2011年10月23日日曜日

馬事公苑にて

世田谷騒動のあった弦巻をあきらめ、近くの馬事公苑で測定した。馬事公苑は、東京オリンピックの馬術競技が開催されたところらしく記念碑が残っていた。この記念碑は江戸城の石垣を利用してつくったと説明板にあった。
東京オリンピックの記念碑が置かれた石垣

石垣には三というマークが刻まれていた。
馬事公苑はいわゆる公園ではないが、散策路が整備され武蔵野の雑木林が一部保存されている。もちろん、中央部には複数の馬用の道があって、競馬用のトラック、馬術用の広場など、目的に応じて様々なコースがあった。複数の馬がそこで練習をしていた。
馬術コース
最初の測定ポイントは馬術コースのある広場にある側溝でおこなった。ここで、下を向いてガイガーの数値を読み取っていると、突然影がさして何かが上から覗き込んでいるような気配がした。仰ぎ見ると、大きな馬がこちらを上から見ていたのであった....騎手の人が、何してるんですか?と興味深そうに聞いて来たので、放射線測定をしていること、弦巻にいってみたが野次馬がたくさんいて測定できなかったこと、など世間話をしばらくするはめになる。おかげで、読み取りを何回かミスり、大幅に時間超過となってしまった。したがって、この場所の測定データは連続測定でなくなってしまった。(再度測定する必要があるかもしれないが、まあ大丈夫だろう。)測定結果は、JB4020が0.08μSv/h、RD1503が0.14μSv/hと随分違う値となった。前者のRAMIの収束はちょっと甘いかもしれないが、後者はしっかり収束している。
馬術コース横の側溝の測定データ(RAMI)

とにかく、馬に邪魔されたところでデータが飛んでしまっていることもあるし、この差異についてはあまり深く考えないようにしよう。まあ、線量としてはどちらの値だとしても低いと思う。
馬術コース脇の側溝で測定。馬に邪魔される。
つぎに、森の中で測定する。武蔵野の雑木林の名残があって、そこに散策路がある。落ち葉がつもり、笹が茂る場所で測定することにした。今までの経験では、こういう場所が汚染されやすい。だから、世田谷一円が汚染されているなら、まずはここが高線量を示すはずだ。
武蔵野の雑木林の名残にて。
測定の結果は下図の通り。
武蔵野雑木林の名残にて。
どちらもRAMIの収束はよいが、収束値が一致しない。こちらは季節外れの暑さで復活した蚊に追われながら苦労して測定した。まあ0.11(JB4020)と0.14(RD1503)だから、どちらにしても線量は低い。

ということで、世田谷の汚染度は低いのではないか?という結果となった。今では既に周知の事実だが、弦巻の高線量の原因は、戦前に夜光塗料に使っていたラジウム226だった。(実は、家に古い時計があるのだが、先日その表面を測ってみたら、かなりの高線量が出ていて驚いた。結構、昔の人は無頓着だったのがよくわかった...)したがって、馬事公苑の測定結果は、世田谷騒動の結末と、まあ首尾一貫しているといってよいだろう。

ラジウム226は、ウラン238の崩壊系列の途中にあって、安定な鉛 206に崩壊するまでアルファ線やベータ線をたくさん放出する。ラジウム226自身はαエミッターで、その半減期は1600年ほど。ガイガーカウンターで検出できるのは、おそらくベータ線なので、遮蔽すると線量は減るはず。(あとで、例の古い時計を使って調べてみよう。)




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