2014年3月4日火曜日

セシウム汚染の限界はどこにあるのか:関東平野の西側の場合(2)静岡市の駿府城

静岡市の駿府城のセシウム汚染の調査については以前このブログに書いた。100 Bq/kg弱と算出され、LB2045のモニターにはセシウムのピークらしい構造がボンヤリ見えた。そのため「静岡はセシウムに汚染された」と結論づけた。

が、より詳細な測定を行うことができるようになった今、この結論を検証する必要がある。測定時間を60分して統計量を増やしたスペクトルはこのようになった。

解釈が難しいスペクトルだと思う。しかし、セシウムの示すピーク構造によく似たパターンが見える気がしないでもない。一つずつ、特徴を確認していこう。

(1)まずはCs-137のピークだが、これがあることは間違いない。いつものように、LB2045のFWHMの性能に基づくガウシアンを重ねて見るとぴったり合う。Cs-137が検出されているということだ。

(2)Cs-134の606keV、つまり左側のピークだが、これは半減期2年のCs-134では事故後3年経った今、相当の減衰が進んでいるはずである。事故当初はCs-137の660keVピークと同じ程度あったので、今はその半分程度にまで「背が縮んで」いないといけない。ところが、このスペクトルでは、606keVに対応するピークはCs-137よりも背が高い。つまり、スペクトルに見えるピークはCs-134単体のものではなく、Bi-214の609keVピークなど自然放射線が混じってしまい、Cs-134があるかどうか判定できなくなっている。

(3)しかし、Cs-134には796keVのところにもう一つピークがある。今回得られたスペクトルには、若干それらしき盛り上がりが見えるような気がする。これがもしピークであるならば、福島原発からやってきた放射能プルーム(の先端?)が静岡市に到達したといえる。しかし、このピーク構造ははっきりしないため、自信をもって結論を出すことは今の所難しい。これを解決するには、測定時間をさらに長くして、統計量をもっととらなくてはならない。

ということで、今回の測定では113.4 Bq/kgという結果を得たが、それが福島原発由来のプルームによる汚染なのか、昔の核実験やチェルノブイリの名残りによるCs-137のシングルピークなのか、まだはっきりした結論は出せない。直感的には、Cs-134の796keVピークはあるように思える...が、再度の測定が必要なのは間違いない。思い切って10時間くらいやてみようか?

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