2011年12月17日土曜日

論文受理される

秋の学会で、ヨーロッパとアメリカのライバル研究者たちが、自分と同じような研究をしていることが判明し、おお慌てで書いた論文が受理された。やった!

レフェリーレポートは最初から好意的だったと思うが、2、3こちらの能力を試すような難しい問題も突きつけて来て、最後はちょっとヒヤヒヤした。その一つは、おそらくレフェリー自身が昔書いたと思われる、難解で長い数学的な論文に関してのもの。「この論文をちゃんと理解した上で今回の論文を書いているのか?」という質問だった。これは要するに自分の論文を引用せよ、ということなわけだが、ただ引用しただけだと、馬鹿扱いされてイチャモンを付けてくるのは明らか。細部まで理解し、今回の論文の内容とどう違うのか、どこが「劣っていたのか」を適切に説明しないといけない。しかし、あまり否定しすぎると、今度はこちらの論文の否定に転ずるのは明らか。論理的に、過去の仕事より優れているということを慎重に指摘しないといけない。自分の仕事を否定されたり、劣っていると言われるのは嫌なことだ。そこを、「なるほどね。たしかにそれは新しいし、よくこんなこと思いついたね。一本とられたよ」と言わせないといけない。心理戦は消耗する。

とはいえ、いいクリスマスプレゼントを貰った気分。これで楽しく年越しできそう、といいたいところだが、次の論文が早くも競争状態になっているし、実は教科書執筆の締め切りが....ということで、休む暇ないかも。(入学試験の時期も近いし...今年は出張が一つある...)

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