2010年2月25日木曜日
散乱長
散乱長についてやっと理解できたと思う.学部の時、J.J.Sakuraiで習って以来だから、15年近くもかかってしまった....理解できたきっかけを与えてくれたのは、例のLeggettの論文である。ボーズ凝縮における原子間の相互作用についての議論があって、これも理解に随分苦しんだが、E->0とか、r>>a (a:scattering length)とかいう表現があちこちに出てくるので、よくよく考えてみたら、これって遠くから解像度のわるい望遠鏡で見たときの物理ってことじゃないか、と閃いた。多体系の有効相互作用というのは、詳細がよくわからない分、どこまでならわかったといえるのか、どこから先は知らなくても正しい事が導けるのか、といった観点や感性が必要になる、ということがようやくわかった。電子物性の「クーロンはクーロンだから」(つまり「よーく」わかっていて曖昧さが0ということ)という立場とは随分違う。分からないものを分からないまま「分かろう」とする方法論、といえるかもしれない。この考え方がわかったのは、自分としてはかなり大きな進歩だと思う。
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