大蔵公園の梅園 |
世田谷といえば、馬事公苑近くや、千歳台のスーパーなどで、高い線量が住民によって発見される事件があって大騒ぎになった。高所得層が多く、また意識の高い人が多く住むところだけあって、高価な計測器を持って付近を測ってくれる人がいるということだろう。脱原発を掲げた社民党の保坂氏を世田谷区町に選ぶあたりも、さすがに世田谷区民と思わせた。しかし、この世田谷区にもセシウム汚染は広がっている。
まずは、LB2045の結果を見てみよう。
大蔵公園(世田谷)の土壌のγ線スペクトル |
この数字はあまりあてにならないので、他の地域とスペクトルの高さを比較することで、相対放射能を見積もってみる事にしよう。どの地域も、LB2045によって500Bq/kg前後の値が算出された地域である。これも関西のスペクトルを引いた、差分スペクトルにしてある。
比較するのは、船橋(千葉)、川崎(神奈川)、北の丸、神保町(千代田区)、そして大蔵公園(世田谷)の5地点。最初の4地点のスペクトルは、ほぼぴったり重なる。それに比べて、大蔵公園のピークは低めに出ている。仮に、最初の4地点が500ベクレル/キロ程度だとすると、大蔵公園は200−300ベクレル/キロ程度に相当するだろう。汚染は弱めではあるが、しかし確実に存在している。これは、名古屋や信州佐久の「汚染は軽微かも」というのとは、まったく異なる意味での「弱い汚染」だ。
500Bq/kg前後と判定された場所のスペクトルの比較。 |
大蔵公園が汚染されているということは、そのすぐ南にある砧公園や馬事公苑も、きっと同様に汚染されているはずだ。これらの公園には小さな子供もたくさん遊びに来るし、多くの小学生がサッカーや野球をやって楽しんでいる。この公園で遊ぶ子供達は砂埃をなるべく吸わないように注意した方がいいだろう。
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