中公新書より出ている、安田俊朗著「国語の近代史」を読んだ。
駅の本屋で立ち読みしていて見つけた一冊。最近の本。筆者は一橋大所属の若手准教授。でも、その分析は丁寧で、独創的。面白い本を見つける事ができたので、嬉しい。
この本は「国語」と「日本語」の違いをはっきり説明してくれる。当用漢字だの、常用漢字だの、どうして煩いことを政府は押し付けてくるんだろうか?、と子供の頃から不思議に思っていた。その答えがこの本には書いてある。
そういえば、英国では、英語の授業を「英語(つまりEnglish)」という。「国語(National Language?)」なぞとは決して言わなかった.この本に書いてあることが正しいのであれば、多分、日本の学校で教わる「国語」の内容と、英国の小中学生が習う「英語」の授業内容は、随分違うんだろう、と想像する。
自国民の(有効)人数が減少して、英国のように移民を受け入れざるを得ない状況になったとき、果たして「国語」は存在し続けることはできるのだろうか?(多分無理。)例えば,坂本龍馬は偉い、と大多数の日本人が考えるのは、いうなれば「国語」の成果なんだろう。
1 件のコメント:
「つまらぬものを斬ってしまった」
この間みた映画にでてきた台詞。以下は、その「つまらぬもの」の最近の例。
橘木俊詔著「日本の教育格差」(岩波新書、2010)
数土直紀著「日本人の階層意識」(講談社、2010)
竹内洋著「学問の下流化」(中央公論新社、2008)
「格差」をキーワードに3冊ほど買って読んでみたのだが,どれもこれも駄本。流行言葉をいちはやく冠するような本は気をつけねば成るまい、と知る.
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