2013年1月28日月曜日

「科学2013年1月号」からの続き

小豆川さんの記事の最後に書かれていたのが、ローソンによる放射線測定。検索してみると、関連するホームページはまだローソンのサーバーに残っていた。

科学の記事で引用された測定時の写真。
ローソンのサーバーより引用
この写真を見た瞬間、吹き出してしまった人は多いのではないだろうか?

一番の問題は、ローソンの測定はBqで行っているだけで、Bq/kgとしていない点だろう。公的機関でも、ほぼすべてがBq/kgの単位で測定している。たとえば、このレタスが軽い場合、ほんのちょっとしかガンマ線を検知していなくても、それは「高濃度」の汚染の可能性が残るということだ。

ローソンの関連ページには「100Bq以上のものがあったかどうか調べている」とあるが、政府の基準は「100Bq/kg」だ。100Bqと100Bq/kgは違うものだ。たとえば、ローソンの測定で51Bqと出たとする。このとき、レタスの質量が0.5kg、つまり500グラムだったとする(ローソンはこの質量測定をやっていない)と、51Bq ÷ 0.5 kg = 102 Bq/kgだから、これは見事な「基準値越え」の汚染レタスになる。つまりローソンの測定結果のまとめには、「私たちはとんちんかんな検査をやってます」という以上の情報は入ってないということだ。

次の問題は、遮蔽の問題だ。この写真から判別するに、かなりのガンマ線が空間から飛び込んで来ている。このレタスを持ち出して、原子炉の中で測定したら、ローソンは「このレタスは非常に汚染されてました」と報告せざるを得ないだろう。原子炉の中、というのは極端な話だったかもしれないが、高濃度汚染地帯に、同じレタスを持っていって、同じように測ったら、「汚染レタス」になってしまう可能性はあると思う。たまたま、ローソンは空間線量の低い場所で測っていたのだろうが、もし汚染地帯で同じように測定してたら、大きな値が出てパニックに陥っただろう。

放射線測定は、やっぱり難しいものだ。ローソンは科学者を雇って、アドバイスしてもらうべきだと思う。お金をたくさん儲けている大会社なんだから、ゲルマを1台くらい買ってもいたくもかゆくもないだろう。大事なのは、そのとき科学者を雇うことだ。非常勤でも、アルバイトでもいいから、数人雇って、彼らの指示のもとに測定を行うべきだ。これだって、ローソンにしてみれば、たいした金額ではあるまい。「横綱相撲」をみせてもらいたいものだ。(本来、ローソンだけでなく、すべての食品会社は「横綱相撲」をしてもらいたいものだ。)


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