2011年10月15日土曜日

ベクミルに行く

ベクミルに行ってみた。最初見たときは予約で一杯だったが、次に確認したとき、うまい具合にキャンセルが出たんだと思う。前日のみの予約というのも効いたかもしれない。とにかく幸運だった。

電車でいくつもりが、直前の確認で高速が空いていると勘違いしてしまい、首都高および柏の国道6号で渋滞にはまる。最後は常磐道になるが、柏ICというのは柏の街の外れにあって、渋滞にはまると駅までは大変遠く感じる。高速でだいたい90分。市内は30分以上。合計2時間強はさすがにきつかった。(帰りは裏道をうまくつかったので、90分ほどで戻って来れたが。)柏は遠い。六本木を売って、柏に行ってしまったのは、物性研最大の失敗だったかも。(でもそのおかげで、一般の人たちは美術館を楽しめるようになった訳だが...)とにかく、柏の主要道路はどこもかしこも混んでいて、不快きわまりない。裏道は結構よかったので、今度は少し下調べしていくべきかも。

市営駐車場にほど近い、金物屋の入るビルの2Fにベクミルはある。大きな看板もなく、初めて行くとどこにあるのはよくわからず、途中で不安になるかもしれない。金物屋が目印だと思っていくべき。駐車場からベクミルまでの道路には歩道がないので、車、自転車、歩行者が入り乱れて、ちょっと危険。側溝の上を歩きながら行くことになるが、気になったのでガイガーカウンターを起動し、歩きながら調べてみた。高い。0.20-0.25μSv/hという値が出ていた(RD1503の4サイクル平均、つまり160秒平均)。アスファルトの上を歩いてこんな値が出るんだから、この街の汚染はちょっと深刻だと思う。

ベクミルにはあまりお客はいなかった。予約制だから落ち着いているんだろう。機械はフル稼働という感じではなく、高価なマシンは空いている感じだった。ちょっともったいない。従業員らしき人は3人ほど。意外に多くて驚いた。たぶん、放射線の技術者ではないから、パートのおばさんみたいな感じなんだと思う。

時間を決めて、一斉に皆で測定を始める。一緒にやったのは杉並からきていたおばあさんと、地元の柏在住のおじいさん。杉並のおばあさんは相馬から送ってもらった米、柏のおじいさんは自宅の土を測定。私は、多摩水道の水道水を測定した。20分測定して結果が出る。が、となりのおじいさんは測定開始数秒で、「Overflow。測定限界を越えました」というメッセージが出た!係の人が、「これは9999ベクルル/Kg以上ということです。」と説明。多分、数万ベクレル/kg以上の汚染土だったんだと思う。おじいさんは、自宅の庭の2、3カ所から土のサンプルを持って来ていたが、全滅。改めて、柏の汚染のひどさを感じた。

一方、多摩水道の水は0Bq/Kg(誤差20Bq/Kg)で、相馬の米も同じ。つまり、いわゆるNDという状態。一安心!おじいさんにはわるかったが、東京組は話がはずんで、軽やかな足取りでベクミルを去った。

おじいさんは、最初は笑っていたが、持ち込んだサンプルが次々にOverflowするのをみて、さすがに表情が曇った。「この土を吸い込まないように注意してくださいね」と忠告すると、「もう庭を歩くのが怖いね」といっていた。本当は、柏の街全体を歩くのが怖い、と思うべきなのかもしれない。

しかし、世田谷の場合は3μSv/hを越えるような環境で何十年も暮らしていた人たちがそこそこ長生きしているんだから、放射線というのはよくとらえれば「毒性が低い」といわれてしまうのも事実。とはいえ、悪く捉えれば「いつ爆発するかわからない時限爆弾」だ。このおじいさんのように、国民が味わっている漠然とした恐怖を考えれば、政府/柏市は時限爆弾だと思って対処にあたるべきだろう。

2 件のコメント:

とびねこ さんのコメント...

KUZZILAさん、世田谷、そして柏、とすごい行動力ですね!馬事公苑ではいかがでしたか?東京農大とかがありますね。(私が通った自動車学校のバスはあのへんの世田谷通りとおりました。)世田谷では、市民が計測しはじめたからこそ、危険が取り除かれたので、結果的にはよかったと思います(小学生の通学路だっただけに)。警察は瓶の持ち主つきとめて逮捕したりするんでしょうかね?。。それにしても柏はすごい汚染ですね。さいたま西部あたりではキロ当たり135Bq、104Bqとかでショック(だって本来は0だったんですもの。。)受けてます(6月初旬だったのでもう少し濃くなている?)が。。ところでイギリスにいらっしゃた時のブログ(「続・・」の前の)おありなんですか?よろしければお教えください。今度渡英するので参考にしたいです。

kuzzila さんのコメント...

馬事公苑の測定結果はまもなくレポートします。結論だけいうと、馬事公苑内の森の中は0.11-0.14μSv/hで、馬の練習場の近くが0.09-0.14μSv/hでした。(値が二つあるのは、前者がJB4020, 後者がRD1503の結果。)汚染されているのは判りますが、まあ大丈夫(緑ピン)です。ただ、このところの暑さで発生したのか、大量の蚊に追われながら雑に測定したので、もう一度いこうかなと思ってます。

ところで、「続」の前のものですが、ブログ以前の時代の「日記」です。自分で設計したブログ形式のフォーマットを利用しているため、大学でサーバーを立ち上げないと公開できない形になってます。

インターネットでの商業利用が禁止されていた頃は、ハッキングとかも少なく気軽にやれたのですが、最近は自作の”ブログ”は危険なので、大学が公開を禁止してしまいました。(そもそも、このブログをやりはじめたのも、そのためです。)それから、データは古いマシンに置き去りになっているので、「発掘」が必要です。ということで、オリジナルの「研究日誌モンテカルロ」は当面お蔵入りということにします。