説明書によるとシリコン半導体を用いたフォトダイオードを使って、γ線を電子正孔対(electron-hole pair)に変換し、その電流パルスを測定することで線量を推測するメカニズムだという。感度はゲルマニウムには劣るが、機構は同じだと思う。測定誤差は20%程度だそうで、検出最低値は0.05μSv/h。これを下回ると表示が点滅する。較正曲線ならぬ較正係数は、Cs-137のγ線源から求めたもので固定して、内臓のソフトウェアが計算し、その結果が表示される。
測定は、最初の30秒で平均値をまず算出し初期推定値を表示する。次に、最大2分程度かけて確定値を出す。この間は赤いランプが点滅する。確定値が出たその後は、10秒毎に平均値を補正していく。10秒間の間にたまたまγ線が混んで検出されると一時的に表示は驚く程高い値を示すが、時間が経つごとに変動するようなら収束していないので、「動きが止まるまで」待つ必要がある。この動きが止まるまでの見極めが結構難しいかもしれない。今日も随分大きな値が出たりしたが、これはアルゴリズムの問題だと思う。
さて、比較測定をJB4020を使ってやってみた。RAMIを適用し、30秒毎に両者の値を測定し、平均値をとる。収束したところで値を確定するという方法だ。
RAMIによる比較。 横軸は30秒毎の測定回数、縦軸は線量(μSv/h)。 |
Air counterは、0.05μSv/hより線量の高いところで使用した方がよいだろう。
Air counterの収束値が次第に上昇してしまう理由は、次のグラフを見るとよくわかる。平均値とともに、30秒毎の表示された値を重ねてプロットしたものだ。
変動するAir counterのリアルタイム表示(青いグラフ) |
せっかくいい検知器を作ったんだから、最後の詰めである計算アルゴリズムのところをもう少し丁寧に設計してもらいたかった。今のままだと、最初の30秒間が終わって確定値がでたところの値がもっとも信頼できるような気がする。測定の精度を上げたければ、そこでいったんリセットをかけて再び測定しなおし、これを数回繰り返すのがいいだろう。RAMI値が収束するまで繰り返せば、RAMIモドキのアルゴリズムとなって、平均値の揺らぎは小さくなると思われる。
さっそくやってみると次のようになった。全部で20回、リセットを押しては最初の確定値だけを記録し、その都度平均値を計算する。平均値が収束したかをチェックし、収束値を採用する。これはRAMIと同じ原理(ただし、時間が関係なくなるが。)ただし、一つだけ特別ルールを適用した。それは、確定値が0.05の点滅の場合は、0.04という値を充てることにした点。
Air Counter Sの結果の処理。 青い線が確定値の推移。赤い線が平均値。 |
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