多摩川を臨む国分寺崖線に沿った地域には高級住宅がたくさんあるが、その一つが世田谷区の成城だろう。かつては大岡昇平が住み、そこでの暮らしや文壇批評などを随筆風に記して「成城日記」という本に残している。残念ながら、そこに登場する多くの店は最近無くなってしまった。駅の南口にあったマダムチャンや、大岡が八ヶ岳の別荘への行き帰りによくいったという和菓子屋(入間町の伊勢屋)も消えた。信州北御牧に移住した水上勉も成城に居を構えていた。今でも成城に住むのはノーベル文学賞を取った大江健三郎。反核、
反原発を押し進めている。「ヒロシマノート」は昔学部時代に読んだ。「沖縄ノート」はまだ読んでいないが、このあいだ本屋で買ってきて本棚に入れた。
作家以外にも俳優や歌手、所ジョージや大会社の社長などが住む高級住宅地の成城だが、セシウム汚染は貧富の差は関係ないはずだ。先日の大蔵公園のデータを見て、世田谷でもセシウム汚染は確実に存在しているのが明らかとなった。果たして、成城はどうだろうか?他の地点と重ねて結果を示す。
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成城など東京の西部の土壌スペクトル |
成城のプロファイルは、大蔵公園のそれと瓜二つだ。どうやら、世田谷の国分寺崖線に沿った辺りの汚染レベルはこの程度なのであろう。だいたい300Bq/kg程度の弱い汚染だと思う。セシウム三兄弟のピーク構造ははっきりしているから、成城も確かに放射能汚染されている。とはいえ、その汚染度合いは川崎や町田の汚染より低いような気がする。小田急に乗って世田谷区からどんどん西へ行けば行く程、汚染がより深刻になっているような感じだ。セシウムも貧富の差を気にして土を汚染したのだろうか?
そもそも、上野や本郷のひどい汚染地帯から離れるのだから、西に移動すれば次第に汚染は軽微になっていくだろうと思っていた。それだけに、この意外な結果には驚いた。なにが理由なのだろう?また、その法則性はどんなものだろうか?新たな疑問が浮かんで来た。
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