2012年1月24日火曜日

securitytokyoのすばらしい測定

securitytokyo.comというweb siteがある。ここの運営者はゲルマニウムγ線検出装置(ゲルマ)を持っている!一台数千万円するといわれる、超高価な機械にも関わらず。この装置は、ベクミルに置いてあるNaIシンチレータなんておもちゃに見えるほどの高性能で、γ線スペクトルを精密に再現する。普通は、大学や研究所に置いてある機械で、一般の人はなかなか使えない。(それが、政府の検査体制の遅れにつながっているという話もある。)

例えば、609keVにあるBi-214のピークと、605keVにあるCs-134のピークは、ベクミルのLB2045では分離できない。しかし、ゲルマを使えば分離できる。ゲルマではスペクトルが完全にスパイク状になるからだ!(誤差σがとても小さい。)たとえば、securitytokyoが行った、今回の雪の放射能測定では、Bi-214は綺麗に出ているが、Cs-134は含まれていないことがわかる!とはいえ、これだけ微量の放射線量を測定するには、ゲルマでももの凄く時間がかかる。securitytokyo.comがすばらしいのは、政府の研究機関がやってくれない、徹底的な調査を実行していることだ。ベクミルのLB2045では20分の測定で結果を出す訳だが、securitytokyoは、遥かに高性能のゲルマを何十時間も走らせてから結果を出している。ちなみに、雪の測定では44時間(およそ2日間)計測しているから、文句のつけようがない。

おそらく、ネットで手に入る情報としては、現在日本最高レベルのデータではないだろうか?検出限界が20Bq/kgだの、1Bq/kgだのと色々言い訳して、結局は「ND」にしてしまう政府の測定値などお笑い草だ。

securitytokyoのメインページは、リアルタイムの空間線量の図だが、ゲルマで測ったデータは、もっと地味な右下の「参考データ」の欄にある。内部被曝に関して、非常に貴重で重要なデータを公開しているので、これは必見だと思う。このデータがとても価値があるのは、超微量の放射能汚染だけに関心をもって測定している点だ。この測定で「ND」が出れば、それは本当にNDということだ、と思ってもいいだろう。(もちろん、ゲルマ自体の精度の問題もあるが、現代の工学技術はゲルマを越える機械をまだ作り出していない。)ある意味、政府の測定データより信頼でき、科学者の精神で測定しているところを高く評価したい。

実は、以前ポッポ牛乳の件でsecuritytokyoの測定について引用させてもらった。が、その後の測定で牛乳に関していろいろ進展があったようなので、securitytokyoのデータをもとに議論してみたい。


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