2012年8月6日月曜日

NASAの火星探査ロボ、火星に着陸成功!

昨年の年末にアメリカが火星に向けて送り込んだ、火星探査ロボ「Curiosity」が、先ほど火星の表面に着陸を成功させた。すばらしい快挙だ。

というのは、このロボはとても大きいので、パラシュートや衝撃吸収クッションなぞでは減速が足りず、墜落に近い形になってしまって、うまく着陸できないのだ。したがって、火星着陸には、パラシュートを始めロケットエンジンなどの減速装置を組み合わせ、そらにスカイクレーンと呼ばれる、空中にロケットホバリングしながらロボを地面まで吊り下ろすシステムなどが必要になった。この複雑な着陸システムについては、NASAの"Seven minutes of Terror"というビデオをみるとよく理解できるだろう。

しかも、半年以上もの長期にわたる道中、宇宙空間を飛び交う高い放射線環境や、機械が凍り付くような極低温環境を、このシステムは切り抜けなければならない。システムの再起動というのは、本当に難しい作業だ。しかもそれをすべて自動でやるというのだから、冒険以外のなにものでもない。こんなプロジェクト、日本の科研費に申請したら、まっさきに蹴落とされてしまうだろう。とにかく、NASAのチャレンジ精神には恐れ入った。

今、火星の表面には乗用車の大きさほどの巨大な探査ロボが、半年の眠りから醒め、活動を始めた。その姿を想像しただけで鳥肌がたつ。しかも、火星の別の場所には、このロボの先輩たち(ローバーと呼ばれる)がもう10年近くも前から活動し続けている。極限状況におけるシステム構築など、アメリカの高い技術力には脱帽だ。

先輩ロボたちは偉大な発見を次々と成し遂げただけでなく、未だに現役で活動している。ただ、太陽電池に頼っているため、砂嵐のきつい「冬」の期間にはバッテリーが消耗し、冬眠せざるをえない。新しいキュリオシティは、プルトニウム238による原子力電池で駆動するので、半永久的に活動し続けることが可能だ。その高い活動能力によって、火星の生命についての大きな発見がなされるのは時間の問題かもしれない。期待したい。

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