街に近づくと、まず聞こえてきたのが、盆踊りの太鼓の音。通りには、浴衣姿の人がちらほら見える.人の流れから察するに、きっと入間川の向い岸の地域だろう。
駅に近づいてきたら、今度は、散発的にドンドンと低い音が鳴り響いてきた。ビルの向こうに赤や緑の光も点滅しているように見える。どうやら、今日は多摩川で花火が打ち上げられているようだ。駅ビルの屋上に登ればなんとか見えるかな、と思ったが、残念ながら、この屋上庭園は南側に視界がまったく開けていなかった。同じように思った人たちが結構来ていたが、同じように落胆の声をあげて去っていった。実は、このビルから見える唯一のポイントは、最上階の真ん中辺りにある洋食屋の窓越で、この日は立食パーティになっていった。5000円で飛び入り参加できるとあったが、たいていの人はレストランの窓越しに見える花火を通路から見て楽しんでいた。そのせいで、レストランの前は、ちょっとした人だかりになっていたが、店の人は案外鷹揚にそれを許していて、ちょっとうれしく思った。
家に戻ってくる間、住宅街に大きな花火の音が響いた。あの屋根に上ればきっとみえるかな、と思って見上げると、案の定、屋根に上って見物している兄弟ふたり。せまいベランダに家族中が集まって観賞している家もあった。春、夜桜がきれいだった家の近くの辻にきたら、うまい具合に花火が見えた。と、その近くの電線を見上げると、カラスの群れが一列に並んでいる。
電線にずらりと高見の烏かな。
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