2011年5月16日月曜日

月光のスペクトル

安い回折格子が手に入ったので、月光のスペクトルを記録してみた。固定器具無し、手で回折格子をレンズの前にかざし、もう一方の手でラフにピントを合わせただけの試し撮り。(手が3本欲しい...)まあまあ、きれいな連続スペクトルが撮れた。
左の白くて丸いのが月、右が月光のスペクトル分解。
シャッタースピード1/40秒での手取り。
回折格子は手でレンズの前に置いただけ。
(これは合成写真ではなく、本当にこういう風にファインダーに映る。)
回折格子は、月光に対して45度くらい傾けると、スペクトルが中心から外れたところに現れる。上の写真も、丸い月が見える箇所は、回折格子をそのまま真っすぐ通り抜けた光の成分に対応する。つまり回折せず、レンズにそのまま直進入射した月の光の成分。一方、右側のスペクトルは、回折格子で回折し、干渉した成分。ファインダーの中に、この二者を入れ、ピントを合わせたらシャッターを切るだけ。

月を撮影しないときは、右側を覗き込むようにレンズを向けるとよい。拡大したスペクトルを撮影することができる。
月のスペクトル。
残念ながら、暗線の構造までは見て取れない。これは多分ピント合わせの問題。

ちなみに、蛍光灯の光を分解すると、輝線スペクトルになっているのがよくわかる。メーカー毎、製品毎に色の混ぜ方が異なるそうだから、カタログをつくっておくと役に立つかもしれない。
ある蛍光灯の輝線スペクトル
白熱灯のオレンジ色を模した発色になっている。
そのため、赤系統の成分が多く含まれている。
この後、恒星のスペクトル分解に挑んだ。月が明るいので、東の空に輝くベガを見てみた。まず、月と同じように、レンズの前に回折格子を置いてみたが、これは失敗。対称が小さすぎるのである。そこで、A80Mfを持って来て、接眼レンズの像にかざしてみた。すると、細くて長いスペクトルが対物レンズの左右に広がった。しかし、これを撮影するのは大変で、焦点が合わなかったり、像がファインダーに入らなかったりで、うまく撮影できなかった。作戦を立てる必要有り。


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