2020年10月19日月曜日

調布の「外環工事現場付近」で道路陥没事故

外環は練馬(大泉学園)で止まっている。住民の反対運動などがあって、なかなか南下できなかったのである。

しかし、代々の都知事が慎重にことを運んでいた外環の南延工事を、石原前都知事が強引に開始する。自分の名前を歴史に刻みたかったのは明らかで、そのために多くの人が不幸になる可能性については全く考慮しなかった。

反対運動がすぐに始まった。一番の危惧は、善福寺、井の頭など、国分寺崖線やその周辺に湧き出る泉が、大深度地下工事のせいで枯れてしまうのではないか、という環境破壊への懸念であった。成城の「三ツ池の森」のすぐ下を掘ることが明らかになった時は、世田谷の人々も一時期反対に回ったこともあった。外環と東名が合流するJCTは、砧公園の南に設定され、現在すでにかなりの工事が進んでいる。実は、ここ(住所は世田谷区大蔵になると思うが、喜多見や鎌田、岡本といった複数の地域に接する複雑な場所)はかつての産業廃棄物の廃棄場になっていて、工事が始まり地下を掘り出した当初に、有害物質がかなり出てきて問題になったのだが、いつのまにか反対運動は立ち消えになった。

しかし、反対運動は細々と続いているようだ。調べてみると、シールドマシンが起動してから、騒音や振動による損害の問題が色々と発生しているようである。

gaikan.sblo.jp

先日、「そういえば外環工事の問題はどうなったんだろう?最近、話を聞かないな」と思っていたのだが、今日のニュースで、調布市つつじヶ丘で道路が陥没した、という報道を聞き、問題がまだ終わっていないことを再確認した。地域住民の戦いは続いていたのだった。

www.news24.jp

道路陥没は公共物だからニュースになりやすいが、おそらく個人住宅の中には振動による破損や、建物の傾き、地盤沈下などが多数発生しているのではないか?こういうニュースをわかりやすく届けてくれるのが本来のメディアだと思うのだが、日本のメディアは政府機関に忖度するような状態になってしまい、なかなか真実が届きにくくなっている。人々は直接情報を交換し、メディアに頼らないやり方で、目を見開いていないといけなくなった。

2020年10月18日日曜日

ISSの追跡

未来少年コナンに登場した、太陽エネルギーを地上へ送信する人工衛星のシーンは、子供心に強い感銘を感じた。 しかし、まさかいずれ、ああいう人工衛星のトラッキングシステムを自分自身でモニターできる日がくるとは思わなかった。

その一つが、国際宇宙ステーション(ISS)のトラッキングシステムのサービスである。これはNASAが提供しているものである。

spotthestation.nasa.gov

これはPCのスクリーン中でISSの位置を確認するのみならず、自分の住む地方で、実際に自分の目でISSを確認したいときにも、利用できるシステムである。例えば、東京でISSを実際に観測したい場合は、単に"Tokyo"と検索ウィンドウに打ち込みたいところだが、世界には意外にもたくさんの"Tokyo"があることを知ることになるだろう...(実際には、検索システムが弱くて、スペルが似た街も選ばれてしまうらしいようである。Mumbai, Indiaなども、なぜか選択肢に引っかかってくる....)。時間を節約したいなら、"Tokyo, JPN"と打ち込むのがいいだろう。

ほぼ、毎日観測できるが、早朝だったり、深夜だったりするので、自分の好きな時間帯に合うものを見つけよう。たとえば、私は春先の夕方6時頃に観測を試みて成功した!角度は25度くらいあると、神社の高い木の上辺りに見える。60度などはかなり高い場所に見えるだろう。また、観測継続時間も確認しておこう。長いものだと、6分近く観測できる。これは、太陽光を反射して光るISSならではの事情である。地球の裏側に回ってしまい、太陽の光が届かなくなると、ISSは夜空から消えてしまう。自分のいる場所がちょうど良い場所だと、ISSの反射光が長い間続くのだ。

方角を定め、時計を眺めながら、「10秒前....5,4,3,2,1...来た!」などと、コナンのあのシーンのような感動をISSを使って体験することができる。予想以上に明るく、速く移動するので、写真を撮るときは事前に周到な準備をしておくとよいだろう。


未来少年コナンのギガント

本日は「ギガント」の回がNHKで深夜に放映される。最後の山場で、非常に楽しみにしている。

未来少年コナンに出てくるメカニックは、宮崎駿氏のデザインだと思うが、部屋に飾るのにちょうどいいと思い、いろいろ調べてみた。まずは、日本アニメーションから発売されている、(画用紙で作る)ロボノイドが見つかった。

www.team-strike.com

他にも、プラモデル版のロボノイドも見つけた。



ちょっと、高めなのですぐに手は出ないが、いずれは欲しいと思うおもちゃである。

2020年10月17日土曜日

NHKの未来少年コナンの再放送

なぜか、日曜の深夜(日付が変わって月曜の深夜というべきか?)の時間帯で、未来少年コナンが再放送されている。そもそも、子供向けのアニメーションだったはずだが、今時の子供はもう興味を示さないと言うのだろうか?もちろん、40年前の「子供たち」は、いまでも熱心にこのアニメーションをみるだろう(私もその一人である)。

今回の再放送では第一回は見逃した(ずいぶん前に、衛星放送でキャプテンヒューチャーが再放送されたとき、最終回の3回前に気づいたのに比べればかなりましだが!)。第2回目はなぜか偶然見た。それ以来、毎週楽しみにしているのだが、最初に見た時の「赤色」の鮮やかさは昔見た画質とは明らかに違うもので、非常に驚いた。オープニングの、街が火に飲み込まれるシーンの赤色や、ラナの赤い服、歌の最後の夕焼けの赤などが非常に印象的で、この「デジタルリマスター版」に引き込まれた理由の一つとなった。

数週間見続けた後、突然、画面の比率のことが気になった。昔のテレビに合わせて作ったこのアニメーションであるから、横長の最近のテレビで放映すれば横に隙間ができるはずだ。しかし、今回の再放送では隙間なく、ちょうど画面に収まっている。こういうとき、よくあるのが「切り取り」である。今、ネットで日本アニメーションが未来少年コナンのオリジナル版の動画を公開している。

NHKの再放送の放映回に合わせてエピソードを公開しているので、画像を比べてみると、やはり「頭が切れている」ことがわかった。宮崎駿の「縦方向」のアニメーションは、上下の隙間を存分に使いこなすわけだが、横長の画面に合わせて切り取ってしまったせいで、頭が不自然に切り取られ、ダイナミックさが失われているような気がした。しかし、もともとの出来がいいから、こういう瑣末はあまり気にしなくていいだろう。だいたい、5、6週間経つまで、この違和感には気がつかなかったわけだから。

今回の再放送を見ていて、初めて気が付いたことがある。第20話「再びインダストリアへ」から第24話「太陽塔」までが、時間的につながった話だということだ。第24話は先週放映されたばかりだが、この点に注目しながら見ると、とてもおもしろかった。

第20話では、ハイハーバーを午前中(朝?)出発する。青空に向かってフライングマシーンが一直線に飛び立つシーンに、鳥肌が立ったのを昨日のことのように思い出す。マシーン内で機内食を準備し、味わうシーンがとてもいい。コーヒーもうまそうだ。さすが食事のシーンを描かせたら宮崎駿はピカイチである!インダストリアに侵入したのが、夕方である。ハイハーバーとインダストリアの距離感がなんとなくわかる。薄暮の中、ガンシップと一騎打ちとなる。話は21話に移る。

第21話「地下の住民たち」の冒頭で、モンスリーとコナンを乗せたフライングマシーンは撃墜され墜落、二人は捕まる。時間が少しずつ経過し、あたりが暗くなっている。ラナ、ジムシー、ダイスは、地下街へ入り込むため、時間の経過がわかりにくくなる。捕まったコナンが、モンスリーの助けによって、窓から飛び降りるシーンは、夜中になっている。三角塔の窓明りが、暗い夜空に点々と光る様子が印象的だ。(この回の絵コンテは、富野由悠季氏が手がけたことでも有名である。)

第22話「救出」の冒頭は、前回の最後の繰り返しである。モンスリーが盾となってコナンを守る。銃声が聞こえた後、コナンは窓から飛び降り脱出に成功する。撃たれたモンスリーが廊下に倒れるシーンも夜中である。コナンは、夜闇の中、地下街へと侵入する。しかし、爆発に巻き込まれ、流水に飲まれて、地下の深くへと流される。この段階で、全員が地下街に入ってしまい、時間の経過が不明となる。

水攻めに苦しむ地下の住民たちを救うため、ラナは自ら捕虜になることを選ぶ。ラナは(ラオ博士が捕らえられている)三角塔の上階へ連れていかれるが、住民たちは装甲シャッターの下に閉じ込められる。コナンが、ダイスとジムシーと合流し、トロッコを被って、水中行進を試みるシーンは、ギガントの翼をかけるシーンや、磁力手枷をつけたまま水中に沈没するシーンと並んで、傑作だと思う。個人的にはダイスが躓く2度のシーンが好きである。

ラオ博士に太陽エネルギー復活を協力させるために、ラナは一本橋の拷問にかけられる。ラナが空中にせり出していく時、地平線が朱色に染まる。実は長年、このシーンを「夕方」だと思っていたのだが、これまでの経緯を考えると、 「夜明け」と見るべきであることに初めて気がついた。地下の住民たちが水責めで苦しめられていたシーンは、徹夜での奮闘だったのだ。今回のこの「発見」により、宮崎駿のアニメーションにはまだまだ「隠れた伏線」というのがたくさんあるんじゃないか、と思った。コナンたちが、酸素切れとなったトロッコを放棄し、最後の酸素を使って入り口目指して必死に泳いでいたのも、夜明けであったのだ。だから、出口が明るく遠くに見えたのである。

外界に出たコナンたちは、夜明けを待って銃殺されることになっていたモンスリーの処刑場に偶然出る。このあたりも、時間の流れに注意すると、モンスリーの夜通しの苦しみが想像でき、より面白さが増す。モンスリーを助け、三角塔を目指して走り出すのも夜明けである。空中の一本橋で墜落の恐怖と闘いながら、左右前後に揺れるラナを下から見つけたコナンは、ラナをめがけて駆け出す。これも夜明けのシーンだったのである。

第23話「太陽塔」。そして、ついに太陽塔のレプカを追い出すことに成功する。レプカが逃げ出すのは、鏡の集光アンテナに置かれたラオ博士のフライングマシーンだった。鏡に青空が写り、ウユニ塩湖のような景色広がる。日が昇り、日中になったことがわかる。フライングマシーンが墜落するシーンも、青空が背景であった。その後、ラオ博士の指揮による衛星の復活作業のシーンが続く。屋内のシーンであるが、時間がかかる様子が想像できる。というのも、最終段階になったとき、コナンたち全員が夜の帳が下りた三角塔の屋上に集まっているシーンへと変わるからだ。1日が過ぎ夜になったことがわかる。満点の夜空に動く「星」が現れる。真上に来た時、太陽エネルギーのビームが三角塔めがけて降臨する。三角塔に明かりがつく。暗かった夜の風景が、人口の光によって照らし出される。エスカレーターや動く廊下、イリュージョンの部屋など、テクノロジーの復活のシーンの後、屋上に出た一行は、再び夜明けを見る。明るくなり始めたところへダイスがやってきて、沈没船の引き上げのためコナンたちはサルベージ船に向かうことが告げられる。朝日の中、3人が走って港へ向かう。こうして、ハイハーバーを出発してまる2日間の大冒険のシーンが終わる。

時間の流れが連続的であることに気をつけて見ると、非常に緊迫した、盛りだくさんの山場のシーンであることがわかり、新たな面白さを感じることができた。特に第22話「救出」は、わずか30分の放映なのに、60分、あるいは120分近くの長さに感じられるほど、充実している。

明日は、ついに最後の山場の山場である、「ギガント」の回である。決着は、来週の「インダストリアの最期」につくから、2回分のエピソードになる。非常に楽しみである!


2019年1月30日水曜日

ポストスクリプトのプログラミング(5) : runコマンドの問題と利用

Postscriptはプログラミング言語であることを、ずっと前に取り上げた。一通り幾何学模様を描いて遊んでみた後、基本部分はマスターできたと思う。最近は、幾何学の問題を解くときにときどき利用している程度だったが、パワーポイントやキーノートで図形を描くのはストレスが溜まる作業だということがわかったので、思い切ってpostscriptsで図形作成をすべてやってみる方向に切り替えることにした。そもそも、プログラミングというのはうまくいったら楽しいし、また、うまくいったプログラムは再利用できるから、最初は大変だが、だんだん楽になっていくという利点もある。

ということで、今回は、プログラム(リソース)の再利用、 つまりライブラリと呼ばれるものを使う方法を採用しようと考えた。いろいろ調べてみると、runというコマンドが使えることがわかった。これについては、後で詳述することにして、まずはrunを使うことになった経緯について述べておく。



Postscriptには「関数」という概念がない。その代わりに、procedure(「手続き」と訳している人もいる)という、コマンドのまとまりを再定義する方法を利用する。ただ、procedureへの変数の受け渡しは定義されてない。たとえば、円を2つ書くコマンドをdarc(=="double arc")というprocedureにまとめる方法は、

/darc {
  x0 y0 r0 0 360 arc
  x1 y1 r1 0 360 arc
} def

とする。こうすると、procedureである"double_circle"が定義される。

では、このprocedureの中で定義されている「変数」x0, y0, ...などはどうやって渡すのか、というと、スタックを利用するのだ。たとえば、procedureの定義において、

/darc {
 /r1 exch def
 /y1 exch def
 /x1 exch def
 /r0 exch def
 /y0 exch def
 /x0 exch def

 x0 y0 r0 0 360 arc
 x1 y1 r1 0 360 arc
} def

という具合に、スタックからデータを受け取るコマンドを書き込む。注意するのは、取り込む順番だ。このprocedureを使う段になって、

0 1 5 10 12 7 darc

とやると、(x0, y0, r0, x1, y1, r1)=(0, 1, 5, 10, 12, 7)という対応でprocedureに取り込まれる。procedureの中では、7, 12, 10, 5, 1, 0という順番でスタックの取り込みが行われるので、r1, y1, x1, y0, y0, x0の順番で「変数」を定義する。

このように、procedureをたくさん定義しておけば、次にプログラムを書くときに、それを再利用することができる。しかし、ファイルの中に長々とcut&pasteするのは、見栄えと読みやすさを犠牲にする。一般のプログラミング言語のようにライブラリにまとめて一括読み取りができると便利だ。例えば、C言語の#includeとか、LaTeXのusepackageみたいな機能だ。

Postscriptに関する古い解説文書を読むと、この機能に対応するのは"run"だと書いてある。たとえば、先ほどのdarcのprocedureを別のファイルdarc.psに書いておき、それを新しいファイルappli_darc.psで再利用するときは、appli_darc.psの中で、

(darc.ps) run

とすれば、darc.psの内容がappli_darc.psで再利用できるというわけだ。



ところが、この手法を用いてmacOSで、appli_darc.psをopenすると、エラーが発生して読み込むことができない。書式が悪いのか、読み込みの定義が間違っていたのか、といろいろと疑ってみたが、どうもどこもおかしくない。長いこと検索してみると、ついにこの問題の核心をついていると思われるdiscussionを見つけることができた。

この議論で引用されているMITの元記事はリンク切れしていて読めなかったが、こちらのページで内容は大体わかった。ghostscriptの脆弱性(vulnerability)が、2018年8月にgoogleのエンジニアによって発見されたという内容だ。

結局、runコマンドによって外部ファイルを読み込めるようにしてしまうと、悪意のあるコードや命令を埋め込まれてしまうという内容だ。これを受けて、macOSのpreviewや、Adobeシステムの製品では、runを含むpsファイルはエラーが出るように修正されている、ということらしい。

天体観測の画像処理などでもよく利用するImage Magickもgsのライブラリを利用しているので、同じ脆弱性をはらんでいるそうだ。パッチが公開されているらしい。

ただ、macOSにデフォルトで入っているgsコマンドを利用すれば、runを含むposgtscriptファイルを実行することがは可能である、とdiscussionに書いてあった。そこで、試してみるとちゃんとrunコマンドが動くことが確認できた。

また、ps2pdf -dNOSAFERでもrun付きpsファイルをpdfに変換することができる。ちょっと手間だが、ps2pdf -dNOSAFER ps_with_run.ps; open ps_with_run.pdfと打ち込むか、次にようなbashスクリプトを書いて(psviewと命名し、chmod 755 psviewとしておく)、利用すればよい。

[psview]

#!/bin/bash

if [ $# -eq 1 ]; then
  fname=`head -1 $1.ps`
  if [ ${fname} == "%!PS-Adobe-3.0" -o ${fname} == "%!PS-adobe-3.0" ]; then
      ps2pdf -dNOSAFER $1.ps; open -a preview $1.pdf
      exit 1
  else 
      echo "Error. File must be of Postscript."
      exit 0
  fi
  exit 1
fi

cat << __EOF__
The argument must be the name of the postscript file 
to be processed with ghostview, and to be opened with preview.
__EOF__

exit 0

runコマンドのvulnerabilityがあることを認識し、あくまでpsviewで開くのは自作のpostscriptファイルだけとわきまえておけば、これでrunを利用した自作のprocedureのライブラリを使ってプログラム群を構築することができる!
 

2019年1月17日木曜日

ダイナブックを買うのはやめた

ダイナブックの役員に柳瀬 唯夫 元首相秘書官が就任した、という報道が東京新聞に載っていた。

改めて言う必要もないだろうが、改めて言っておこう。柳瀬氏は首相からの指示を受け、安倍総理大臣の親友が経営する「加計学園」が新たに設置を狙った獣医学部の許認可を巡り、「総理大臣の友達だから」という私的な理由で便宜を図り、愛媛県に「設立許可を出すよう働きかけ」を行った疑いがあるとして、国会で追及を受けた人物である。

この汚職疑惑に関して、国会は真実をあぶり出すことはできず、柳瀬氏は知らない間に担当の職を辞し、経済産業省の要職を渡り歩きながら、最後は「天下り」で合浦李という官僚にとっての「ゴールデンロード」を歩くことになった。心の浅瀬からお祝い申し上げたい。

ところで、ダイナブックといえばラップトップパソコンの代名詞であり、東芝が先鞭を付けたPCのポータブル化への世界的な出発点となった製品だ。 世界をリードしていたといってよい。それが、業績不振や東芝の不正会計の問題のあおりを受けて、昨年東芝のPC部門はすべてシャープに売却された。シャープ自体も、台湾の企業に買収されていることを考えると、日本の電子産業、電気機器業界は惨めな限りである。

柳瀬氏がどうしてダイナブックの非常勤取締役になれるのであろうか?wikipediaを見ると、彼は長らく経済産業省で原発政策を推進してきた人物だという。 東芝はながらく原発事業を推進してきたが、最近、買収したアメリカのWH社の事業破綻に伴い、東芝の本体が傾いてしまうほどの「大穴」を開けてしまった。こんな沈没船に対し、いまさら原発仲間のコネを使って、しかも売り渡したSharp-Dynabookへ天下りなどできるのであろうか?もしできるのだとしたら、病気の猫から血を搾り取るダニかノミのように思えるが、本当のところはわからない。

私もダイナブックをこれまでに3、4台買っているし、現役でも一つ使っているので、ある意味「ダイナブックファン」である(VAIOは一台も買ったことがない)。サポートのために登録していたのだが、東芝のPC事業が落ち目となった3、4年前に、突然東芝から手紙が送られてきて、「サポート事業を中国の会社に売却するので、あなたの個人データを中国の会社に渡すことになったがよいか?」と言われたので非常に驚いたことがある。あのときは、ダイナブックはもうダメか、と非常に落胆したのだが、シャープに売却となって少しは安堵していたのである。

しかし、今回の報道を受けて、新しい「シャープのダイナブック」から購入するのはもうやめることにした。(古いのは使い続けます。)

一方で、興味が出てきたのがVAIOである。最近のソニーの製品をみると、昔の輝きをすこしずつ取り戻しているような気がする。もちろん、ソニーもVAIOを切り離してしまったが、独立した先でよく頑張っていると思う。個人的には、ソニーがRaspberry PIを製造を引き受けているという点も、高評価につながっている。

落ち目の日本経済を救ってくれそうなのは、ソニーとアイリスオーヤマになるのだろうか、と現在注目している。(個人的には、アイリスオーヤマの製品は嫌いなので、あまり購入したことはないのですが。)

2019年1月16日水曜日

人工流れ星:ALEの挑戦

明日、1/17に鹿児島の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ予定だったイプシロン4号機の打ち上げは、1/18の朝に打ち上げ延期となったそうだが、この三段式固体燃料ロケットは今回複数の衛星を打ち上げる予定で、その一つにALEという民間会社が製作した「人工流れ星発生衛星」が含まれている。

ALE...ビールの種類だとおもったらそうではなく、Astro Live Experiencesという会社名の省略だという。この会社は 「人工流れ星」を作り出して、花火のようなお祭り企画を売りモノにしたいと考えている。

筋金入りの天文ファンには、こういう「偽物」は非常に評判が悪いようだが、一般の人にはずいぶん好意的に受け入れられているようだ。国内外のメディアでも最近しきりに紹介されている(もちろん、これはこの会社のプロモーション部門の売り込みなんだろうが)。

ただ、技術的にはちょっと興味がある。まず、流れ星の中身は、様々な重金属を練りこんだ鉄球だと思う。花火と同じように炎色反応を応用しているはずだ。ALEによると、赤い流れ星、緑の流れ星、など様々な色をデザインできるようだ。次に、狙いの上空に流れ星を流すには、衛星の姿勢制御を精密に行う必要がある。説明によると、これは恒星の位置を観測し、それをもとに計算して角度や位置を割り出すそうである。これはなかなか面白いシステムだと思う。GPSとかは使わないのが、"Astro"っぽい感じでいい。

打ち上げはうまくいくだろうが、試練はその後にまっているはずだ。というのも、衛星から物体を打ち出す、つまり投げ捨てる わけだから、地球をすでに回っている既存の衛星、特にISSにとってみたら、とんでもない話である。したがって、国際的な協議の結果、この流れ星衛星はずいぶん軌道高度を下げて運用するように要請されているらしい。したがって、イプシロンが衛星を投入する高度は結構高いだろうから、なんらかの方法で、地球に向かって高度を下げる運転が必要となる。

昔、ザクとガンダムが地球上空で戦闘を行なった際、少佐の部下クラウンは無残にも大気との摩擦で燃え尽きた。 スペースシャトル、コロンビアも大気圏突入に失敗し、大破した。だいたい、ハヤブサだって燃え尽きた。重力とのバランスをとりながら、少しずつ高度を落とすのは意外に難しいのではないだろうか?

次の試練は姿勢制御だろう。3つほどバランスコントローラーが付いているらしいが、一つでも壊れたら運用停止するようJAXAやNASAから求められているらしい。それはそうだ。鉄球の行き先が制御できないようでは、恐ろしくておちおち寝てもいられない。広島の上空に流すつもりが、平壌や北京の上空に落としてしまったら、第三次世界大戦の火蓋を切るロケットが飛んでくる可能性だってある。ここが一番の正念場になるはずだ。

もちろん、打ち上げの衝撃で、弾丸発射装置(銃?)の故障なども考えられる。

成功を祈る。