2010年11月1日月曜日

葉山での昼食

どんより曇る東京を抜出して、日差し一杯の葉山に行くことにした。(アメダスの雲レーダーで確認したので現地が晴れているのはわかっていた。)

11月に入り、さすがの東京も、日が陰るとさすがに冷んやりしてきた今日この頃。それが、わずか車で1時間足らずのところにある葉山が、あれほど暖かいとは本当に驚きだった。現地の老人に話を聞くと、対岸に見える鎌倉で雪が降っても、葉山には降らないそうな。着ていった上着を脱ぎ、レストランではベランダに座り、海を見ながらの昼食。(しかも、レストランに来ていた客はみなベランダ席を選んでいた!)ここには冬というものがないのかもしれぬ。

皇族が使う別荘の横に葉山公園というのがあって、そこは平日は無料で駐車できる。(この駐車場までの道はとても細く、すれ違いが大変だった。実は、これよりわずか先にある国道沿いの大型駐車場も平日は無料なので、そっちに停めた方がよかったかも。)

この海岸は、実はそれほど広くない。犬を走らせるにはちょっと狭いくらい。特に、海に向かって右側に進むと、すぐに天皇の別荘に行き着いてしまい、警備している警察官たちに睨まれてしまう。逆の方角はというと、崖のある岬に行き当たると、それ以上先にいけなくなる。なにより、この浜辺のきまりに「犬を放さぬこと」とあるので、広かろうと狭かろうと、犬にとってはあまりおもしろい所ではないようだ。


浜辺の散歩もそこそこに、お腹が空いたので昼飯を食べることにした。辺りを見回しても、怪しいタイ料理の店と、トラックの運ちゃんで一杯のラーメン屋があるばかりで、静かにのんびりと「葉山らしい」雰囲気で食べられそうなところがなかなか見つからなかった。しばらく国道を走り、長者ヶ崎という岬を回ったところで(そこからは横須賀市であった)、音羽の森を見つけた。軽井沢にあるのと同じなんだろう、と思い、多少の期待を持ちつつ、海岸段丘の急坂を登った。すると、玄関先に受付の人が立っていて、鍵を渡せという。バレットパーキングであった。ハワイの学会で泊ったホテル以来2度目。「ちょっと値段的にやばいかも」と少々不安もあったが、楽しみも膨らむ。玄関から入ると、目の前はガラス張りになっていて、海の眺望がすばらしかった。大島が見える。富士が見える。江ノ島が見える。そして、なんといっても目の前に滞空する鳶の姿がすばらしかった。ガラス張りの向うは、崖の上にせり出したテラス席で、すでにテーブルは2、3占有されていた。一番端の富士の見える席に座った。

一日15食限定という葉山バーガーと、この季節の特別メニューの小さなカボチャに詰めた海鮮グラタンを頼んだ。海鮮グラタンは絶品。器になっているカボチャは全部食べられる。坊ちゃんカボチャだろうか、ちょうどよい大きさ。葉山バーガーは肉、タマネギ、ピクルスなどを、山盛り状態にしたものを強引にパンで挟んであって、15センチくらいの高さがある。これを丸かじりできる人は日本にはそうはいない、と信じたい。私は顎が開かないタイプの人間なので(つまり木の実などをすりつぶして食べる草食系である)、このハンバーガーは解体して食べることにした。おいしいことはおいしかったのだが、ちょっとハンバーグの量が少なく感じたので、コーヒーとデザートを頼むことにした。お盆の上に並べられたケーキ各種から指差しで選ぶ。ウェイターが「パンプキンクリームケーキですね」と確認する。意図せずして、季節ものとなり苦笑する。コーヒーはかなり強いが、ケーキの甘さとよくあう。値段は寿司を食いにいったのと同じ程度であってほっとする。

バレットパーキングなので、車を玄関まで持ってきてもらったのだが、運転席に犬が寝ていたと驚かれてしまった。この後、鎌倉へ回る。ちょっと迷ったのと、切り通しで渋滞したのとで、だいたい1時間弱程度かかる。ようやく辿り着いた、鶴岡八幡の前の段葛の辺りは観光バスだらけ。散歩する気になれず、そのまま切り通しを越えて街を出て、帰路に着く。帰りは往きよりも順調で、40分ほどで多摩川を渡る。鎌倉は予想以上に近かった。

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