2012年1月5日木曜日

The Feynman Lectures on Physics Vol. IIを読む

むかーし、神保町の明倫館で購入したまま読まずにおいた洋書。最近必要があって、ついに読む時がやってきた。といっても、最初の章だけしか読んでないが。しかし、その内容に感動してしまった。ファインマンの教科書は、いつ読んでも感動する。これを読むと、世界の見え方が変わってくる!

「重力と同じように、逆二乗則に従う力を考えてみよう。ただし、引力と斥力の2つの型が共存するタイプの力で、その力の強さがずっとずっとずっと大きいとしよう。それが電気力という力である。」という感じで書き出しが始まる。そしてこう続く。「全ての物質は無数の原子からできているが、その原子もさらに電子と原子核で構成される。前者はマイナスの、後者はプラスの電荷をもっている。ということは、全ての物質は無数のプラスとマイナスの混じり合ったものとして考えることができる。物質と物質が触れ合うことができるのは、このマイナスとプラスが厳密に等しく、バランスが釣り合っているからだ。仮に、人間の電気のバランスがほんの1%だけマイナスにずれているとしよう。そうすると、A男くんがB子さんに近づこうと思ってもそれは到底無理な話となる。強力な電気の斥力によって、2人が触れ合うのは不可能なのだ。どの程度の力かというと....エンパイアステートビルを動かすほどだって?いえ、いえ。エベレスト?いえ、いえ、いえ。それは地球を動かしてしまうほどの強力な斥力なのだ!」(注:若干のアレンジあり。)

さらに、eye-openingなコメントが続く。+と—の2種類の電荷があり、それが逆二乗則に従うので、完全なバランスに調整して、プラマイの影響力を相殺するのは難しいという。例えば、+と−が同じ数だけあったとしても、+と−をそれぞれ偏らせて分布させれば、斥力や引力が生き残る状況にすることは可能だ。

なるほど。どおりで電磁気学ではモーメントの計算をしつこくやる訳だ。力学では、剛体の運動をやるときにほんのちょっとしか出て来ないのに、どうして電磁気学ではこればっかり何度も勉強させらるれるのか、恥ずかしながらずーっと疑問に思って来た。が、その答えが今日得られた!「偏極」なんて概念も、「電磁気の中の電磁気」といった概念だったんだ。

ところで、この本は第4章と第5章に激しい落丁があって(ページが真っ白!)、買い直しが必要であることも判明...どおりで、古本屋に安くおいてあった訳だ。

続きはまたの機会に。

The Feynman Lectures on Physics
Vol. II (mainly electromagnetism and matter)

authors: R.P.Feynman, R.B. Leighton, M. Sands

publisher: Addison-Wesley Publishing Co. (1964).


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