2011年11月15日火曜日

北海道、そして西日本のセシウム汚染の可能性:アメリカのシミュレーション結果

朝日新聞に驚愕する記事が出た。日米欧の共同研究チーム、といっても主体はアメリカのUSRA(宇宙関連の研究を行うアメリカの大学の連合会)、による計算シミュレーションによると(うーむ、またシミュレーションか...)、北海道、そして中国地方と四国の山間部にも微弱なセシウム汚染があるという。(京都や福井も!)

最初はショックを受けたが、よく見てよく考えるとちょっと違和感も出て来た。まず、汚染分布がかなり大雑把だという点。先日発表された文科省の汚染分布と、詳細で違うところがある。いわゆるホットスポットがほとんどなく、例えば、柏一帯、平泉一帯が全部駄目、という感じ。解像度が悪い感じがする。多分シミュレーションの計算点が粗いのだと思う。それから、西向きよりも北向きに汚染が広がっている傾向が見られるが、実際には逆じゃないだろうか?計算条件で、北向きの風を強めにしてあるような気がする。

シミュレーションというのは、いろんな結論が出るので鵜呑みにはできないが、経路積分風にいえば、在り得るパラレルワールドの一つであることは確か。無視せず、敬意を払って、しかし慎重に解釈すべき。とにかく、汚染の可能性を指摘された北海道や西日本の地域は、実測して状態を明らかにすべきだ。まずはガイガー部隊、出動すべし!

(追記:シミュレーション計算の論文が手に入った。今は一般公開しているので、誰でも無料でダウンロードできる。この計算は、主筆がアメリカの研究機関にいる日本人。東大の早野さんも共著者の一人だが、おそらく観測データの提供やアドバイスをしたのだろう。さらに、シミュレーションのコードはノルウェーの有名な研究所のものを利用したんだと思う。現在、論文を読んで分析中。)

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