securitytokyoによる、ゲルマニウムγ線検出器を用いた、牛乳のセシウム汚染の検査結果について見てみよう。
残念ながら、牛乳の測定では、結果のスペクトルを公開していない。(この点は、securitytokyoが「真の科学者」でないとわかるところ。でも、今の状態でも、かなりのことを公開してくれているので、それだけでも十分尊敬していいと思う。とはいえ、γ線測定では、結果のBq/kgなどよりも、スペクトルと測定条件が一番価値があるし、情報量が多い。ただ、その部分がもっとも高く「売れる」訳で、苦労して出した結果を安く出したくはない気持ちはわかる。)そこで、群馬産のしいたけの測定をまずは見てみよう。
測定時間は3時間弱。というのは、この椎茸の汚染はひどく、あっという間に「セシウム三兄弟」のピークが出来上がってしまい、長時間測定する必要が無かったからだ。一応、放射能はセシウム137、134ともに13から14Bq/kgで、合計すると30Bq/kg弱。通販で購入した茸だというが、この通販会社は「放射能検査」をしっかりやっているとアピールしているとか。それはおそらく、性能の低い機械で「しっかり」やっただけだ、というのが、スペクトルをみるとよくわかる。(ベクミルにいってよくわかったのだが、20Bq/kgとかでてくる放射能の数字自体は、機械が変わったり、解析法が変わると、放射能値の定義が変わってしまうので、参考程度にしかならない。汚染があるかどうかは、スペクトルの形と高さで判定するべきだ。もちろん、スペクトルのピークの高さは測定時間によるので、測定条件も知る必要がある。)
ある意味、この椎茸のスペクトルが、政府のいう所の「ND」という意味だ。政府が「安全」だといっている食品は、この「セシウム三兄弟」が突っ立っている食品のことだ。それを食べて「直ちに影響は無い」と言われても、ちょっといい気分にはなれない。
このような精密な測定を牛乳でもやってくれていると信じるとしよう。すると、次のような結果になったという。以下、商品名(産地) 測定日 測定時間 結果(Bq/kg) の順番でまとめる。
ポッポ牛乳(野辺山)2011.10.11 300時間 Cs-137: ND Cs-134:ND 合計: ND
大阿蘇牛乳(熊本) 2011.10.11 250時間 Cs-137:ND Cs-134:ND 合計: ND
淡路島牛乳(淡路島)2011.11.11 333時間 Cs-137:ND Cs-134: ND 合計: ND
根釧牛乳(北海道) 2011.11.3 833時間 Cs-137: 0.125 Cs-134: 0.095 合計: 0.2
北海道3.6牛乳(日高)2011.11.20 1667時間 Cs-137: 0.098 Cs-134:微量 合計: 0.1
東毛酪農牛乳(群馬太田) 2011.11.23 167時間 Cs-137: 1.82 Cs-134: 1.48 合計: 3.3
小岩井牛乳(岩手雫石)2011.12.17 83時間 Cs-137: 3.35 Cs-134: 2.74 合計: 6.0
蒜山高原牛乳(岡山) 2011.11 2500時間 Cs-137: 0.05 Cs-134:微量 合計: 0.1
(追記:「微量」とあるのはスペクトルに「山」が立っていることは確認できる程度、ということ。NDではない。)
北海道の牛乳に「汚染」があるのはショックだった。根釧牛乳は夏頃までよく飲んでいた。が、シミュレーションの結果で根釧台地が結構やられていたので、念のため西日本の牛乳に秋からはスイッチした...また、岡山の牛乳に汚染があるのも驚きだ。これは、餌の関係ではないだろうか?西日本に住んでいると、放射能汚染のことが「他人事」に思ってしまうだろう。とすると、福島あたりから汚染食品が回されていても誰も疑わないから、さばきやすいのかも。(最近は、余ったコンビニ弁当などは、家畜の餌に回されるそうだし。)小岩井の汚染は結構ひどい。が、平泉周辺の汚染の高さを知っていれば、岩手が汚染地域の一つだとしても不思議ではない。しかし、盛岡周辺までセシウムが飛んでいたとなると、セシウム汚染の規模の大きさには驚かされる。千恵子の安達太良山も、宮沢賢治の世界も放射能で汚染されてしまった...悲しい限りだ。
SecurityTokyoには、その他の大手食品会社の牛乳の測定もある。明治メグミルク、森永まきばの空、農協牛乳、セブンイレブンの毎日の食卓牛乳など。その全てに汚染がある。なかでも、明治おいしい牛乳の汚染は大きく、唯一の一桁台の汚染(2Bq/kg)。健康に問題がないといわれても、ちょっと飲む気はしない。
[追記:約半年後ポッポ牛乳を再測定した結果、セシウム汚染が確認されてしまった。]
0 件のコメント:
コメントを投稿