2009年1月11日日曜日

寒波


クリスマスの頃から、毎日氷点下の日が続く。今週なぞは、お昼過ぎになっても零下のままという、とてもイギリスとは思えないような真冬日が連続している。地中海沿岸のマルセイユで雪が降ったとか、東欧で凍死者が出たとか、寒い報道が相次ぎ、どうやらヨーロッパ全域が寒波に覆われている様相。昼間になっても樹氷が残るのは、イギリスに住んで10年近く経つが初めてのことである。そういえば、ニュースでも10年ぶりの寒さだ、といっていたから、辻褄があう。玄関先の植木についた樹氷を観察してみると、きれいな氷の結晶の粒が一次元的に伸びて、ハリネズミのようになっていた。



近くの公園(といっても広大な原野だが)の樹氷がきれいだったので、写真を撮りにいってみた。考える事は皆同じようで、一眼レフを首から下げたおじさんや、バシャバシャとデジカメのシャッターを切る子供たちなど、いつもに比べて多くの人が、カメラを持ってやってきていた。車の温度計をみると−2度だった(午後2時半)。靄がまいていて、空気が冷たい。

ふと、この間実家に電話したとき、母親が「こっちは−10度だよ」といっていたのを思い出した。−2度なんて実は結構暖かく感じなくてならないはずなのに。子供の頃は−20度の環境でスケートとか雪合戦とか毎日やっていたはずである。やっぱり、絶対値というより、相対値の変動幅が人間の感覚には強く効いてくるのか?それとも、じじいになってステテコが恋しくなるような「年頃」についになってしまったのか?答えは実家に戻ればわかるであろう。