2010年10月31日日曜日

iPad 16GB WiFiを購入

iPad 16GB WiFiモデルを買った。

実はiPadはOS X 10.5以上でないと動かないのだ。私のマシンはPowerMac G5だから、当然OSは10.4のTigerであり、このままではiPadは無意味な機器だ。「もしかすると動くかも」と思って繋いでみたが、G5のiTuneは「こりゃだめですな」と軟弱なメッセージを戸惑いもせず吐いた。予想通りとはいえ、この「態度」にちょっと「ムカついた」。

しかたなく、Phenom II (x6)マシンに入れておいたWindows 7で動かしてみる事にした。まずは、Windows版のiTuneやSafariをインストールする。幾つかpodcastやApplicationをダウンロードしておく。ちなみに、iPod touchで既に購入したアプリは無料で再度ダウンロードできるようだ。これはいいと思った。 再購入する必要がある。(実は一月後に請求書が来た...がっくり。)さて、iPadをつなぐと早速同期が始まり使用可能となる。

まずは、google mapを動かしてみた。感想は「おー、画面が大きいってやっぱりいいね」であった。昨年アメリカ人の友人とハワイの学会で会った時、「ここに来る前は、『ハワイ、ハワイってみんなはしゃぎ過ぎじゃないか?結局青い空、青い海ってだけだろ』、って言ってたんだが、やっぱり実際自分の目で見ると、『おーハワイだよ!海が青いよ!空が青いよ!』ってなっちゃったね。」と言ってたのを思い出した。まさにiPadの大画面がそれで、iPod touchの小さな画面でマップ検索するよりずっと気持ちがよかった。同様に、podcastや写真も見るのも、iPadなら、より楽しい。

しかし、気に入らない点がたくさんあった。まずは、video podcastの扱い。なぜか、iTune経由でダウンロードしたNASA JPLなどのビデオはiPadにダウンロードできない。ダウンロードするには、iPadから直接操作してダウンロードしなくてはいけない。iTuneに繋がないと動かない設計にしてあるのに、このデザインの悪さはなんだ!このからくりがわかるまで30分無駄にした。

次に、 アプリの多くがiPod touchと共通に使用できるのはよいのだが、それをiPadで使用すると、iPod touchの大きさに画面が切り取られてしまうのだ。あたかも、ハイビジョンテレビで、昔の番組を見ている様に、画面の脇の部分に、黒い帯状の領域が余ってしまうのである.せっかくの「大画面」がこれでは台無しだ。

まだまだ、いろいろ文句はあるが、一番言いたいのは、ビデオ出力の制限。電気屋のすすめでVGAアダプタを購入したので、PCモニターや液晶プロジェクタにVGA出力できるはずなのだが、それができるアプリに制限がある。知っている範囲では、iTuneのビデオと写真だけだ。たとえば、月面地図のアプリを購入しても、これをスクリーンに映してみることはできない。アップルは、iPadを携帯用のプレゼン機器にしたくないようだ。わざとこういう仕様にしているように感じる。つまり、携帯用の情報reader(例えば、iBookでpdfを読むとか)の用途に限ってご使用ください、という訳だ。ちょっと、おせっかいがキツい気がして「ムカつく」。

しかし、まだ買ってから一日である。思いもしないようないいアプリが見つかれば、使い道も広がるかもしれない。とはいえ、iPadはしばらくお休みにして、iPod touchの研鑽にまた戻ろうと思ってしまった。

2010年10月30日土曜日

台風の中、丸の内へ

仕事の関係で、台風の中、丸の内へ出かける。La Boutique de Joel Robuchon(カフェ)でお昼を食べる。アンチョビーのキッシュと、カボチャ入りのカレーパン。なかなかおいしかった。台風の雨降るなか、暗い土曜の丸の内は、人通りも少なく静かで、なかなか居心地がよかった。同じ様に思った人がいたようで、本を読んだり、勉強をしたりと、この店でゆっくりしている人が結構いた。

台風は空振りだったようで、夕方には雨はほとんど止んでいた。しかし、風は結構強いのが時折吹いた。

野分の丸の内にて詠める:
雨だれの響く野分の土曜かな

2010年10月29日金曜日

Fedora 13へのアップグレード、および Intel Fortran Compilerのインストール

Fedora 13のインストールディスクは、今までのインストールディスクと構造が異なっていた。最初にLive CD、つまりOSを動かすのに必要部分だけ(カーネルイメージなど)をCDからメモリに直接ロードして、残りのファイルは必要な分だけを逐次CDから読み出すことでLinuxを動かしてしまうという、いってみれば「お試し版」が最初に起動するようになっている。使ってみて気に入ったらインストール本番が始まる、という訳だ。デスクトップ上の「HDDへのファイルの書き出し」というアイコンをクリックすると、いわゆる「インストール」が始まる。Fedora 12からのアップグレードだったので、ものの数分でインストールは終了。

次に、Intel Fortran Compilerをインストールする。あたらしいFedoraの識別ができないが、それは無視してドンドン先へ進んでしまえば、インストール終了となる。いろいろ前準備としてダウンロードすべきライブラリや、設定ファイルの変更などは必要だが、インストーラーが文句を言ってくれるので、それを解消するように手順を踏めば問題は生じない。

さて、最後はいよいよCPUのベンチマーク (Phenom II x6 1090T)だ。

AMD Phenom II x6 1090T の数値計算ベンチマーク

これでようやく、数値計算ベンチマークの一つであるfMarkを走らせて、AMD Phenom II x6 1090T (Black Edition)がどの程度速いのか測定することができる。コンパイラはもちろんIntel Fortran Compiler (IFC)を使用する。ただし、今回は1コアだけにプログラムを走らせて測定することにする。

ちなみに、Phenom II x6 1090T (Black Edition)は、AMDのPC用CPUラインアップの最高峰にあるモデルで、動作周波数3.2GHz、TDP125Wで、CPUの動作倍率が変更可能な設計になっている。

参考までに、Core i7-870のfmark測定値は60弱だった。IFCのコンパイルオプションは-xSSE4.2 -fastとした。またCore 2 duoのfmark測定値は20強だった。(つまり、i7-870の1/3のスピードということである。)これほど遅い主な理由は、後者のCPUはSSE4.1までの命令しか使えないからであろう。

さて、注目の6-core Phenom IIだが、そのfmark値は30弱であった。i7-870の半分しか行かないとは!正直がっかりした。実は、Phenom IIは、core 2 duoと同じで、SSE4.1までの命令しか使えない。「CPUを設計した本人が、その機能を最大限に生かせるコンパイラをも作ってしまうんだから、AMDがIntelに勝つのはかなり難しいな」というのがこの結果の感想。

それにしても、SSE4.1とSSE4.2の差が2倍以上もあるというのは驚きだ。おそらく、その差はベクトル化関連の命令でついていると思われる。というのは、結果を見ると、行列演算などで大きな差が出たからだ。一方、同じSSE4.1で走らせたCore 2 duoとPhenom IIを比べると、後者の方が1.5倍速い結果となった。2年前なら、この結果をみて「AMDに即時移行」ということになったのであろうが、今となっては「遅かりし」である。

つぎに、Crosshair IV formulaの自動OverClockボタンを押し、BIOSで「Extreme OC」を選択して、再度Phenom IIの測定を行った。若干の改善があったものの、その結果はfmark値にして35弱であった。手動でOCすると多少は改善するかもしれないが、60という値には到底届かないだろう。再度がっかり、というより、がっくり。このマシンでOCをやる気が完全に失せた。

冷静に考え直すと、SSEの差に加え、AMDではあまりTurbo倍率が大きくないというのも問題になっているような気がしてきた。i7/i5 (Lynnfield)のTBTはかなり挑戦的な倍率だったのに比べると、非常に残念な設定だ。この比率をいじれるBIOSやマザーボードがあればまだやる気が湧くんだが。

せっかく6 coreもあるのに、この性能ではなかなか買う気にならない。4 coreだとしても、i7-870を2つ買った方が、はるかに高速なシステムを、それなりに安価な価格で構築できるような気がする。

次の目標としては、並列計算をやらせてどういう結果になるか見てみたいとは思うのだが、Phenom II (x6)に関してはもうやる気がかなり削がれてしまったので、実際やるのはちょっと先のことになるだろう。AMDが、数値計算用途でIntelに勝つためには、Phenom II対応の自前コンパイラを開発する必要があろう。それまでは、Intel core i7/i5とIFCのコンビネーションは数値計算においては最強であり、しばらくはAMDの付け入る余地はほとんどないだろう。

2010年10月28日木曜日

kernelの再構築

Crosshair IV formulaのNIC(Marvel Yukon 88E8059)が、Fedora12のオリジナルカーネルでは認識できないことが判明し、なんとか手を打たなければ成らなくなったが、その対策として3つの方法を考えた。


その(1)である「カーネルのアップグレード」をまず試みた。kernelは2.6.36(安定版の最新版)を選択。このページを参考にして、makeをいくつか繰り返す。コンパイルは成功。grubの設定をして、リブートしてみる。結果は起動失敗。(mkinitrdというimgファイルを作成するコマンドがFedora 12のデフォルトに含まれてないので、外からもってきたのだが、それでもうまくいかなかった。)


他の環境でコンパイルしたものをもってきたり、いろいろ試したが結局すべて失敗。ここまでで、一週間も使ってしまた。そこで(2)の方法に移ろう、と思ったのだが今週は忙しくて新宿/秋葉原にいく時間がない。しかたないので、(3)Fedora13へのアップデートを試みる事にした。

2010年10月23日土曜日

新しいMacBook Airを買うか、買わざるか?

同僚と、iPadをどうやって講義で使うかについて議論していたとき、MacBook Airの新型が発売された、というニュースが飛び込んできた。一見したところものすごく薄くて、「ようやく、真の軽量MacBookが出たか!」と期待した。さっそく、重さをチェックしたら...

1.06 kgであった。微妙な所、というべきだろうか。スペックを見てみる。HDDがない。SSDに完全に置き換えてしまった。軽い訳だ。HDDと比べると少なめの64GB。うーむ。
ちなみに、Dynabook SS RX2/T7J(2009年型)は、デフォルトで1.09kg,軽量バッテリーパックで0.97kgである。HDDを積んでいるにも関わらずである。ちなみに容量は250GB、とAirの4倍。また、この年に出た、同じDynabook SS RX2ファミリーの中にあるSSDモデルは978g/858g(デフォルト/軽量バッテリーパック)となっていて、Airより軽い。またSSDの容量も128GBと、Airの2倍である。ただし、値段が両者ともかなり張るが....
Appleの説明ビデオをみると、SSDにしてスペースを節約できた分をバッテリーに回し、従来のAirより長時間駆動を可能にしたそうである。それはいいことなんだが、他のマシンと比べると半分程度しかなく、かなり見劣りする。やはり筐体が薄すぎるため、バッテリーの絶対体積がかなり小さいということだろう。また、バッテリーを増やすと重くなってしまうから、駆動時間を犠牲にしてしまった感が多少ある。
ちなみに、Airは5時間駆動、Dynabook SS RX2/T7Jは12時間/6時間(デフォルト/軽量パック)。AirはSSDでなかったら使い物にならなかったということか?
そして、DVD/CDドライブが付いてない。無線で他のマシンのものを拝借するか、外付けの別売りを買うんだそう。これは大きなマイナスになりうる。(もちろん使い方にもよるが。)
ちなみに、Dynabook SS RX2/T7JはDVD/スーパーマルチドライブがついている!極薄さは世界最小とのこと。実際、これで昨年はDynabookを買うことに決めたのであった。
しめて、9万円弱。この値段はすばらしいと思う。
ちなみに、Dynabook SS RX2/T7Jは22万円....ちょっと高くて、すぐに買う気にはなれなかった。性能がいいんだから、と自分に言い聞かせる必要があった。それからSSDモデルは27万円。いくら軽いとはいえ、これではちょっと手が出しにくい。まあ、2010年モデルでは随分改良されているとは思うが。しかし、SONYの今年のVAIOはもっと軽くて、もっと薄くて、値段も安い(Atom, SSD, 14万)。見た瞬間、驚いた。
買うのか、それとも、買わないか?
とりあえずは、年末までに9万円余っていたら再考することとしよう。それまでは優先度は下げておいても、問題ない感じ。しかし、OS X 10.4(=PowerPC)を使い続けるのが日に日に厳しくなってきているので、少なくとも1台はなんとかしないといけないだろう。MacProがi7にシフトするタイミングか、それともiMacにしてしまうか、それとも大きめのPowerBookでいくか、悩ましいところである。実は、Mac Miniという手もあるな、と思っている。(OS X_86を密かに考えている、というのも事実。)

2010年10月22日金曜日

OKI C310dn プリンタ届く。

沖電気の、A4両面印刷カラーレーザープリンタ、OKI C310dnが届いた。設定はとても簡単。ネットワーク経由の印刷とした。これで、研究室にカラーレーザーと、モノクロのEPSON LP-5300Nの二台が整った。至極満足。

実は、最初OKIプリンタを無線LANの子機を使って、ネットワークにつなぐ予定だったのだが、うまくいかず断念(AOSSランプが点滅しなかった)。代わりに、計算マシンに子機をつないで使う事にした。作りかけのマシンは、テーブルの上においたまま作動検査をしたりするので、無線でつながると、LANケーブルがクリスマスツリーのデコレーション状態にならなくて便利.ちなみに、子機はBuffalo WLI-TX4-AG300N. AOSSで親機に接続する.子機につないだマシンのIPはマシンの環境中で決めればよく、とても観簡単。子機に対しては、AOSS接続の場合は、特に設定する必要がない。Gatewayは親機とする。

ここで一つの問題に気づく。末端のマシンから、ネットワーク上位のマシンにはアクセスできるのだが、上位のマシンから末端へのアクセスが、今のままではできないのだ。どうすればいいんだろうか?

2010年10月20日水曜日

首都高をいく

都心のキャンパスで昨日講義をしたのだが、講義終了後に同僚との議論が白熱し、うっかり講義室のカギを返却せずに自宅へ持ち帰ってしまった。そのおかげで、今日、主キャンパスでの講義の合間に都心にいくはめになった。

高速で多摩川を渡って首都高へ入る。霞ヶ関まで20分足らず。まれにみる優秀な成績で到着できた。中央環状は事故も渋滞もなし。午後のお茶の時間は狙い目なのだろうか?予定以上の快走で、我ながら驚く。

次の障害は、都心で安い駐車場を探すこと。これが、とても大変なのだが、先日いいのを発見しておいたので、さっそくそこに向かう。「空きあり」と表示あり。安いのにガラガラ状態。夢でもみているのだろうか?ともかく、ほっとしつつ、そこに停める。

駐車場から、ちょっと長めの散歩をして大学へ。靖国通りの歩道、やたらと女学生多し。近くに女子校が複数あるようだ。元気な学生の間の混雑をかいくぐり、ようやく大学に到着。無事にカギを返すものの、事務の人に「学内便でもよかったんですよ」といわれてしまう。ちょと脱力する。

「帰りも快適、というより、むしろ少し早めのペースで多摩川を越える。夕方の講義には滑り込みセーフであった。さて、いつもこういう調子なら、昼飯を食べるためだけに、丸善や松本楼にいくのも可能かな、と思ってしまった。

慣れない事をすると疲れる。今日は研究時間ほとんど取れずに終わる。

2010年10月19日火曜日

Phenom II (x6)をCrosshair IV formulaで組む (その二)

ちょっと前に、Crosshair IV formulaのBIOSに不具合があるかも、と書いた。いろいろいじっている内に、問題の原因が判明した。BIOSが原因ではなく、マザーボードについているボタンの問題であった。

Crosshair IV forumlaの基盤には丸いボタンが4つ付いている。オーバークロック(OC)をするときは、ふつうスケルトン状態で行うので、マザーボードに直接色々なスイッチがあるほうが便利だろう、というベンダーの気遣いだろう。4つの内、2つは電源関係(Power switchとリセット)。両方とも、リセットボタンと同じ構造をしていて、押し込んでも離すと元の状態に戻る。

今回、問題になったのは、残りの2つのボタンで、ひとつは自動OC装置の起動ボタン、もうひとつが隠しコアのunlockerである。最初、unlockerってなんだろう?と思ったが、Athlonの場合を思い出して、すぐに理解した。その昔、AthlonとDuronなどのように、高機能版と廉価版の2種のCPUを同時に売り出すとき、高機能版CPUの回路の一部分にブロックをかけて機能を制限し、廉価版として売り出す、ということをAMDはやっていた。おそらく、Phenom IIも、4コアとか6コアのCPUに制限をかけて、2コアモデルとして安く売出しているのではないだろうか?そういうタイプのCPUを安く買ってきて、core lockを破って高機能CPUとして復活させよう、というのがcore unlockerだと思われる.

この2つのボタンを、リセットボタンのように、指を離したら元に戻ると思い込んでいたのが、問題の原因であった。今日、ボタンを押してみたら、この2つは、オンとオフの2状態を保持する、two-way buttonであることが判明。どうやら今までずっと、自動OC機能と自動core unlock機能をオンにしたままマシンを起動していたようだ。これが原因で、マシンは起動条件を自動的にいろいろ変えて起動し、そのためBIOSの設定がそのつど無視され、書き換えられてしまっていたのであった。

この2つのボタンをオフにしたら、問題はすぐに解決された。解決直後に、Fedora 12 (x86_64)のインストールが問題なく終わり,windows 7とlinuxのdual boot machineが完成したように思われたが、大きな落とし穴が待っていた.ネットワークカード(NIC)がカーネルに認識されていなかったのである。調べると、Crosshair IV formulaはNICを内蔵しているが、それはMarvel Yukon 88E8059というタイプで、これがFedora 12のデフォルトのカーネルでは認識できない、とのことであった。

これを解決するには3種類の方法がある。(1)カーネルの再構築。どうもこの会社のNICはいつもサポートが遅れるようで、以前より話題になっているようだ。このホームページこのホームページを参考にすれば、解決できそう。(2)内蔵NICをあきらめて、ちょっと古めのNICを買ってくる。たぶん、これが一番簡単。でも、また新宿や秋葉原にいかないといけないのが、多少面倒。(3)Fedoraの最新版(Fedora 13)に入れ替える。これは、パッケージをダウンロードしてDVDに焼き、再インストールということになるので、ちょっと時間がかかる。また、Fedora13はIntel Fortran Compiler(IFC)のサポート対象にまだなっていないらしく、インストールが難しいと噂に聞く。

さて、どうしようか?(1)を試しつつもあまりにも面倒臭い場合は、即(2)の線を検討ということになろう。IFCの無い環境は無意味だから、(3)の線は当面ないであろう。

つづく。

2010年10月18日月曜日

ヴィラデストの後、上田城へゆく

秋晴れの良日に、遠出を楽しむ。今回は、信州上田とその周りにて遊ぶ。

昼食はVilla d'estで。奮発してコース料理を食す。キノコ味のムース。サラダとグリルした茄子に大根の煮物をのせた前菜、そして鶏肉と季節野菜のスープ。最後に、巨峰のティラミス、カボチャのアイス、そしてメレンゲベースのモンブランのコンビネーションデザート。すべて絶品なり。庭園は、秋色濃く、枯れた向日葵の花もドライフラワーのようで趣あり。一番は、紫と赤色の花を咲かせていた、大きめの丈のハーブのボーダー。見事。霞の向う、眼下に塩田平広がる風景も「秋深し」の旅情あり。


塩田平の遠景 Border in Villa d'Est

つぎに、山を下りて上田城へ。上田の人は鷹揚で、いい人が多いと思う.上田城内は犬の散歩を許可していて、犬があちこちにいる。城門においてすら、犬の小便OK! なんと懐の深い...と感心する。真田は犬好きだったか?

東虎口櫓門 東虎口門の裏手から。

お堀の水に、秋の色づきが微かに映る様、心安らぐ。上田の秋は良き哉。

本丸堀に映る秋

2010年10月15日金曜日

秋の買い物(2)

買い物第一弾終了。久しぶりに新宿へいってきた。新宿駅の構造を完全に把握していたのは、20年以上前のこと。イギリスに行っている間に、南口が改装されたり、地下部分が大きく変わったりして、すっかり訳のわからない所になってしまった。今日も、地下でうろうろした上,通行人にぶつかってしまった(互いに顔を見合わせたが、無言のまま通り過ぎた...まさに新宿だ)。

まず、iPad Wi-Fi 16GBを購入。OS X 10.5以上じゃないと動かせない、と聞いてがっくり。(実は、この間から自作しているPhenomII (x6)マシンに、昨日Windows 7をインストールしたので、全く使えないというわけではないのだが。)ついに、PowerMac G5を引退させるときが来たか? それにしても、「ポイントはつきませんが、よいでしょうか?」「壊れても当店は責任持ちませんがよいでしょうか?」「返品はいっさい受け付けませんがよろしいでしょうか?」と、高飛車な態度が目立った。たぶん、アップルからいろいろと圧力がかかっているのであろう。確かに,「こんなことなら、わざわざ新宿くんだりまで来ずに、通信販売でアップルから直接買っておけばよかったよ」、と思ってしまった。アップルの思惑通りである。

つぎに、プリンターコーナーへ。狙っていたEPSON LP-S5000を見せてもらった。デカイ...かなり量(かさ)が張っていて、研究室に置く気には到底なれない。そこで、「A4でいいので同じようなプリンターありませんか?」と尋ねてみた。すると、沖電気のC310dnを紹介してくれた。Windows/Macに対応していて、カラーレーザーで、両面印刷可能、そして5年間無料保証。そしてなにより、値段が5万円を切っている。ちょっと大きめだが、許せる範囲内だ。まさにこんなのが欲しかった、という感じで即購入決断す。
(実は全く同じスペックでPS printerに成っているモデルもあるそうなのだが、値段が2万円ほど高くなってしまう。今回は、Mac OS X 10.3.9以上ならドライバがある、というので、当面の損得を考え安い方にきめた。)

これで、「秋の買い物」の前半戦の山場は越えたかな。

「国語の近代史」を読む

中公新書より出ている、安田俊朗著「国語の近代史」を読んだ。

駅の本屋で立ち読みしていて見つけた一冊。最近の本。筆者は一橋大所属の若手准教授。でも、その分析は丁寧で、独創的。面白い本を見つける事ができたので、嬉しい。

この本は「国語」と「日本語」の違いをはっきり説明してくれる。当用漢字だの、常用漢字だの、どうして煩いことを政府は押し付けてくるんだろうか?、と子供の頃から不思議に思っていた。その答えがこの本には書いてある。

そういえば、英国では、英語の授業を「英語(つまりEnglish)」という。「国語(National Language?)」なぞとは決して言わなかった.この本に書いてあることが正しいのであれば、多分、日本の学校で教わる「国語」の内容と、英国の小中学生が習う「英語」の授業内容は、随分違うんだろう、と想像する。

自国民の(有効)人数が減少して、英国のように移民を受け入れざるを得ない状況になったとき、果たして「国語」は存在し続けることはできるのだろうか?(多分無理。)例えば,坂本龍馬は偉い、と大多数の日本人が考えるのは、いうなれば「国語」の成果なんだろう。

2010年10月14日木曜日

秋の買い物

彼岸花は散り、桜の葉もとうとう色づき始めた。ようようと、秋深くなりにけり。

秋は買い物のシーズン、つまり研究予算を消化する季節だ。「この秋の目玉!」というものは特にないが、まずは、安くなったcore i7-870を購入して、i7-860と入れ替えようと思う.それから、iPadに手を出してみようか、とも思っている.ヨドバシカメラの在庫情報を見ると、どの支店にもWi-Fi版の在庫はたんまりあるようで、やっと落ち着いて買えそう。最後に、両面印刷でWi-Fi通信付きのカラーレーザープリンタEPSON LP-S5000を狙っている。(A3対応なので、ちょっと大きすぎるのが問題なのだが...)

今日は、春に購入した機器の申請書を作って事務に提出。講義2コマ。Phenom II (x6)にSATA機器接続(DVD-RW, HDD, SSD)を組み込んでの動作確認、会議一つなど。雑事や仕事に追われ、研究時間がほとんど持てなかった。ただ、とある出版社から依頼が来た教科書の執筆を少しずつ始めた。結構時間を取られる作業と気づく。要注意だが、今のところは楽しいので良しとする。

唯一の研究らしいことといえば、Fock spaceについての簡単なメモをまとめたこと。粒子数でラベルしたものだけじゃなくて、一粒子状態の直積なら、とりあえずFock spaceの基底にして良い、ということに気づいたので、それをメモる。Fermion, Bosonということさえ、頭に入れておけば、当然粒子数表示の方が断然便利に決まってるのは確か。(でも、そうきめつけてしまうのは危険だ、というのは最近の教訓より学んだ。)

2010年10月13日水曜日

フェルミオンのコヒーレント状態

コヒーレント状態がフェルミオンでも定義できることを最近知った.使い道ないんじゃないか?と思ったが、それは間抜けな奴の頭のレベルだと思い知った。とある論文で、このフェルミオンのコヒーレント状態が、ものすごく巧く使われているのを知って、鳥肌がたったのだ。

役に立つ、立たないは、それを見た人間のレベルで決まる。ひどい負け犬気分を味わってしまった。創造においては、「常識」ってやつは本当に邪魔になる。でも常識がないと次ぎへジャンプできない。常識を知った後にそれを全て捨てる、これができないと新しい理論なんてつくれないんだろう。なんかピカソに似てるかも。

コヒーレント状態は、当然ながら消滅演算子の固有状態なのである。しかし、フェルミオンの場合、その固有値がグラスマン数なのである。この性質を使うと、生成消滅演算子の複雑で面倒くさい演算子交換計算が、グラスマン数の積分計算に変わるのだ!しかも、グラスマン数は交換関係に従うから、2次式以上が存在しない「楽勝な」線形空間の世界にあり、中学生でも計算できるのだ!なんてこった。

2010年10月6日水曜日

Phenom II (x6)をCrosshair IV formulaで組む。

講義が始まって3週間目。疲れがボディーブローのように効いて来た。朝の目覚めが悪い。去年の経験からすると、このまま無理すると病気になる。計算を始めてわずか2日目ではやくもダウンする訳にはいかない。

今日は、機械をいじることにした。買ったままにしてあった、AMD Phenom II(x6)を使ってマシンを組む。m/bは大枚をはたいて買ったASUSのCrosshair IV formulaだ。今回はPhenomのBlack Editionを買ったので、Clock-upにチャレンジだ!

とりあえず、スケルトンの状態で、メモリとCPU、さらにM/Bの回路のチェック。電源には、買い置きしてあったAntec Truepower 750W (80PLUS製品)を使用。今回、電源スイッチをショートさせる工夫として、クリップを使用した。電源スイッチの2本のピンをクリップで挟んでショートさせる。不必要なところがショートしないように、電源以外のピン周りを紙で絶縁した。電源ボックスのスイッチをいれて、クリップを軽く押えるとマシンのスイッチが入る仕掛けだ。(我ながらうまく考えたもんだ。)

起動は成功。メモリ16GB識別。PhenomII (x6)識別。温度モニターを見るとCPU Temp=38度で、なかなか良い。それにしても、電源、およびCPUのファンが静かで驚いた。

まだ、OSのインストールが済んでいないので、完全には理解していないが、どうもこのマザーボードのBIOSはバグがあるんじゃないか?と思っている。というのは、リブートする度に設定が変わってしまうのだ。とくに、6コアの使用制限が時々5コアになっていたりする。アップデートすべきかどうか...まあ、とりあえずはOSをインストールしてしまおうと思う.

今回はSSDを付けてみた.Linuxのルート部分を載せてみて、どの程度早くなるか興味がある.HDDは2TB。

「その2」へと続く

プリズムの実験

講義で、どうしても太陽のスペクトルの話をする必要がある。といっても、スペクトルを見た事のある学生はほとんどいないので、黒板で説明しても、汚い絵ができあがるばかりで、いつも学生教官双方の苦笑いに満ちた無駄な時間となってしまう。そこで、プリズムを購入して、実際に学生の前で実験してみようと思い立った。

秘書に注文しておいたらと、数千円で買えた。ガラスで出来たきれいな三角柱。これに日光を当てるだけだが,弱い光だとなかなか、きれいな虹色のスペクトルがでない。そこで、屋上に続く階段ーーここは壁が一面ガラス張りになっているーーの踊り場にいって、日光をかざしてみた。光線とプリズムの角度がちょうど良くなる様に回転させる。するときれいな虹色が出た!実は、自分でスペクトル分解したのは初めてなのであった。実験する日は、強い直射日光の陽射しが差し込む日にしよう。

2010年10月5日火曜日

研究開始

5月の連休の後、滞っていた研究を開始する。

午前中に大学に来て、作りっぱなしにしてあったコードのメモつくりから始める。以前書いたメモを読み返してみると、なかなかおもしろく、我ながら感心する。途中、メールの管理、学会開催関係の文書のチェックなど、雑事を片付けている内に1時間ほど消えてしまった。それでも、その後1時間ほど新しいメモを付け足すことができた。

お昼の食堂は混雑するので、早めにいくに限る。今日の献立は、白身魚の甘酢あんかけ、と生ハム、みそ汁。おいしかった!

図書館で、Nature, Science, Scientific Americanをチェック。Natureに、イギリスでBadger猟が解禁さる、とのニュースあり。大事(おおごと)だ。保守党に変わったせいだろうか?Bovine TB(牛の肺炎)を媒介する害獣だ、という認識に基づくらしいが、動物学者のなかにはnonsenseと言う者もいるようだ。個人的には、Badgerはかわいいので殺さないでほしい。(実は奴らは肉食で、Hedge Hogの天敵なんだが...ちなみにBovineはLongmanで調べた。)Scientific AmericanはThe Endの特集。原油の生産ピークは4年後の2014年との予測あり。あと50年も経つと、簡単に掘り出せる石油は地球上から消滅するとの予想。そうかもしれない。あとは、深海底とか、南極とか、掘るのが大変なところだけになるだろう。ただ、無理すると、今年のメキシコ湾のBPの事故のようになる。そろそろ、石油文明から脱却することを本気で考えるべきだろう。(とりあえず、この間hybrid carを買った...)

午後は、会議。来年の講義計画についての概要の打ち合わせ.手際よく1時間ほどで終了。

研究室に戻って来て、メモ作成の続きを1時間。今日は夜の講義があるので、都心のキャンパスにこれから移動しなくてはならない。夕食は天丼にしようか、それとも中華にしようか?

「理系のための研究生活ガイド」を読む

数年前に、恵比寿のアトレで買った、ブルーバックス。慶応大学医学部の先生が、小遣い稼ぎで書いた本に違いあるまい。ほとんど無駄な内容だが、高校生には新鮮に映るかもしれない。なにしろ、大学の研究者の生活というのは、大学院くらいにならないとよくわからないから。

とはいえ、自分にも役に立つ箇所が2、3あった。その一つが、速読と再読の勧め。読み出したら、一気に最後までいかないといけない。メドとしては一週間と書いてあるが、そうなのかもしれぬ。早ければ早いほど良いと思う.この「初読」というやつは、細かいところは気にせず、大筋を捉えるためだけに読むよう心がける.細部に嵌って足止めされるのはよくない。そして、再読で細部をつめるのである。

時間の使い方、計画の重要性なども役に立つ。とりわけ、一週間後に計画の遂行率を反省すべし、との行なかなか感心す。さすがに、慶応大学の教授だと恐れ入った。

この本、2時間くらいで速読できる。