昨晩の皆既月食は残念だった。天気は、曇り、小雨(このとき月の出)と移り変わり、最後は嵐のような大雨となってしまった。夕方はちょうど首都高4号線を新宿に向けて走っていたので、摩天楼の向こうに昇る月食を見ることができたはずだった。
今宵7時頃、学生たちと天体観測をしていたら、白鳥座のあたりに明るい火球が筋を引いた。大きさのわかる火球で、その明るさに斑があるのもわかった。また、斑はイルミネーションのように時間変化した。こんな流星は初めて見た。
自宅に戻り、夜10時から12時ころまで、月、木星、昴、アンドロメダ星雲などの観測をしていたら、流星が2つ流れた。これもかなり明るい流星で赤っぽい筋を引いて流れたので、とてもきれいだった。一つ目は西に傾いたペガサス座の辺り、もう一つは天頂に近い昴の近くに流れた。
実は「こぐま座流星群」が明日の夕方ころピークを迎えるそうだ。今晩見たのも、きっとこの流星群なんだろう。実のところ、先日の双子座流星群よりよく見えた。今回の流星はタットル彗星が正体なんだそうである。双子座は小惑星だったから、彗星系の流星群の方が派手な色がでるのだろうか?とにかく、今日は楽しめた。
一方、木星は10時頃に見ると随分西に傾いていた。ずっと眺めていたら、西の地平線に沈んでしまった。日の入り、月の入りは見たことあるが、「木星入り」を見たのは初めて。今日のガリレオ衛星はというと、イオが(黄道に対して)木星のすぐ右側にあり、その向こうにガニメデがあった。左には(ガニメデと同じくらい離れた所に)エウロパ、そしてそのちょっと向こうにカリストが見えた。2+2で4つ全部観測することができた。木星の下部に(黄道に対して)星が見えたが、あれは多分天王星だと思う。
月のスケッチというものを初めてやってみた。眩しくて目が眩む。ティコクレーターはよく知っているが、それ以外にコペルニクス、ケプラー、ガウスといったクレーターを確認できた。しかし、月で一番美しいのは光と影の境界付近の風景だ。今日は満月の翌日なので、危難の海辺りの影が実に素晴らしかった。地球の大気の揺らぎもよく見えた。
最後にアンドロメダ星雲探しをやってみたが、どうもうまくいかない。双眼鏡だとすぐにみつかるのだが、望遠鏡のファインダーの像が反転するのと、月明かりで明るいので暗い星が追い難いのとで、レンズに入れることができなかった。残念。
今日は冬至。そして後期の最終日。明日から冬休みだ!
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