によるものだ。青色LEDのみならず、白色LEDも日亜化学が最初に開発した、というのはうなずける。それにしても、一つに勝つと全てに勝ってしまう、というのが、まさにこの世だと感じた。(勝ち組は全てを独占する、といった感じか。)

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